2021年03月08日
「回想の剣」
こんばんは。
最近わりと忙しく、何かと余裕がありません。
「数年前なら、もう少しは動けたのに…」と思うことも増えてきました。
ふと、若き日のことを想い出したので、唐突に語ります。
なお、文末までには佐賀藩の話に持っていきますので、“心配ご無用!”です。
――たしか、私が17歳ぐらいのとき…
遠い昔の話。なぜ急に思い出したのかは、わからない。何の文化行事だったか「演劇鑑賞」をした記憶がある。
観劇を終えると別のクラスだが、時折、話をする同級生が来た。
「おう“SR”じゃないか。さっきの演劇はどうだった?」
意図の読めない質問。私はこう答えた。
「…高校生が観るには、少し子供っぽい内容だったかな。」
――同級生の反応は、意外なものだった。
「…いや、かなり良かったぞ。」
“ほう、好意的な反応だったか。” 私はそう思って、次の言葉を待った。
「若さの持つ、他に代えがたい価値を見事に表現している。」
ロシアだったか…外国の文豪の名まで出したうえで、演劇の内容を讃える。
――「若さの持つ価値…?」そのときの、私の心の声。
私の中で「お前は、一体いくつ(何歳)なんだ?」という疑念が巡った。
それから少し月日は進む。高望みをした私は、受験に失敗した。顧みたくもない時間を経て、私は次の学校へと進んだ。
そこには、先ほどの同級生もいた。私と似たような時間軸で動いていたようだ。
「また、同じ学校になったようだな…」
ある日、この友人が読んだ小説に「書評」をしているのを見る機会があった。
“江藤新平”を題材とした物語。日本の近代司法制度を作った人物とある。

――歴史上の顛末(てんまつ)は、教科書で知っている。
当時、それ以上の興味は湧かなかった。
「佐賀の出身で、明治政府に反乱を起こして負けた人だ…」と。
そのときの私に、友の言に耳を傾ける器量があれば、どうなったであろうか。
…そこで、運命は大なる変化の時を迎えたのかもしれないんである。
(わかる人だけで良いので、大隈重信の演説調だと思ってください。)
岐路に立つ時、過去の選択への後悔もある。未来の選択は、まだ変えられる。きっと、そのために歴史を学んでいる…
――以上のように…、いま私も岐路に立っています。
まず、この春からの展開が全く読めません。しばらくは“本編”の続きを練りつつ、「省エネモード」で投稿を続けようと考えています。
“本編”をあと2話ぐらい進めてから年度末に至りたかったのですが、第15話「江戸動乱」も、かなり重い内容だったので、厳しかったです。
そして、「どこで第1部と第2部が切り替わるか…」も迷っているところですが、「第2部の主役は、ぜひ江藤新平に設定したい!」という思いです。
――ラストは、告知をします。
3月9日(火)午後10時~“NHK Eテレ”「先人たちの底力 知恵泉」再放送。江藤新平の特集ですので、ご覧になっていない方はいかがでしょうか。
…なお、私は視聴後に少々落ち着かず「江藤新平にはフィクションの物語でも、もっと活躍してほしい!」と暴走しています。
〔参照(中盤):「帰らんば、あの世界へ。」〕
最近わりと忙しく、何かと余裕がありません。
「数年前なら、もう少しは動けたのに…」と思うことも増えてきました。
ふと、若き日のことを想い出したので、唐突に語ります。
なお、文末までには佐賀藩の話に持っていきますので、“心配ご無用!”です。
――たしか、私が17歳ぐらいのとき…
遠い昔の話。なぜ急に思い出したのかは、わからない。何の文化行事だったか「演劇鑑賞」をした記憶がある。
観劇を終えると別のクラスだが、時折、話をする同級生が来た。
「おう“SR”じゃないか。さっきの演劇はどうだった?」
意図の読めない質問。私はこう答えた。
「…高校生が観るには、少し子供っぽい内容だったかな。」
――同級生の反応は、意外なものだった。
「…いや、かなり良かったぞ。」
“ほう、好意的な反応だったか。” 私はそう思って、次の言葉を待った。
「若さの持つ、他に代えがたい価値を見事に表現している。」
ロシアだったか…外国の文豪の名まで出したうえで、演劇の内容を讃える。
――「若さの持つ価値…?」そのときの、私の心の声。
私の中で「お前は、一体いくつ(何歳)なんだ?」という疑念が巡った。
それから少し月日は進む。高望みをした私は、受験に失敗した。顧みたくもない時間を経て、私は次の学校へと進んだ。
そこには、先ほどの同級生もいた。私と似たような時間軸で動いていたようだ。
「また、同じ学校になったようだな…」
ある日、この友人が読んだ小説に「書評」をしているのを見る機会があった。
“江藤新平”を題材とした物語。日本の近代司法制度を作った人物とある。
――歴史上の顛末(てんまつ)は、教科書で知っている。
当時、それ以上の興味は湧かなかった。
「佐賀の出身で、明治政府に反乱を起こして負けた人だ…」と。
そのときの私に、友の言に耳を傾ける器量があれば、どうなったであろうか。
…そこで、運命は大なる変化の時を迎えたのかもしれないんである。
(わかる人だけで良いので、大隈重信の演説調だと思ってください。)
岐路に立つ時、過去の選択への後悔もある。未来の選択は、まだ変えられる。きっと、そのために歴史を学んでいる…
――以上のように…、いま私も岐路に立っています。
まず、この春からの展開が全く読めません。しばらくは“本編”の続きを練りつつ、「省エネモード」で投稿を続けようと考えています。
“本編”をあと2話ぐらい進めてから年度末に至りたかったのですが、第15話「江戸動乱」も、かなり重い内容だったので、厳しかったです。
そして、「どこで第1部と第2部が切り替わるか…」も迷っているところですが、「第2部の主役は、ぜひ江藤新平に設定したい!」という思いです。
――ラストは、告知をします。
3月9日(火)午後10時~“NHK Eテレ”「先人たちの底力 知恵泉」再放送。江藤新平の特集ですので、ご覧になっていない方はいかがでしょうか。
…なお、私は視聴後に少々落ち着かず「江藤新平にはフィクションの物語でも、もっと活躍してほしい!」と暴走しています。
〔参照(中盤):
2021年03月07日
「“鎖国”してたね?(開国編)」
こんばんは。
幕末の大河ドラマ「青天を衝け」で特大の違和感を物ともせず、冒頭を仕切る、徳川家康(演:北大路欣也)。今夜の放送も、楽しみです。
先週(第3回)の冒頭は渋沢栄一(演:吉沢亮)。「家康公の登場は無しか…」と油断した私に、オープニング直後「こんばんは、徳川家康です」の声。
「今日は私のお気に入りの外国人を紹介したい。」と話を進めます。「なんて自由な“天下人”なんだ…」と思った私でした。
――なお、家康公の没年は1616年。
家康公が自ら“三浦按針”の名を与えたウィリアム・アダムスや、過去のマルコ・ポーロはともかく、未来(!)の外国人(ラナルド・マクドナルド)までお気に入り。
家康存命時の『鎖国』の進捗ですが、まだキリスト教宣教師の追放、長崎・平戸への貿易港の制限…という段階。
『鎖国』の完成は、かなり先。3代将軍・徳川家光の時代。家康公には、まだまだ海外への強い興味があったのでしょう。まさか未来まで見ておられるとは…

――『開国』への道を考える。序盤(1800年代~)。
以降、200年ばかり続いた『鎖国』と言われます。しかし、特に幕末に近づくにつれて、主に長崎で色々ありました。もちろん、当ブログでは佐賀藩の視点です。
1804年 ロシアのレザノフが長崎で通商要求
長崎警備担当の佐賀藩は、千人規模で守りを固めます。長崎は無事でしたが、レザノフは、幕府の対応に不満を持ったようで、北方で暴れます。
1808年 イギリス船の長崎港侵入事件
私は「幕末佐賀藩の大河ドラマ」の第1話に設定した“フェートン号事件”です。
〔参照:第1話「長崎警護」④〕
1825年 異国船打払令
“本編”第2話では、佐賀藩の台場(砲台)担当者の目線で表現しました。
〔参照:第2話「算盤大名」①〕
――続いて、危機意識を持つ佐賀藩。中盤(1830年代~)
蘭癖(西洋かぶれ)の武雄領主・鍋島茂義が先導し、長崎の町役人・高島秋帆から佐賀藩は西洋砲術を学びます。最新技術を得るには、長崎に近いと有利。
〔参照:第3話「西洋砲術」②〕
1840年 アヘン戦争
清国(中国)がイギリスに敗北し、日本の知識人は驚きます。「青天を衝け」でも、見かけた場面です。
1844年 オランダ国王の開国勧告
“親書”を持って「開国のススメ」を行うオランダですが幕府の反応は鈍いです。オランダが返事を待つ間に佐賀の殿・鍋島直正は蒸気船に乗せてもらいます。
――そして、アメリカもロシアも来る。終盤(1850年代~)
長崎に台場(砲台)を築き、鉄製大砲を完成した佐賀藩。外国と向き合います。
1853年 アメリカのペリーが浦賀に来航
幕府老中・阿部正弘は、佐賀藩が国内で唯一製造できる“鉄製大砲”を発注。
〔参照(後半):第8話「黒船来航」⑩〕
続いて同年 ロシアのプチャーチンが長崎に来航。
鍋島直正の決断で築いた「長崎砲台」。ロシア船に睨(にら)みを利かせます。
〔参照:第9話「和親条約」⑦〕

1854年 アメリカのペリーが再来航。
横浜に上陸しての『日米和親条約』の交渉。内容は下田・箱館の2港を開港し領事駐在。燃料・食料の補給。難破船の救助など…外国船の支援寄りです。
幕府は“通商”を「本筋と関係ない」、“2港以外の開港”を「国書に記載無し」と拒絶したようです。弱腰のイメージで語られますが、意外と「NO」も言います。
〔参照(中盤):第9話「和親条約」⑩〕
――時代は『開国』通商へ。“新しい港町”も登場。
1856年 アロー戦争
清国(中国)とイギリス・フランスとの戦闘。第2次アヘン戦争とも呼ばれ、清国が凄まじく不利な条約を結ぶに至ります。
1858年 アメリカの総領事ハリスと、『日米修好通商条約』調印。
幕府の大老・井伊直弼は朝廷の許し(勅許)を得てから条約調印を望んだとも。英仏の脅威が迫る中、時間は有限…と、井伊は条約締結を決断したようです。
…この通商も含めた『開国』により、巨大都市・江戸に近い横浜港が開かれて、大発展を遂げます。
一方で、日本の“絶対的”表玄関だった長崎港。独占的立場は失われますが、この後も幕末の舞台として存在感を示していきます。
幕末の大河ドラマ「青天を衝け」で特大の違和感を物ともせず、冒頭を仕切る、徳川家康(演:北大路欣也)。今夜の放送も、楽しみです。
先週(第3回)の冒頭は渋沢栄一(演:吉沢亮)。「家康公の登場は無しか…」と油断した私に、オープニング直後「こんばんは、徳川家康です」の声。
「今日は私のお気に入りの外国人を紹介したい。」と話を進めます。「なんて自由な“天下人”なんだ…」と思った私でした。
――なお、家康公の没年は1616年。
家康公が自ら“三浦按針”の名を与えたウィリアム・アダムスや、過去のマルコ・ポーロはともかく、未来(!)の外国人(ラナルド・マクドナルド)までお気に入り。
家康存命時の『鎖国』の進捗ですが、まだキリスト教宣教師の追放、長崎・平戸への貿易港の制限…という段階。
『鎖国』の完成は、かなり先。3代将軍・徳川家光の時代。家康公には、まだまだ海外への強い興味があったのでしょう。まさか未来まで見ておられるとは…
――『開国』への道を考える。序盤(1800年代~)。
以降、200年ばかり続いた『鎖国』と言われます。しかし、特に幕末に近づくにつれて、主に長崎で色々ありました。もちろん、当ブログでは佐賀藩の視点です。
1804年 ロシアのレザノフが長崎で通商要求
長崎警備担当の佐賀藩は、千人規模で守りを固めます。長崎は無事でしたが、レザノフは、幕府の対応に不満を持ったようで、北方で暴れます。
1808年 イギリス船の長崎港侵入事件
私は「幕末佐賀藩の大河ドラマ」の第1話に設定した“フェートン号事件”です。
〔参照:
1825年 異国船打払令
“本編”第2話では、佐賀藩の台場(砲台)担当者の目線で表現しました。
〔参照:
――続いて、危機意識を持つ佐賀藩。中盤(1830年代~)
蘭癖(西洋かぶれ)の武雄領主・鍋島茂義が先導し、長崎の町役人・高島秋帆から佐賀藩は西洋砲術を学びます。最新技術を得るには、長崎に近いと有利。
〔参照:
1840年 アヘン戦争
清国(中国)がイギリスに敗北し、日本の知識人は驚きます。「青天を衝け」でも、見かけた場面です。
1844年 オランダ国王の開国勧告
“親書”を持って「開国のススメ」を行うオランダですが幕府の反応は鈍いです。オランダが返事を待つ間に佐賀の殿・鍋島直正は蒸気船に乗せてもらいます。
――そして、アメリカもロシアも来る。終盤(1850年代~)
長崎に台場(砲台)を築き、鉄製大砲を完成した佐賀藩。外国と向き合います。
1853年 アメリカのペリーが浦賀に来航
幕府老中・阿部正弘は、佐賀藩が国内で唯一製造できる“鉄製大砲”を発注。
〔参照(後半):
続いて同年 ロシアのプチャーチンが長崎に来航。
鍋島直正の決断で築いた「長崎砲台」。ロシア船に睨(にら)みを利かせます。
〔参照:
1854年 アメリカのペリーが再来航。
横浜に上陸しての『日米和親条約』の交渉。内容は下田・箱館の2港を開港し領事駐在。燃料・食料の補給。難破船の救助など…外国船の支援寄りです。
幕府は“通商”を「本筋と関係ない」、“2港以外の開港”を「国書に記載無し」と拒絶したようです。弱腰のイメージで語られますが、意外と「NO」も言います。
〔参照(中盤):
――時代は『開国』通商へ。“新しい港町”も登場。
1856年 アロー戦争
清国(中国)とイギリス・フランスとの戦闘。第2次アヘン戦争とも呼ばれ、清国が凄まじく不利な条約を結ぶに至ります。
1858年 アメリカの総領事ハリスと、『日米修好通商条約』調印。
幕府の大老・井伊直弼は朝廷の許し(勅許)を得てから条約調印を望んだとも。英仏の脅威が迫る中、時間は有限…と、井伊は条約締結を決断したようです。
…この通商も含めた『開国』により、巨大都市・江戸に近い横浜港が開かれて、大発展を遂げます。
一方で、日本の“絶対的”表玄関だった長崎港。独占的立場は失われますが、この後も幕末の舞台として存在感を示していきます。
2021年03月05日
「“鎖国”してたね?(鎖国編)」
こんばんは。
以前、大河ドラマ「青天を衝け」の冒頭が気になる…という話をしました。
「こんばんは、徳川家康です。私の開いた江戸幕府は、よく『鎖国してたね?』なんて言われますが…」(第2回「栄一、踊る」より)
初回で「日本の歴史」を紹介したかと思えば、そのあとも天下御免で登場。さすが“天下人”ですが、この家康公は気難しい感じもなく親しみやすい印象です。
――もうすぐ、新年度。出会いの季節でもあります。
私はこの家康公(演:北大路欣也)がすでに毎週の楽しみです。「新しい職場や学校でも、あっと言う間に人気者」という、親しみやすい家康像(?)でしょうか。
なんだか友達多そう。たくさんの人から「鎖国してたね?」と言われている感じの、家康公…さて、ここからが本題ですが、『鎖国と開国』をテーマに考えます。

――まず『鎖国』を教科書っぽく。一言で語ると…
江戸幕府の「キリスト教の禁圧」と「対外関係の制限」の政策…でしょうか。
『鎖国』が完成に向かうのは、1633年~1639年頃。日本船の海外渡航の禁止、外国船が来航する港の限定が徹底されます。
――途中、1637年「島原の乱」が起きます。
西九州での戦いなので、佐賀藩兵も前線に出ることに。キリスト教徒の結束を見せつけられ、幕府はさらに警戒を強めます。
幕府が布教の思惑ありと判断したか、1639年にはポルトガル船は来航禁止。ヨーロッパの国では、“商売第一”のオランダとだけ交易を続けます。
――1641年。オランダ人も平戸から、長崎・出島に移されます。
この6年ほど前、明(中国)船も長崎港への来航に制限されているので、これで鎖国完成と言ってよいでしょう。日本の表玄関は、長崎だけ…になりました。
でも、家康公が語ったように。長崎以外にも、大名を通じた交易ルートが3箇所あることは知られています。
〔参照(後半):「幕末佐賀と4つの“口”」〕

――江戸期を通じて、表玄関・長崎の警備担当は…
佐賀藩と福岡藩が、原則1年交代で務めました。莫大な費用がかかりますが、進んだ西洋の情報に触れることができました。
ちなみに、この2つの藩。有力な外様大名なので、監視役が付きます。幕府寄りの大名が入った唐津藩が、警備担当の2藩の動きを見張ります。
――そうです、その唐津藩も現在は“佐賀県”(唐津市周辺)です。
ちなみに“本編”第16話は「攘夷沸騰」というタイトルで考えています。いつから開始できるかは未定です。
そろそろ唐津藩ゆかりの方々の登場も狙っております。“佐賀県”を徹底して描くと、幕末という時代が浮かび上がってくる…そんな話も書いてみたいです。
〔参照(後半):「主に唐津市民の方を対象にしたつぶやき」〕
以前、大河ドラマ「青天を衝け」の冒頭が気になる…という話をしました。
「こんばんは、徳川家康です。私の開いた江戸幕府は、よく『鎖国してたね?』なんて言われますが…」(第2回「栄一、踊る」より)
初回で「日本の歴史」を紹介したかと思えば、そのあとも天下御免で登場。さすが“天下人”ですが、この家康公は気難しい感じもなく親しみやすい印象です。
――もうすぐ、新年度。出会いの季節でもあります。
私はこの家康公(演:北大路欣也)がすでに毎週の楽しみです。「新しい職場や学校でも、あっと言う間に人気者」という、親しみやすい家康像(?)でしょうか。
なんだか友達多そう。たくさんの人から「鎖国してたね?」と言われている感じの、家康公…さて、ここからが本題ですが、『鎖国と開国』をテーマに考えます。
――まず『鎖国』を教科書っぽく。一言で語ると…
江戸幕府の「キリスト教の禁圧」と「対外関係の制限」の政策…でしょうか。
『鎖国』が完成に向かうのは、1633年~1639年頃。日本船の海外渡航の禁止、外国船が来航する港の限定が徹底されます。
――途中、1637年「島原の乱」が起きます。
西九州での戦いなので、佐賀藩兵も前線に出ることに。キリスト教徒の結束を見せつけられ、幕府はさらに警戒を強めます。
幕府が布教の思惑ありと判断したか、1639年にはポルトガル船は来航禁止。ヨーロッパの国では、“商売第一”のオランダとだけ交易を続けます。
――1641年。オランダ人も平戸から、長崎・出島に移されます。
この6年ほど前、明(中国)船も長崎港への来航に制限されているので、これで鎖国完成と言ってよいでしょう。日本の表玄関は、長崎だけ…になりました。
でも、家康公が語ったように。長崎以外にも、大名を通じた交易ルートが3箇所あることは知られています。
〔参照(後半):
――江戸期を通じて、表玄関・長崎の警備担当は…
佐賀藩と福岡藩が、原則1年交代で務めました。莫大な費用がかかりますが、進んだ西洋の情報に触れることができました。
ちなみに、この2つの藩。有力な外様大名なので、監視役が付きます。幕府寄りの大名が入った唐津藩が、警備担当の2藩の動きを見張ります。
――そうです、その唐津藩も現在は“佐賀県”(唐津市周辺)です。
ちなみに“本編”第16話は「攘夷沸騰」というタイトルで考えています。いつから開始できるかは未定です。
そろそろ唐津藩ゆかりの方々の登場も狙っております。“佐賀県”を徹底して描くと、幕末という時代が浮かび上がってくる…そんな話も書いてみたいです。
〔参照(後半):
2021年03月03日
「花の生涯…」
こんばんは。
本日は、3月3日ですね。
旧暦ですが、幕末の大事件「桜田門外の変」が起きた日でもあります。現代の暦(季節感)では、3月下旬頃になります。
…華やかな気分の“ひな祭り”に、なんだか物騒な話始めで恐縮です。
――今日のタイトルは、大河ドラマ第1作『花の生涯』から…
実は、初めて「大河ドラマ」の主人公になった方が、井伊直弼です。
当時の映像は、一部しか現存しないそうです。放映は、1963年(昭和38年)。この翌年には、東京オリンピックが開催されたのですね。
…実際に視聴した方の記憶の中には“名作”として刻まれていることでしょう。
以前、歴代「大河ドラマ」の主人公と、佐賀の主役候補をつなぐ…という投稿をしたことがあり、井伊直弼と鍋島直正の関わりも少し書いています。
〔参照:「“大河の主役”と並ぶ」(関係性③‐1鍋島直正編)〕
――“本編”の直近の投稿は、かなり井伊直弼の立場に寄っています。
「井伊さまの地元・彦根(滋賀)の皆様にも届け!」という想いで書き進めました。
大河ドラマ「青天を衝け」では、水戸藩が準主役と言って良いでしょう。敵対する井伊大老は、あまり良く描いてもらえないと想像し、より気合が入りました。
〔参照:第15話「江戸動乱」⑭(“赤鬼”が背負うもの)〕
…ここは、“青天”の井伊直弼役・岸谷五朗さんの熱演にも期待したいです。

――ちなみに「幕末佐賀藩の大河ドラマ」が実現すれば…
大老・井伊直弼は、好意的に描けると思います。殿・鍋島直正が見込んだ「国を背負うべき士」みたく表現できそうです。
彦根(滋賀)の情報も参照してみましたが、井伊直弼は「志士の弾圧」と「開国の英断」で評価が両極端。もう少し冷静に見てほしい…という声もあるようです。
キーワードは「朝廷への工作で、政治の体制を揺るがした」と判断された“戊午(ぼご)の密勅”。ここの経緯を丁寧に追う必要があるという意見でした。
〔参照:「京の宵闇」〕
…幕府のルールを大事にし、決断をした責任は背負う。井伊直弼が地道に頑張るタイプならば、佐賀の殿・鍋島直正とは、やっぱり気が合うように思います。
――何やら「彦根市民の皆様へのつぶやき」になっていますが…
幕末期。“安政の大獄”の際、京都では井伊直弼の側近が指揮にあたり、親しかった女性まで“密偵”として活動したそうです。
そして京都を守備する彦根藩士たちが、主力として探索にあたった結果。尊王攘夷の志士たちも、まず彦根城に囚われる事が多かったと聞きます。
〔参照(終盤):第15話「江戸動乱」⑪(親心に似たるもの)〕
その後、井伊直弼がいなくなった彦根藩。幕府からの扱いは冷たいものでした。こうして戊辰戦争時には、早々と新政府側に付くことになります。

――そして現在、“国宝”の天守を持つ彦根城。
いまや、ゆるキャラ界の大物“ひこにゃん”も有する、強力観光スポットですが、この彦根城にもピンチがありました。
かつて明治初期に無用扱いとなった、江戸期の城郭は、全国で壊されました。
「城さえ残っていれば…」と涙を流す、各地の観光関係者も少なくないはず。
しかし彦根には救いのヒーローが現れます。明治天皇の北陸巡幸に随行した、大隈重信が、解体準備が進む、彦根城に立ち寄ったのです。
大隈は「こん城の消失は惜しか。保存せんばならんばい!」とか決意したのか、天皇に保存を奏上します。…なかなか美味しいところを持っていく大隈さん。
…高い価値が守られた彦根城。井伊直弼の旧暦命日に見つけたお話でした。
本日は、3月3日ですね。
旧暦ですが、幕末の大事件「桜田門外の変」が起きた日でもあります。現代の暦(季節感)では、3月下旬頃になります。
…華やかな気分の“ひな祭り”に、なんだか物騒な話始めで恐縮です。
――今日のタイトルは、大河ドラマ第1作『花の生涯』から…
実は、初めて「大河ドラマ」の主人公になった方が、井伊直弼です。
当時の映像は、一部しか現存しないそうです。放映は、1963年(昭和38年)。この翌年には、東京オリンピックが開催されたのですね。
…実際に視聴した方の記憶の中には“名作”として刻まれていることでしょう。
以前、歴代「大河ドラマ」の主人公と、佐賀の主役候補をつなぐ…という投稿をしたことがあり、井伊直弼と鍋島直正の関わりも少し書いています。
〔参照:
――“本編”の直近の投稿は、かなり井伊直弼の立場に寄っています。
「井伊さまの地元・彦根(滋賀)の皆様にも届け!」という想いで書き進めました。
大河ドラマ「青天を衝け」では、水戸藩が準主役と言って良いでしょう。敵対する井伊大老は、あまり良く描いてもらえないと想像し、より気合が入りました。
〔参照:
…ここは、“青天”の井伊直弼役・岸谷五朗さんの熱演にも期待したいです。
――ちなみに「幕末佐賀藩の大河ドラマ」が実現すれば…
大老・井伊直弼は、好意的に描けると思います。殿・鍋島直正が見込んだ「国を背負うべき士」みたく表現できそうです。
彦根(滋賀)の情報も参照してみましたが、井伊直弼は「志士の弾圧」と「開国の英断」で評価が両極端。もう少し冷静に見てほしい…という声もあるようです。
キーワードは「朝廷への工作で、政治の体制を揺るがした」と判断された“戊午(ぼご)の密勅”。ここの経緯を丁寧に追う必要があるという意見でした。
〔参照:
…幕府のルールを大事にし、決断をした責任は背負う。井伊直弼が地道に頑張るタイプならば、佐賀の殿・鍋島直正とは、やっぱり気が合うように思います。
――何やら「彦根市民の皆様へのつぶやき」になっていますが…
幕末期。“安政の大獄”の際、京都では井伊直弼の側近が指揮にあたり、親しかった女性まで“密偵”として活動したそうです。
そして京都を守備する彦根藩士たちが、主力として探索にあたった結果。尊王攘夷の志士たちも、まず彦根城に囚われる事が多かったと聞きます。
〔参照(終盤):
その後、井伊直弼がいなくなった彦根藩。幕府からの扱いは冷たいものでした。こうして戊辰戦争時には、早々と新政府側に付くことになります。
――そして現在、“国宝”の天守を持つ彦根城。
いまや、ゆるキャラ界の大物“ひこにゃん”も有する、強力観光スポットですが、この彦根城にもピンチがありました。
かつて明治初期に無用扱いとなった、江戸期の城郭は、全国で壊されました。
「城さえ残っていれば…」と涙を流す、各地の観光関係者も少なくないはず。
しかし彦根には救いのヒーローが現れます。明治天皇の北陸巡幸に随行した、大隈重信が、解体準備が進む、彦根城に立ち寄ったのです。
大隈は「こん城の消失は惜しか。保存せんばならんばい!」とか決意したのか、天皇に保存を奏上します。…なかなか美味しいところを持っていく大隈さん。
…高い価値が守られた彦根城。井伊直弼の旧暦命日に見つけたお話でした。
タグ :大河ドラマ
2021年03月01日
「“青天”に呟く…」
こんばんは。
昨日の日曜で、大河ドラマ「青天を衝け」は第3回でしたね。
私は「青天を衝け」を見ている間、ずっと気忙しいです。今日はその理由となる個人的なポイントを順に紹介します。
ちなみに私の話は、だいたい結論を佐賀藩に持っていきます。そのため実際の「ドラマの感想」以上に、「佐賀藩への想い」が書いてあるのでご注意ください。
――①時代背景が気になる。
・「アヘン戦争」(1840年~)が度々、引き合いに出される。
長崎を警備する佐賀藩にとっては「今、そこにある危機」でした。殿・鍋島直正は、幕府や福岡藩が動かずとも、佐賀藩単独でも長崎砲台を築いていきます。
〔参照(終盤):第8話「黒船来航」④〕
・「ペリー来航」(1853年~)を、どう描くかに興味がある。
“青天”のペリー。わりと他の欧米列強との順番争いを気にします。「偉大な兄に追いつきたい」気持ちも加われば、“本編”で描いたペリーに近づきそうです。
〔参照(後半):第8話「黒船来航」⑥〕

――②登場人物が気になる。
・水戸さまの“懐刀”として藤田東湖(演:渡辺いっけい)に存在感がある。
水戸藩の「尊王攘夷」の柱。思想家・藤田東湖。徳川斉昭を支える実務家で、これは「島義勇からも尊敬されるだろうな」…という説得力を感じます。
〔参照(前半):第11話「蝦夷探検」③(“懐刀”の想い)〕
・幕府エリート官僚の川路聖謨(演:平田満)も、序盤から登場する。
ペリーが一時退去した直後、長崎に現れたロシアのプチャーチンと折衝した人物。佐賀藩の「長崎砲台」に守られ、堂々と外交ができたと幕府に報告します。
〔参照(後半):第9話「和親条約」⑧〕
――③キャストが気になる。
・平岡円四郎(演:堤真一)が、何となく佐賀の殿様に見えてしまう。
…これは以前からの、私の勝手なイメージです。
二枚目と三枚目の顔を併せ持ち、表情も口調も変幻自在。
精悍な顔立ちですし、武芸にも励んだ殿が表現できるかも…
・尾高惇忠(演:田辺誠一)も、佐賀藩の“請役”さまに見えてしまう。
…同上で、当初からの個人的なイメージです。
妹・千代(演:橋本愛)が「女子だって人の道理を学びたい!」と訴えます。目下とされる人の想いを聞いて、自分の意見を正したりする感じが…補佐役っぽい。
――おそらく、私は「青天を衝け」だけではなく…
「幕末佐賀藩の大河ドラマ」を重ねて見ているようです。
…私が“本編”を描く時のキャストのイメージも、機会があれば語りたいと思います。こんな調子なので、私の「大河ドラマ視聴」はとても忙しいです。
――もし幕末期の佐賀藩で「大河ドラマ」が実現したら…
想像は膨らむところですが、例えば…
第3回の“紀行”でも、水戸の藩校「弘道館」が紹介されました。大河ドラマ化の暁(あかつき)には、佐賀の「弘道館」も全国で知られる機会が…
独特のポイントを呟(つぶや)きましたが、冒頭の「こんばんは、徳川家康です」が毎週気になるのは、私だけではないようです。
昨日の日曜で、大河ドラマ「青天を衝け」は第3回でしたね。
私は「青天を衝け」を見ている間、ずっと気忙しいです。今日はその理由となる個人的なポイントを順に紹介します。
ちなみに私の話は、だいたい結論を佐賀藩に持っていきます。そのため実際の「ドラマの感想」以上に、「佐賀藩への想い」が書いてあるのでご注意ください。
――①時代背景が気になる。
・「アヘン戦争」(1840年~)が度々、引き合いに出される。
長崎を警備する佐賀藩にとっては「今、そこにある危機」でした。殿・鍋島直正は、幕府や福岡藩が動かずとも、佐賀藩単独でも長崎砲台を築いていきます。
〔参照(終盤):
・「ペリー来航」(1853年~)を、どう描くかに興味がある。
“青天”のペリー。わりと他の欧米列強との順番争いを気にします。「偉大な兄に追いつきたい」気持ちも加われば、“本編”で描いたペリーに近づきそうです。
〔参照(後半):

――②登場人物が気になる。
・水戸さまの“懐刀”として藤田東湖(演:渡辺いっけい)に存在感がある。
水戸藩の「尊王攘夷」の柱。思想家・藤田東湖。徳川斉昭を支える実務家で、これは「島義勇からも尊敬されるだろうな」…という説得力を感じます。
〔参照(前半):
・幕府エリート官僚の川路聖謨(演:平田満)も、序盤から登場する。
ペリーが一時退去した直後、長崎に現れたロシアのプチャーチンと折衝した人物。佐賀藩の「長崎砲台」に守られ、堂々と外交ができたと幕府に報告します。
〔参照(後半):
――③キャストが気になる。
・平岡円四郎(演:堤真一)が、何となく佐賀の殿様に見えてしまう。
…これは以前からの、私の勝手なイメージです。
二枚目と三枚目の顔を併せ持ち、表情も口調も変幻自在。
精悍な顔立ちですし、武芸にも励んだ殿が表現できるかも…
・尾高惇忠(演:田辺誠一)も、佐賀藩の“請役”さまに見えてしまう。
…同上で、当初からの個人的なイメージです。
妹・千代(演:橋本愛)が「女子だって人の道理を学びたい!」と訴えます。目下とされる人の想いを聞いて、自分の意見を正したりする感じが…補佐役っぽい。
――おそらく、私は「青天を衝け」だけではなく…
「幕末佐賀藩の大河ドラマ」を重ねて見ているようです。
…私が“本編”を描く時のキャストのイメージも、機会があれば語りたいと思います。こんな調子なので、私の「大河ドラマ視聴」はとても忙しいです。
――もし幕末期の佐賀藩で「大河ドラマ」が実現したら…
想像は膨らむところですが、例えば…
第3回の“紀行”でも、水戸の藩校「弘道館」が紹介されました。大河ドラマ化の暁(あかつき)には、佐賀の「弘道館」も全国で知られる機会が…
独特のポイントを呟(つぶや)きましたが、冒頭の「こんばんは、徳川家康です」が毎週気になるのは、私だけではないようです。
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