2021年03月08日

「回想の剣」

こんばんは。
最近わりと忙しく、何かと余裕がありません。

数年前なら、もう少しは動けたのに…」と思うことも増えてきました。
ふと、若き日のことを想い出したので、唐突に語ります。

なお、文末までには佐賀藩の話に持っていきますので、“心配ご無用!”です。


――たしか、私が17歳ぐらいのとき…

遠い昔の話。なぜ急に思い出したのかは、わからない。何の文化行事だったか「演劇鑑賞」をした記憶がある。

観劇を終えると別のクラスだが、時折、話をする同級生が来た。
「おう“SR”じゃないか。さっきの演劇はどうだった?」

意図の読めない質問。私はこう答えた。
「…高校生が観るには、少し子供っぽい内容だったかな。」


――同級生の反応は、意外なものだった。

「…いや、かなり良かったぞ。」
“ほう、好意的な反応だったか。” 私はそう思って、次の言葉を待った。

若さの持つ、他に代えがたい価値を見事に表現している。」
ロシアだったか…外国文豪の名まで出したうえで、演劇の内容を讃える


――「若さの持つ価値…?」そのときの、私の心の声。

私の中で「お前は、一体いくつ(何歳)なんだ?」という疑念巡った

それから少し月日は進む。高望みをした私は、受験に失敗した。顧みたくもない時間を経て、私は次の学校へと進んだ。

そこには、先ほどの同級生もいた。私と似たような時間軸で動いていたようだ。
「また、同じ学校になったようだな…」

ある日、この友人が読んだ小説に「書評」をしているのを見る機会があった。
江藤新平”を題材とした物語日本近代司法制度を作った人物とある。



――歴史上の顛末(てんまつ)は、教科書で知っている。

当時、それ以上の興味は湧かなかった。
佐賀の出身で、明治政府反乱を起こして負けた人だ…」と。

そのときのに、友の言に耳を傾ける器量があれば、どうなったであろうか。

…そこで、運命は大なる変化の時を迎えたのかもしれないんである。
(わかる人だけで良いので、大隈重信演説調だと思ってください。)

岐路に立つ時、過去の選択への後悔もある。未来の選択は、まだ変えられる。きっと、そのために歴史を学んでいる…


――以上のように…、いま私も岐路に立っています。

まず、この春からの展開が全く読めません。しばらくは“本編”の続きを練りつつ、「省エネモード」で投稿を続けようと考えています。

本編”をあと2話ぐらい進めてから年度末に至りたかったのですが、第15話江戸動乱」も、かなり重い内容だったので、厳しかったです。

そして、「どこで第1部第2部が切り替わるか…」も迷っているところですが、「第2部主役は、ぜひ江藤新平に設定したい!」という思いです。


――ラストは、告知をします。

3月9日(火)午後10時~“NHK Eテレ”「先人たちの底力 知恵泉再放送江藤新平の特集ですので、ご覧になっていない方はいかがでしょうか。

…なお、私は視聴後に少々落ち着かず「江藤新平にはフィクション物語でも、もっと活躍してほしい!」と暴走しています。
〔参照(中盤):「帰らんば、あの世界へ。」〕  


Posted by SR at 21:10 | Comments(0) | 「望郷の剣」シリーズ

2021年03月07日

「“鎖国”してたね?(開国編)」

こんばんは。

幕末の大河ドラマ「青天を衝け」で特大の違和感を物ともせず、冒頭を仕切る、徳川家康(演:北大路欣也)。今夜の放送も、楽しみです。

先週(第3回)の冒頭渋沢栄一(演:吉沢亮)。「家康公登場は無しか…」と油断した私に、オープニング直後「こんばんは、徳川家康です」の声。

「今日は私のお気に入り外国人を紹介したい。」と話を進めます。「なんて自由な“天下人”なんだ…」と思った私でした。


――なお、家康公の没年は1616年。

家康公が自ら“三浦按針”の名を与えたウィリアム・アダムスや、過去のマルコ・ポーロはともかく、未来(!)の外国人(ラナルド・マクドナルド)までお気に入り

家康存命時の『鎖国』の進捗ですが、まだキリスト教宣教師の追放、長崎平戸への貿易港の制限…という段階。

鎖国』の完成は、かなり先。3代将軍徳川家光の時代。家康公には、まだまだ海外への強い興味があったのでしょう。まさか未来まで見ておられるとは…



――『開国』への道を考える。序盤(1800年代~)。

以降、200年ばかり続いた『鎖国』と言われます。しかし、特に幕末に近づくにつれて、主に長崎で色々ありました。もちろん、当ブログでは佐賀藩の視点です。

1804年 ロシアのレザノフが長崎で通商要求
長崎警備担当の佐賀藩は、千人規模で守りを固めます。長崎は無事でしたが、レザノフは、幕府の対応に不満を持ったようで、北方で暴れます。

1808年 イギリス船の長崎港侵入事件 
私は「幕末佐賀藩の大河ドラマ」の第1話に設定した“フェートン号事件”です。
〔参照:第1話「長崎警護」④

1825年 異国船打払令
“本編”第2話では、佐賀藩の台場(砲台)担当者の目線で表現しました。
〔参照:第2話「算盤大名」①


――続いて、危機意識を持つ佐賀藩。中盤(1830年代~)

蘭癖(西洋かぶれ)の武雄領主・鍋島茂義が先導し、長崎の町役人・高島秋帆から佐賀藩西洋砲術を学びます。最新技術を得るには、長崎に近いと有利。
〔参照:第3話「西洋砲術」②

1840年 アヘン戦争
清国(中国)がイギリスに敗北し、日本の知識人は驚きます。「青天を衝け」でも、見かけた場面です。

1844年 オランダ国王の開国勧告
親書”を持って「開国のススメ」を行うオランダですが幕府の反応は鈍いです。オランダが返事を待つ間に佐賀殿鍋島直正蒸気船に乗せてもらいます。


――そして、アメリカもロシアも来る。終盤(1850年代~)

長崎台場(砲台)を築き、鉄製大砲を完成した佐賀藩外国と向き合います。

1853年 アメリカペリーが浦賀に来航
幕府老中阿部正弘は、佐賀藩が国内で唯一製造できる“鉄製大砲”を発注
〔参照(後半):第8話「黒船来航」⑩

続いて同年 ロシアプチャーチンが長崎に来航。
鍋島直正の決断で築いた「長崎砲台」。ロシア船に睨(にら)みを利かせます。
〔参照:第9話「和親条約」⑦



1854年 アメリカペリーが再来航。
横浜に上陸しての『日米和親条約』の交渉。内容は下田箱館の2港を開港領事駐在。燃料食料の補給。難破船の救助など…外国船支援寄りです。

幕府は“通商”を「本筋と関係ない」、“2港以外の開港”を「国書に記載無し」と拒絶したようです。弱腰のイメージで語られますが、意外と「NO」も言います。
〔参照(中盤):第9話「和親条約」⑩


――時代は『開国』通商へ。“新しい港町”も登場。

1856年 アロー戦争
清国(中国)とイギリスフランスとの戦闘。第2次アヘン戦争とも呼ばれ、清国が凄まじく不利な条約を結ぶに至ります。

1858年 アメリカの総領事ハリスと、『日米修好通商条約』調印。
幕府の大老井伊直弼朝廷の許し(勅許)を得てから条約調印を望んだとも。英仏の脅威が迫る中、時間は有限…と、井伊は条約締結を決断したようです。

…この通商も含めた『開国』により、巨大都市・江戸に近い横浜港が開かれて、大発展を遂げます。

一方で、日本の“絶対的”表玄関だった長崎港独占的立場は失われますが、この後も幕末の舞台として存在感を示していきます。




  


Posted by SR at 17:11 | Comments(0) | 出来事編(E)

2021年03月05日

「“鎖国”してたね?(鎖国編)」

こんばんは。
以前、大河ドラマ青天を衝け」の冒頭が気になる…という話をしました。

「こんばんは、徳川家康です。私の開いた江戸幕府は、よく『鎖国してたね?』なんて言われますが…」(第2回「栄一、踊る」より)

初回で「日本の歴史」を紹介したかと思えば、そのあとも天下御免で登場。さすが“天下人”ですが、この家康公は気難しい感じもなく親しみやすい印象です。


――もうすぐ、新年度。出会いの季節でもあります。

私はこの家康公(演:北大路欣也)がすでに毎週楽しみです。「新しい職場学校でも、あっと言う間に人気者」という、親しみやすい家康像(?)でしょうか。

なんだか友達多そう。たくさんの人から「鎖国してたね?」と言われている感じの、家康公…さて、ここからが本題ですが、『鎖国開国』をテーマに考えます。




――まず『鎖国』を教科書っぽく。一言で語ると…

江戸幕府の「キリスト教禁圧」と「対外関係制限」の政策…でしょうか。

鎖国』が完成に向かうのは、1633年1639年頃。日本船海外渡航の禁止外国船が来航する港の限定が徹底されます。


――途中、1637年「島原の乱」が起きます。

西九州での戦いなので、佐賀藩兵も前線に出ることに。キリスト教徒の結束を見せつけられ、幕府はさらに警戒を強めます。

幕府布教の思惑ありと判断したか、1639年にはポルトガル船は来航禁止。ヨーロッパの国では、“商売第一”のオランダとだけ交易を続けます。


――1641年。オランダ人も平戸から、長崎・出島に移されます。

この6年ほど前、(中国)船も長崎港への来航に制限されているので、これで鎖国完成と言ってよいでしょう。日本表玄関は、長崎だけ…になりました。

でも、家康公が語ったように。長崎以外にも、大名を通じた交易ルート3箇所あることは知られています。
〔参照(後半):「幕末佐賀と4つの“口”」



――江戸期を通じて、表玄関・長崎の警備担当は…

佐賀藩福岡藩が、原則1年交代で務めました。莫大な費用がかかりますが、進んだ西洋の情報に触れることができました。

ちなみに、この2つの藩。有力な外様大名なので、監視役が付きます。幕府寄りの大名が入った唐津藩が、警備担当の2藩の動きを見張ります。


――そうです、その唐津藩も現在は“佐賀県”(唐津市周辺)です。

ちなみに“本編第16話は「攘夷沸騰」というタイトルで考えています。いつから開始できるかは未定です。

そろそろ唐津藩ゆかりの方々の登場も狙っております。“佐賀県”を徹底して描くと、幕末という時代が浮かび上がってくる…そんな話も書いてみたいです。
〔参照(後半):「主に唐津市民の方を対象にしたつぶやき」



  


Posted by SR at 22:32 | Comments(0) | 出来事編(E)

2021年03月03日

「花の生涯…」

こんばんは。
本日は、3月3日ですね。

旧暦ですが、幕末の大事件「桜田門外の変」が起きた日でもあります。現代の暦(季節感)では、3月下旬頃になります。

…華やかな気分の“ひな祭り”に、なんだか物騒な話始めで恐縮です。


――今日のタイトルは、大河ドラマ第1作『花の生涯』から…

実は、初めて「大河ドラマ」の主人公になった方が、井伊直弼です。

当時の映像は、一部しか現存しないそうです。放映は、1963年(昭和38年)。この翌年には、東京オリンピックが開催されたのですね。

…実際に視聴した方の記憶の中には“名作”として刻まれていることでしょう。

以前、歴代「大河ドラマ」の主人公と、佐賀主役候補をつなぐ…という投稿をしたことがあり、井伊直弼鍋島直正の関わりも少し書いています。
〔参照:「“大河の主役”と並ぶ」(関係性③‐1鍋島直正編)


――“本編”の直近の投稿は、かなり井伊直弼の立場に寄っています。

井伊さまの地元・彦根(滋賀)の皆様にも届け!」という想いで書き進めました。

大河ドラマ「青天を衝け」では、水戸藩準主役と言って良いでしょう。敵対する井伊大老は、あまり良く描いてもらえないと想像し、より気合が入りました。
〔参照:第15話「江戸動乱」⑭(“赤鬼”が背負うもの)

…ここは、“青天”の井伊直弼役・岸谷五朗さんの熱演にも期待したいです。



――ちなみに「幕末佐賀藩の大河ドラマ」が実現すれば…

大老・井伊直弼は、好意的に描けると思います。殿鍋島直正が見込んだ「を背負うべき」みたく表現できそうです。

彦根(滋賀)の情報も参照してみましたが、井伊直弼は「志士の弾圧」と「開国の英断」で評価が両極端。もう少し冷静に見てほしい…という声もあるようです。

キーワードは「朝廷への工作で、政治の体制を揺るがした」と判断された“戊午(ぼご)の密勅”。ここの経緯を丁寧に追う必要があるという意見でした。
〔参照:「京の宵闇」

幕府ルールを大事にし、決断をした責任は背負う。井伊直弼地道に頑張るタイプならば、佐賀殿鍋島直正とは、やっぱり気が合うように思います。


――何やら「彦根市民の皆様へのつぶやき」になっていますが…

幕末期。“安政の大獄”の際、京都では井伊直弼側近が指揮にあたり、親しかった女性まで“密偵”として活動したそうです。

そして京都を守備する彦根藩士たちが、主力として探索にあたった結果。尊王攘夷志士たちも、まず彦根城囚われる事が多かったと聞きます。
〔参照(終盤):第15話「江戸動乱」⑪(親心に似たるもの)

その後、井伊直弼がいなくなった彦根藩幕府からの扱いは冷たいものでした。こうして戊辰戦争時には、早々と新政府側に付くことになります。



――そして現在、“国宝”の天守を持つ彦根城。

いまや、ゆるキャラ界の大物“ひこにゃん”も有する、強力観光スポットですが、この彦根城にもピンチがありました。

かつて明治初期無用扱いとなった、江戸期城郭は、全国で壊されました。
城さえ残っていれば…」と涙を流す、各地の観光関係者も少なくないはず。

しかし彦根には救いヒーローが現れます。明治天皇北陸巡幸に随行した、大隈重信が、解体準備が進む、彦根城に立ち寄ったのです。

大隈は「こん消失は惜しか。保存せんばならんばい!」とか決意したのか、天皇保存を奏上します。…なかなか美味しいところを持っていく大隈さん。

高い価値が守られた彦根城井伊直弼の旧暦命日に見つけたお話でした。



  
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Posted by SR at 21:56 | Comments(0) | 出来事編(E)

2021年03月01日

「“青天”に呟く…」

こんばんは。
昨日の日曜で、大河ドラマ青天を衝け」は第3回でしたね。

私は「青天を衝け」を見ている間、ずっと気忙しいです。今日はその理由となる個人的なポイントを順に紹介します。

ちなみに私の話は、だいたい結論佐賀藩に持っていきます。そのため実際の「ドラマ感想」以上に、「佐賀藩への想い」が書いてあるのでご注意ください。


――①時代背景が気になる。

・「アヘン戦争」(1840年~)が度々、引き合いに出される。

長崎を警備する佐賀藩にとっては「今、そこにある危機」でした。殿鍋島直正は、幕府や福岡藩が動かずとも、佐賀藩単独でも長崎砲台を築いていきます。
〔参照(終盤): 第8話「黒船来航」④


・「ペリー来航」(1853年~)を、どう描くかに興味がある。

青天”のペリー。わりと他の欧米列強との順番争いを気にします。「偉大な兄に追いつきたい」気持ちも加われば、“本編”で描いたペリーに近づきそうです。
〔参照(後半):第8話「黒船来航」⑥



――②登場人物が気になる。

・水戸さまの“懐刀”として藤田東湖(演:渡辺いっけい)に存在感がある。

水戸藩の「尊王攘夷」の柱。思想家・藤田東湖徳川斉昭を支える実務家で、これは「島義勇からも尊敬されるだろうな」…という説得力を感じます。
〔参照(前半):第11話「蝦夷探検」③(“懐刀”の想い)

・幕府エリート官僚の川路聖謨(演:平田満)も、序盤から登場する。

ペリーが一時退去した直後、長崎に現れたロシアプチャーチンと折衝した人物。佐賀藩の「長崎砲台」に守られ、堂々と外交ができたと幕府に報告します。
〔参照(後半):第9話「和親条約」⑧


――③キャストが気になる。

平岡円四郎(演:堤真一)が、何となく佐賀の殿様に見えてしまう。
…これは以前からの、私の勝手なイメージです。

二枚目三枚目の顔を併せ持ち、表情も口調も変幻自在
精悍な顔立ちですし、武芸にも励んだ殿が表現できるかも…

・尾高惇忠(演:田辺誠一)も、佐賀藩の“請役”さまに見えてしまう。
…同上で、当初からの個人的なイメージです。

千代(演:橋本愛)が「女子だって人の道理を学びたい!」と訴えます。目下とされる人の想いを聞いて、自分の意見を正したりする感じが…補佐役っぽい。


――おそらく、私は「青天を衝け」だけではなく…

幕末佐賀藩大河ドラマ」を重ねて見ているようです。

…私が“本編”を描く時のキャストのイメージも、機会があれば語りたいと思います。こんな調子なので、私の「大河ドラマ視聴」はとても忙しいです。


――もし幕末期の佐賀藩で「大河ドラマ」が実現したら

想像は膨らむところですが、例えば…

第3回の“紀行”でも、水戸の藩校「弘道館」が紹介されました。大河ドラマ化の暁(あかつき)には、佐賀の「弘道館」も全国で知られる機会が…

独特のポイントを呟(つぶや)きましたが、冒頭の「こんばんは、徳川家康です」が毎週気になるのは、私だけではないようです。



  
タグ :大河ドラマ


Posted by SR at 22:18 | Comments(0) | 「大河ドラマ」関連