2024年10月27日
「“佐賀”の上の雲…」
本日は選挙の特番で放送されないようですが、毎週日曜23時~にNHK総合で再放送されているドラマ『坂の上の雲』。
明治期の日本を、大作家・司馬遼太郎先生の原作で描いた、十数年ばかり前に放送された作品のようです。
「また、テレビ番組の感想か?」と思われた方もいるかもしれませんが、今回について、同番組は“着想元”です。私が“昔の記憶”から思い付いた故郷・佐賀への想いを綴ります。
――『坂の上の雲』には印象の強い、冒頭のナレーションがある。
意味合いとしては、このように語っていたと思う。
「この小さき国は、開化の時期を迎えていた。その時代を生きた、明治人の気性は、坂の上の雲を見つめて、一途に登っていく」ようなものだ、と。

――ここから、なぜか思い起こされた記憶がある。
まだ私が、文句なしに若い時分だったから、相当な昔のことだ。細かい経緯は忘れたが、私は佐賀県に帰省していた。
曾祖母の見舞いでもあったか、何やら親族が集結していて、私の良く知らない遠戚もあった。その場の真ん中には、赤ちゃん(女の子)がいた。
――当時すでに、大都市圏で生活していた私は、
親戚の集まりとは縁遠く、赤ちゃんを見る機会もほとんどなかったものだから、珍しいものを見る感覚だった。
赤ちゃんだからマイペースなもので、はいはいをして前に進んでいる。ただただ、丸っこい印象でまっすぐ進む。親族が皆、温かい目線で見守っている。
しかし、赤ちゃんは周囲に愛想を振りまくでもなく、ちょっと立ち止まったかと思えば、また、はいはいを繰り返す。

――とても小さき、彼女の目は何を見つめていたか。
いまとなっては知る由もない。ただ、ずんずんと進んでいく姿だけが私の記憶には刻まれていく。
赤ちゃんの這う様子はきわめて一途であり、自分の信じられるところを目指して前進するふうですらあった。
あわせて覚えている景色は、近眼でいつも眉間にしわを寄せていた祖母が、その赤ちゃんの様子を見て、実にやさしい目つきを見せたことである。
――少し頑張れば、雲が掴めそうな。
ひときわ高くそびえる急峻な山もなく、平たい土地の続くイメージの佐賀県。
空とて雲とて、手が届きそうにすら見えてくる。高層ビルも少なければ、バルーンも飛ぶ、おそらく余所の人よりも青天を眺める機会も多いのではないか。

――その赤ちゃんの「まっすぐな前進」を思い返すにつき、
私には「佐賀人の気性」そのものを示しているように感じられる。地道に進んで、ひとたび立ち止まっても、また一途に進む…そして、愛想を振りまくのは、きっと上手くは無い。
佐賀の人々の暮らしは今日も進んでいるが、それに比して「佐賀人の物語」は異常に少なく感じられる。ここには、私も力を尽くしたいところだ。
たぶん、雲が掴めることは無いかもしれないが、この手は伸ばし続けたい。
明治期の日本を、大作家・司馬遼太郎先生の原作で描いた、十数年ばかり前に放送された作品のようです。
「また、テレビ番組の感想か?」と思われた方もいるかもしれませんが、今回について、同番組は“着想元”です。私が“昔の記憶”から思い付いた故郷・佐賀への想いを綴ります。
――『坂の上の雲』には印象の強い、冒頭のナレーションがある。
意味合いとしては、このように語っていたと思う。
「この小さき国は、開化の時期を迎えていた。その時代を生きた、明治人の気性は、坂の上の雲を見つめて、一途に登っていく」ようなものだ、と。
――ここから、なぜか思い起こされた記憶がある。
まだ私が、文句なしに若い時分だったから、相当な昔のことだ。細かい経緯は忘れたが、私は佐賀県に帰省していた。
曾祖母の見舞いでもあったか、何やら親族が集結していて、私の良く知らない遠戚もあった。その場の真ん中には、赤ちゃん(女の子)がいた。
――当時すでに、大都市圏で生活していた私は、
親戚の集まりとは縁遠く、赤ちゃんを見る機会もほとんどなかったものだから、珍しいものを見る感覚だった。
赤ちゃんだからマイペースなもので、はいはいをして前に進んでいる。ただただ、丸っこい印象でまっすぐ進む。親族が皆、温かい目線で見守っている。
しかし、赤ちゃんは周囲に愛想を振りまくでもなく、ちょっと立ち止まったかと思えば、また、はいはいを繰り返す。
――とても小さき、彼女の目は何を見つめていたか。
いまとなっては知る由もない。ただ、ずんずんと進んでいく姿だけが私の記憶には刻まれていく。
赤ちゃんの這う様子はきわめて一途であり、自分の信じられるところを目指して前進するふうですらあった。
あわせて覚えている景色は、近眼でいつも眉間にしわを寄せていた祖母が、その赤ちゃんの様子を見て、実にやさしい目つきを見せたことである。
――少し頑張れば、雲が掴めそうな。
ひときわ高くそびえる急峻な山もなく、平たい土地の続くイメージの佐賀県。
空とて雲とて、手が届きそうにすら見えてくる。高層ビルも少なければ、バルーンも飛ぶ、おそらく余所の人よりも青天を眺める機会も多いのではないか。
――その赤ちゃんの「まっすぐな前進」を思い返すにつき、
私には「佐賀人の気性」そのものを示しているように感じられる。地道に進んで、ひとたび立ち止まっても、また一途に進む…そして、愛想を振りまくのは、きっと上手くは無い。
佐賀の人々の暮らしは今日も進んでいるが、それに比して「佐賀人の物語」は異常に少なく感じられる。ここには、私も力を尽くしたいところだ。
たぶん、雲が掴めることは無いかもしれないが、この手は伸ばし続けたい。
タグ :佐賀
2024年10月23日
「“地域おこし”の行方」
福岡の最西端、佐賀との県境の糸島市。佐賀県の“ご近所”が舞台なので、朝ドラ『おむすび』を応援してみようという企画の3回目。
「君の一番好きな~♪」ではじまる主題歌を聴くのが習慣化しています。今週はドラマにも動きがありますが、私個人の注目しているポイントを書きます。

――①「空気が重たい、地域おこしの会議」
序盤1~3週目は、ヒロイン・米田結〔演:橋本環奈〕が、周囲に流される主体性の無い子という見え方でした。
これは、父・聖人〔演:北村有起哉〕の「面倒な役回りを受け持ってしまう」性格に似た…みたいな描写です。
何かと担がれやすい父・聖人は、糸島の地域イベントの運営会議に引っ張り込まれ、所在なさそうにしています。
その会議の空気は重たくて、農業も漁業も、畜産業も苦労していて、若者は地元から離れていく…「どうにか地域を盛り上げねば」と悲壮感が見えて、何だかリアルでした。

――②「カリスマの姉に、振り回される妹」
主人公・結の消極的な性格は、今週(4週目)に、ついに登場した姉・歩〔演:仲里依紗〕との対比にも見えました。
そうなってしまった理由も、幼少期の回想を通じて、少しずつ明らかになってきます。歳は離れているものの、仲の良かった姉妹に何が起きたのか。
姉・歩が「伝説のギャル」になった経緯はまだ描写されていませんが、神戸での震災が暗い影を落としているようです。
1~3週目にヒロインが地味な印象のままで、目標のない受け身な性格だったことにも、説得力が出てきました。
平成初期の神戸編では、商店街にアーケードを設置する計画でもめ事が起きており、幼いながらに苦悩する結の姿も描かれます。
――③「どう展開する、地域おこしの行方」
平成中期の糸島編では、地域おこしイベントに向かって話が展開し、いよいよ主人公・結が自分の意思で動き出しそうな気配。
なお、現在(令和)にいたって、実際に福岡県の糸島市は、人口も増加傾向で「地域おこし」としては、成功の事例だという話を聞きます。
ヒロインと、その仲間になったギャルたちが何らかの力となり、地域の魅力を創ることにも関わるのか…?
少々はみ出した感じの人が「地域再生の切り札」になる事例は結構ありそうで、ちょっと期待している展開です。

――おそらく、主人公・結の成長とともにドラマも…
主な舞台は関門海峡を渡ってしまい、きっと九州を離れていくことになるのでしょう。でも、ちゃんと話が九州北部に還ってくる、そんな物語であってほしい。
ふだんは、大河ドラマを中心に視聴をしている私ですが、今期はいつもより“朝ドラ”にも注目していきたいです。
「君の一番好きな~♪」ではじまる主題歌を聴くのが習慣化しています。今週はドラマにも動きがありますが、私個人の注目しているポイントを書きます。
――①「空気が重たい、地域おこしの会議」
序盤1~3週目は、ヒロイン・米田結〔演:橋本環奈〕が、周囲に流される主体性の無い子という見え方でした。
これは、父・聖人〔演:北村有起哉〕の「面倒な役回りを受け持ってしまう」性格に似た…みたいな描写です。
何かと担がれやすい父・聖人は、糸島の地域イベントの運営会議に引っ張り込まれ、所在なさそうにしています。
その会議の空気は重たくて、農業も漁業も、畜産業も苦労していて、若者は地元から離れていく…「どうにか地域を盛り上げねば」と悲壮感が見えて、何だかリアルでした。
――②「カリスマの姉に、振り回される妹」
主人公・結の消極的な性格は、今週(4週目)に、ついに登場した姉・歩〔演:仲里依紗〕との対比にも見えました。
そうなってしまった理由も、幼少期の回想を通じて、少しずつ明らかになってきます。歳は離れているものの、仲の良かった姉妹に何が起きたのか。
姉・歩が「伝説のギャル」になった経緯はまだ描写されていませんが、神戸での震災が暗い影を落としているようです。
1~3週目にヒロインが地味な印象のままで、目標のない受け身な性格だったことにも、説得力が出てきました。
平成初期の神戸編では、商店街にアーケードを設置する計画でもめ事が起きており、幼いながらに苦悩する結の姿も描かれます。
――③「どう展開する、地域おこしの行方」
平成中期の糸島編では、地域おこしイベントに向かって話が展開し、いよいよ主人公・結が自分の意思で動き出しそうな気配。
なお、現在(令和)にいたって、実際に福岡県の糸島市は、人口も増加傾向で「地域おこし」としては、成功の事例だという話を聞きます。
ヒロインと、その仲間になったギャルたちが何らかの力となり、地域の魅力を創ることにも関わるのか…?
少々はみ出した感じの人が「地域再生の切り札」になる事例は結構ありそうで、ちょっと期待している展開です。
――おそらく、主人公・結の成長とともにドラマも…
主な舞台は関門海峡を渡ってしまい、きっと九州を離れていくことになるのでしょう。でも、ちゃんと話が九州北部に還ってくる、そんな物語であってほしい。
ふだんは、大河ドラマを中心に視聴をしている私ですが、今期はいつもより“朝ドラ”にも注目していきたいです。
2024年10月19日
「地元の幼なじみ…の物語」
今回も、朝の連続テレビ小説『おむすび』について。
佐賀県の“ご近所”とも言える舞台設定。ドラマに出る鉄道の行先に「西唐津」と表示されていたりとか…「おおっ!」と思うポイントも多いです。

疲れた頭でも気楽に視られる作品として、視聴が平日の習慣になっています。
――現在、ドラマの舞台は、福岡県糸島市。
主人公(ヒロイン)・米田結〔演:橋本環奈〕は、かつて「神戸に住んでいた」ことが、繰り返し示されています。
ところが、作中の雰囲気は完全に“福岡の子”。さまざまな表情で、自転車に乗っては畑の続くあぜ道を行く…イメージが強いです。
たしか最初の放送回で、野球部に入る同級生の男子から「おむすび」と呼ばれ、「高校でも、また同じクラスか」とか軽口をたたかれています。
「米を結ぶ」という名前だから「おむすび」。ドラマのタイトルの意味が説明される、けっこう重要な場面でした。

――この「野球部の男子」が、今回のテーマ。
糸島で漁師をする家の子で、名は古賀陽太。「地元の幼なじみ」を演じるのは、菅生新樹(すごう あらき)さん。少し色黒で、ガッチリ型、丸顔に丸ぼうず。
何かとヒロインの結が気になってしょうがない、ちょっと愛が走りすぎな印象があるものの「いい奴」のオーラが全開な感じの男子です。
その陽太くんも野球部で頑張っているようですが、栃木から来た強豪校のエリート球児・四ツ木〔演:佐野勇斗〕に、野球の実力は遠く及ばない様子。
あまりに“地元の子”として、しっくり来ている古賀陽太くんなので、「九州出身の俳優さんが演じているのか?」と気になりました。
――というわけで、俳優の「菅生新樹」さんを検索してみました。
調べた結果に「あれっ?」と思いました。「なぜ菅田将暉が表示される?」と。
菅田将暉(すだ まさき)さんと言えば、2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源義経を演じるなど、すでにキャリアのある俳優。

――私には、その『鎌倉殿の13人』のセリフが思い浮かびました。
「顔、顔…、顔そっくり!」
挙兵した源頼朝〔演:大泉洋〕のもとに、菅田将暉さんが演じる弟・源義経が駆けつけた時、兄弟であることを示そうと発した言葉です。
実は、古賀陽太を演じる菅生新樹さん。その菅田将暉さんの実弟だそうで、兄弟だから似ているようです。(なお関西地方の出身、と記載がありました)
――これは、もしかしてですが…
主人公を見守る幼なじみ役は、だいたい「良い人」の役回りで終わってしまうことが多く、ヒロインの“お相手”になれない傾向があると思います。
本作の陽太くんにも、エリート高校球児「福西のヨン様」こと四ツ木くん。書道部のイケメン・風見先輩〔演:松本怜生〕など、強力なライバルが存在。

そして、舞台が神戸の街に展開すれば、さらなる強敵も出現することでしょう。
地元の「いい奴」系の幼なじみが、ヒロインと結ばれることがあれば、朝ドラ的には快挙だと考えるので、陽太くんには頑張ってほしい。
あの義経を演じた菅田将暉の弟なら…、そんなシナリオもあるんではないの、と期待させてくれます。
佐賀県の“ご近所”とも言える舞台設定。ドラマに出る鉄道の行先に「西唐津」と表示されていたりとか…「おおっ!」と思うポイントも多いです。
疲れた頭でも気楽に視られる作品として、視聴が平日の習慣になっています。
――現在、ドラマの舞台は、福岡県糸島市。
主人公(ヒロイン)・米田結〔演:橋本環奈〕は、かつて「神戸に住んでいた」ことが、繰り返し示されています。
ところが、作中の雰囲気は完全に“福岡の子”。さまざまな表情で、自転車に乗っては畑の続くあぜ道を行く…イメージが強いです。
たしか最初の放送回で、野球部に入る同級生の男子から「おむすび」と呼ばれ、「高校でも、また同じクラスか」とか軽口をたたかれています。
「米を結ぶ」という名前だから「おむすび」。ドラマのタイトルの意味が説明される、けっこう重要な場面でした。
――この「野球部の男子」が、今回のテーマ。
糸島で漁師をする家の子で、名は古賀陽太。「地元の幼なじみ」を演じるのは、菅生新樹(すごう あらき)さん。少し色黒で、ガッチリ型、丸顔に丸ぼうず。
何かとヒロインの結が気になってしょうがない、ちょっと愛が走りすぎな印象があるものの「いい奴」のオーラが全開な感じの男子です。
その陽太くんも野球部で頑張っているようですが、栃木から来た強豪校のエリート球児・四ツ木〔演:佐野勇斗〕に、野球の実力は遠く及ばない様子。
あまりに“地元の子”として、しっくり来ている古賀陽太くんなので、「九州出身の俳優さんが演じているのか?」と気になりました。
――というわけで、俳優の「菅生新樹」さんを検索してみました。
調べた結果に「あれっ?」と思いました。「なぜ菅田将暉が表示される?」と。
菅田将暉(すだ まさき)さんと言えば、2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源義経を演じるなど、すでにキャリアのある俳優。
――私には、その『鎌倉殿の13人』のセリフが思い浮かびました。
「顔、顔…、顔そっくり!」
挙兵した源頼朝〔演:大泉洋〕のもとに、菅田将暉さんが演じる弟・源義経が駆けつけた時、兄弟であることを示そうと発した言葉です。
実は、古賀陽太を演じる菅生新樹さん。その菅田将暉さんの実弟だそうで、兄弟だから似ているようです。(なお関西地方の出身、と記載がありました)
――これは、もしかしてですが…
主人公を見守る幼なじみ役は、だいたい「良い人」の役回りで終わってしまうことが多く、ヒロインの“お相手”になれない傾向があると思います。
本作の陽太くんにも、エリート高校球児「福西のヨン様」こと四ツ木くん。書道部のイケメン・風見先輩〔演:松本怜生〕など、強力なライバルが存在。
そして、舞台が神戸の街に展開すれば、さらなる強敵も出現することでしょう。
地元の「いい奴」系の幼なじみが、ヒロインと結ばれることがあれば、朝ドラ的には快挙だと考えるので、陽太くんには頑張ってほしい。
あの義経を演じた菅田将暉の弟なら…、そんなシナリオもあるんではないの、と期待させてくれます。
2024年10月15日
「ひとまず福岡まで、話を戻さんね。」
ここ数回、佐賀県の話題から遠ざかっていたので、福岡県あたりまで話を戻します。今回のテーマは大河ドラマではなく、朝の連続テレビ小説『おむすび』。
年度後半“朝ドラ”の舞台は、福岡県糸島市から。隣県・福岡から始まるドラマ、個人的に気になるポイントを。

――①“芸能人”オーラが、見事に消えている!
主人公・米田結(よねだ ゆい)を演じるのは、福岡県出身の橋本環奈さん。
個人的に、女優としての出演作は今まであまり見ておらず、紅白歌合戦の司会もパーフェクトな「芸能人としての才能に溢れた人」というイメージでした。
ただ今回の朝ドラでは顔立ちは整っているけど、何だか気苦労が多く…やや疲れた表情の女子高生に見えています。
今までの出演作に詳しい方から「橋本環奈の“ムダ遣い”」との声もあるそうですが、「すごい!普通の“福岡の子”に見える…」というのが、私の評価です。

――②時代遅れの“ギャル”に謎の共感がある?
設定年代は平成の中頃のようです。「コギャル」「アムラー」など様々に派生して話題となった、空前の「ギャルブーム」は既に過ぎ去ったあたりでしょうか。
主人公・米田結にはそれぞれの事情で、わずかな仲間の数で活動する、博多のギャル4名が絡(から)んできます。
「時代遅れはわかっているけど、どうしても自分の“居場所”を守りたい」と。
『博多ギャル連合(ハギャレン)』という妙な名称のグループですが、その思いは真っ直ぐ…なのかもしれません。
このドラマでの描写だと、「人口が減ってきた町に、活気を取り戻したい住民」に近い気持ちを読み取ってしまい、謎の共感があります。

――③舞台が“近所”なので、親しみをおぼえる…
福岡県の糸島。ちょっと頑張って、ひと山を越えたら佐賀県(佐賀市北部)。海沿いに進んでも佐賀県(唐津市)。
「惜しい、あと少しで佐賀が舞台なのに…」という個人的感想はさておき。ここまで“近所”が朝ドラの舞台になる機会は、それほど無いと思われます。
主人公の家族・米田さんの畑の向こう側。私にとって、お手軽には帰れない故郷・佐賀の風景が見えてくるかのようです。
飛び交っているのも、耳になじむ九州の言葉。「古賀陽太くん、いい奴だな…」などと思いながら視ています。
――番外編。意外と、オープニング曲が好み。
今回の朝ドラの主題歌を担当するのは、平成という時代を駆け抜け、抜群の存在感を示してきたロックバンド、B'z(ビーズ)。
楽曲名は『イルミネーション』。B'zファンの評価はわかりませんが、弾むように歩くぐらいのリズム、いまの私には心地よいです。

なぜ親しみをおぼえるかが、ピンと来ない方に。記憶をたどれば、昨年にオープンしたSAGAアリーナ。
B'zの35周年ツアーの初日が、アリーナの最初の音楽イベント公演だったと思い起こしていただけると幸いです。「ようやく佐賀にも、大物アーティストに見合う会場ができた…」という感慨がありました。
朝ドラは専門外(視たり視なかったり…?)で、しかも偏った目線ではありますが、隣県・福岡から始まった物語なので、見守っていきたいと思います。
年度後半“朝ドラ”の舞台は、福岡県糸島市から。隣県・福岡から始まるドラマ、個人的に気になるポイントを。
――①“芸能人”オーラが、見事に消えている!
主人公・米田結(よねだ ゆい)を演じるのは、福岡県出身の橋本環奈さん。
個人的に、女優としての出演作は今まであまり見ておらず、紅白歌合戦の司会もパーフェクトな「芸能人としての才能に溢れた人」というイメージでした。
ただ今回の朝ドラでは顔立ちは整っているけど、何だか気苦労が多く…やや疲れた表情の女子高生に見えています。
今までの出演作に詳しい方から「橋本環奈の“ムダ遣い”」との声もあるそうですが、「すごい!普通の“福岡の子”に見える…」というのが、私の評価です。

――②時代遅れの“ギャル”に謎の共感がある?
設定年代は平成の中頃のようです。「コギャル」「アムラー」など様々に派生して話題となった、空前の「ギャルブーム」は既に過ぎ去ったあたりでしょうか。
主人公・米田結にはそれぞれの事情で、わずかな仲間の数で活動する、博多のギャル4名が絡(から)んできます。
「時代遅れはわかっているけど、どうしても自分の“居場所”を守りたい」と。
『博多ギャル連合(ハギャレン)』という妙な名称のグループですが、その思いは真っ直ぐ…なのかもしれません。
このドラマでの描写だと、「人口が減ってきた町に、活気を取り戻したい住民」に近い気持ちを読み取ってしまい、謎の共感があります。
――③舞台が“近所”なので、親しみをおぼえる…
福岡県の糸島。ちょっと頑張って、ひと山を越えたら佐賀県(佐賀市北部)。海沿いに進んでも佐賀県(唐津市)。
「惜しい、あと少しで佐賀が舞台なのに…」という個人的感想はさておき。ここまで“近所”が朝ドラの舞台になる機会は、それほど無いと思われます。
主人公の家族・米田さんの畑の向こう側。私にとって、お手軽には帰れない故郷・佐賀の風景が見えてくるかのようです。
飛び交っているのも、耳になじむ九州の言葉。「古賀陽太くん、いい奴だな…」などと思いながら視ています。
――番外編。意外と、オープニング曲が好み。
今回の朝ドラの主題歌を担当するのは、平成という時代を駆け抜け、抜群の存在感を示してきたロックバンド、B'z(ビーズ)。
楽曲名は『イルミネーション』。B'zファンの評価はわかりませんが、弾むように歩くぐらいのリズム、いまの私には心地よいです。
なぜ親しみをおぼえるかが、ピンと来ない方に。記憶をたどれば、昨年にオープンしたSAGAアリーナ。
B'zの35周年ツアーの初日が、アリーナの最初の音楽イベント公演だったと思い起こしていただけると幸いです。「ようやく佐賀にも、大物アーティストに見合う会場ができた…」という感慨がありました。
朝ドラは専門外(視たり視なかったり…?)で、しかも偏った目線ではありますが、隣県・福岡から始まった物語なので、見守っていきたいと思います。
2024年10月09日
「光る君へ…私の楽しみ方③」
こんばんは。今年の『光る君へ』を題材に、私なりの「大河ドラマ」の楽しみ方を綴る企画の3回目。
初回に続いて「効かない呪詛(じゅそ)」で、おそらくは、今までになく有名となった(?)、藤原伊周(これちか)の話からです。

――直近の放送回。
藤原道長の“政敵”だった、藤原伊周〔演:三浦翔平〕が完全に失脚。
ついに平安時代の政治の世界から追放されます。きっかけは、伊周とつながりのある僧侶が“呪詛”の容疑で捕まったこと。
視聴者は繰り返し見てきた、道長〔演:柄本佑〕や中宮・彰子〔演:見上愛〕の名を記した人形(ひとがた)に刃を突き立てるさま。
――今回で、ついに一線を踏み越えてしまいます。
「八剣(やつるぎ)や…」と呪文をつぶやきながら、相手の名を記した人形(ひとがた)を、とうとう噛み始めます。
その場に駆けつけた、伊周の弟・隆家〔演:竜星涼〕は、「何をしておる!」と兄・伊周を止めます。
しかし、その制止を振り切って「花の刃の…」「薙ぎ払うなり…」と唱え続け、人形の木札をかみ砕きます。

――この木札をかじるシーン、相当なインパクト(衝撃)を残しました。
「伊周のクッキー」だとか「呪詛せんべい」だとか、ネット上でも話題沸騰となったようです。
仕上げとなった場面は、藤原道長と面会して恨みが爆発。伊周は、人形が描かれた紙を、憎しみをこめて大量に撒き散らします。
ああ、まさかの対面“呪詛”で、政界からは完全追放。かつてのエリート貴公子も、ここまでのようです。
――ところで、先ほど兄を制止していた弟・隆家。
元は騒動を起こしがちな乱暴者(「さがなもの」とか呼ばれたそう)だったようなのですが、歴史上のヒーローと呼ぶべき大活躍があります。
NHK(Eテレ)の歴史番組・『知恵泉』で視た方はご存じと思いますが、それは平安時代の日本を救うほどの偉業でした。
対馬や壱岐を襲い、博多に迫った異民族。太宰府に着任していた藤原隆家は九州北部の豪族を率いて、その50隻もの敵船団を撃退したそうです。

――これが、1019年の「刀伊の入寇」と呼ばれる事件。
大河ドラマで、どの程度描かれるかはわかりませんが、藤原隆家は貴族でありながら陣頭に立って、戦いの指揮をとったそうです。
この貴公子の“降臨”に、地元の豪族たちも大いに沸き立ち、勇気づけられたことと思います。
兄・伊周は恨みの刃に力を注いでしまいましたが、弟・隆家は正しい方向に力を出せたようで、国家の危機を「薙(な)ぎ払い」ました。
そういえば、千年ほど前とはいえ、九州北部が舞台の出来事ですから、もしかして貴方のご先祖も、藤原隆家と一緒に日本を守った…かもしれませんよ。
初回に続いて「効かない呪詛(じゅそ)」で、おそらくは、今までになく有名となった(?)、藤原伊周(これちか)の話からです。
――直近の放送回。
藤原道長の“政敵”だった、藤原伊周〔演:三浦翔平〕が完全に失脚。
ついに平安時代の政治の世界から追放されます。きっかけは、伊周とつながりのある僧侶が“呪詛”の容疑で捕まったこと。
視聴者は繰り返し見てきた、道長〔演:柄本佑〕や中宮・彰子〔演:見上愛〕の名を記した人形(ひとがた)に刃を突き立てるさま。
――今回で、ついに一線を踏み越えてしまいます。
「八剣(やつるぎ)や…」と呪文をつぶやきながら、相手の名を記した人形(ひとがた)を、とうとう噛み始めます。
その場に駆けつけた、伊周の弟・隆家〔演:竜星涼〕は、「何をしておる!」と兄・伊周を止めます。
しかし、その制止を振り切って「花の刃の…」「薙ぎ払うなり…」と唱え続け、人形の木札をかみ砕きます。
――この木札をかじるシーン、相当なインパクト(衝撃)を残しました。
「伊周のクッキー」だとか「呪詛せんべい」だとか、ネット上でも話題沸騰となったようです。
仕上げとなった場面は、藤原道長と面会して恨みが爆発。伊周は、人形が描かれた紙を、憎しみをこめて大量に撒き散らします。
ああ、まさかの対面“呪詛”で、政界からは完全追放。かつてのエリート貴公子も、ここまでのようです。
――ところで、先ほど兄を制止していた弟・隆家。
元は騒動を起こしがちな乱暴者(「さがなもの」とか呼ばれたそう)だったようなのですが、歴史上のヒーローと呼ぶべき大活躍があります。
NHK(Eテレ)の歴史番組・『知恵泉』で視た方はご存じと思いますが、それは平安時代の日本を救うほどの偉業でした。
対馬や壱岐を襲い、博多に迫った異民族。太宰府に着任していた藤原隆家は九州北部の豪族を率いて、その50隻もの敵船団を撃退したそうです。
――これが、1019年の「刀伊の入寇」と呼ばれる事件。
大河ドラマで、どの程度描かれるかはわかりませんが、藤原隆家は貴族でありながら陣頭に立って、戦いの指揮をとったそうです。
この貴公子の“降臨”に、地元の豪族たちも大いに沸き立ち、勇気づけられたことと思います。
兄・伊周は恨みの刃に力を注いでしまいましたが、弟・隆家は正しい方向に力を出せたようで、国家の危機を「薙(な)ぎ払い」ました。
そういえば、千年ほど前とはいえ、九州北部が舞台の出来事ですから、もしかして貴方のご先祖も、藤原隆家と一緒に日本を守った…かもしれませんよ。
タグ :大河ドラマ
2024年10月06日
「光る君へ…私の楽しみ方②」
こんばんは。最初は平安時代という設定に目新しさはあっても、そこまで期待をしなかった、大河ドラマ『光る君へ』でしたが、最近では例年と同レベルかそれ以上に面白くなってきました。

――『光る君へ』の主人公・まひろ(紫式部)〔演:吉高由里子〕。
弟・惟規(のぶのり)〔演:高杉真宙〕からもよく言われていますが、姉・まひろは複雑で難しい感情の持ち主。
このまひろの弟、いかにも「お姉ちゃんがいる男子」っぽくて、なかなか好きなキャラクターです。
当時の女性には珍しく漢文に親しみ、教養もとくに高かった紫式部。千年の間も伝わる物語を書く人ですから、一般人とは思考の質も量もまったく違うはず。
――おそらく、その人格を“理解できる人”は少なかったと思われ、
『光る君へ』での紫式部(まひろ)の場合は、結構モテるのですが、理解されづらい性格は、ある意味で「孤独な人」。
歴史番組でも、“こじらせ女子”などという言われ方まで耳にして、幸せそうでは無いイメージがありました。
――この大河ドラマ『光る君へ』が楽しいのは、
まひろ(紫式部)が周囲に恵まれて、救いのある描き方に感じられるからです。

たとえば平安貴族の権力の頂点に立った、藤原道長〔演:柄本佑〕とは幼少期から知り合いで、つながりの深い関係です。
これが道長の娘・彰子〔演:見上愛〕に、天皇の后としての教養をつける“家庭教師”役で雇われただけなら、感情移入しづらい話になるでしょう。
また、もう1人の才女・清少納言(ききょう)〔演:ファーストサマーウイカ〕とも、会合でよく顔を合わせるので、互いを認め合える関係が育っています。
男性の権力争いに文才を“武器”として使われ、悪口をぶつけ合うだけのライバルならば、話が浅くなってしまいそうです。

――そんな『光る君へ』の紫式部と清少納言にも、対決の時が…?
今までのシナリオでは互いを認める2人ですが、一条天皇〔演:塩野瑛久〕に愛される后の座をめぐり、対立した両陣営の“参謀”どうしでもあります。
産後の不調がもとで世を去った皇后・定子〔演:高畑充希〕への忠節を忘れない清少納言。『枕草子』は一条天皇を定子との愛の日々に留めるメモリー。
かたや、自分を抑えて無感情になっていた、中宮・彰子の魅力を引き出した、紫式部。『源氏物語』は、彰子と一条天皇をつなぐカギとして機能しました。
――「光る君(源氏)の物語、読みました。」
清少納言から発された、この一言。まっすぐ前を見つめる、紫式部。続きの気になる場面でしたが、今週の放送回での答えは「絶賛からの…恨みの言葉」。
『源氏物語』は評価しつつも、『枕草子』を…皇后・定子の“生きた証”を打ち消すために作られた物語ではないのか、と清少納言が紫式部を問い詰めます。
今年の大河ドラマ、たしかに雅で見映えがしますが、わりと緊張感のある場面が多く、飽きさせません。次回も波乱の予感で、これからも楽しめそうです。
――『光る君へ』の主人公・まひろ(紫式部)〔演:吉高由里子〕。
弟・惟規(のぶのり)〔演:高杉真宙〕からもよく言われていますが、姉・まひろは複雑で難しい感情の持ち主。
このまひろの弟、いかにも「お姉ちゃんがいる男子」っぽくて、なかなか好きなキャラクターです。
当時の女性には珍しく漢文に親しみ、教養もとくに高かった紫式部。千年の間も伝わる物語を書く人ですから、一般人とは思考の質も量もまったく違うはず。
――おそらく、その人格を“理解できる人”は少なかったと思われ、
『光る君へ』での紫式部(まひろ)の場合は、結構モテるのですが、理解されづらい性格は、ある意味で「孤独な人」。
歴史番組でも、“こじらせ女子”などという言われ方まで耳にして、幸せそうでは無いイメージがありました。
――この大河ドラマ『光る君へ』が楽しいのは、
まひろ(紫式部)が周囲に恵まれて、救いのある描き方に感じられるからです。
たとえば平安貴族の権力の頂点に立った、藤原道長〔演:柄本佑〕とは幼少期から知り合いで、つながりの深い関係です。
これが道長の娘・彰子〔演:見上愛〕に、天皇の后としての教養をつける“家庭教師”役で雇われただけなら、感情移入しづらい話になるでしょう。
また、もう1人の才女・清少納言(ききょう)〔演:ファーストサマーウイカ〕とも、会合でよく顔を合わせるので、互いを認め合える関係が育っています。
男性の権力争いに文才を“武器”として使われ、悪口をぶつけ合うだけのライバルならば、話が浅くなってしまいそうです。
――そんな『光る君へ』の紫式部と清少納言にも、対決の時が…?
今までのシナリオでは互いを認める2人ですが、一条天皇〔演:塩野瑛久〕に愛される后の座をめぐり、対立した両陣営の“参謀”どうしでもあります。
産後の不調がもとで世を去った皇后・定子〔演:高畑充希〕への忠節を忘れない清少納言。『枕草子』は一条天皇を定子との愛の日々に留めるメモリー。
かたや、自分を抑えて無感情になっていた、中宮・彰子の魅力を引き出した、紫式部。『源氏物語』は、彰子と一条天皇をつなぐカギとして機能しました。
――「光る君(源氏)の物語、読みました。」
清少納言から発された、この一言。まっすぐ前を見つめる、紫式部。続きの気になる場面でしたが、今週の放送回での答えは「絶賛からの…恨みの言葉」。
『源氏物語』は評価しつつも、『枕草子』を…皇后・定子の“生きた証”を打ち消すために作られた物語ではないのか、と清少納言が紫式部を問い詰めます。
今年の大河ドラマ、たしかに雅で見映えがしますが、わりと緊張感のある場面が多く、飽きさせません。次回も波乱の予感で、これからも楽しめそうです。
タグ :大河ドラマ
2024年10月03日
「光る君へ…私の楽しみ方①」
こんばんは。最近、どうにも忙しく、まとまった話すら書けそうにありません。
困った時は“旅日記”を綴ることが多いですが、さらに困った時は、大河ドラマの感想でも書きます。
――「八剣(やつるぎ)や 花の刃(やいば)の この剣(つるぎ)…」
何だか美しい響きですが、今年の大河ドラマ『光る君へ』で、繰り返し聞く言葉。しかも、このセリフは字幕には表示されないようです。
平安京の闇とも言える“呪詛(じゅそ)”の場面で使われているからでしょうか。そのため、正確でないかもしれませんが、聞いた感じで記載しています。

――政敵・藤原道長〔演:柄本佑〕を打ち倒すための言葉。
その使い手は、藤原伊周(これちか)〔演:三浦翔平〕。道長から見た関係では、兄・道隆〔演:井浦新〕の長男で、甥(おい)にあたります。
この伊周、父・道隆のもとで順調に栄達を遂げ、すごく良い位置にいました。
しかし、父の没後には急速に転落し、最近の放送回では地位は回復するも、ひたすら叔父にあたる道長を呪っています。
――こうして、毎週のように放送で見かける場面に。
伊周は、政敵・道長を「薙(な)ぎ払う」べく、先ほどの言葉を繰り返し、画面には「道長」と記した人形(ひとがた)の札に、刃を刺し続ける姿が描写されます。
ところが、その念はまったく道長に届かない様子で、「今週の効かない呪詛」「呪詛の才能がない人」など、インターネット上でも散々な言われよう。

――やはり、言葉の力は正しく使わねば。
主人公の紫式部(まひろ)〔演:吉高由里子〕を軸に、文章の力を見せつけてくれる大河ドラマ。いろいろな事を考えさせてくれます。
言葉が剣であり、あるいは刃であるならば、現代を生きる私たちは、それをどう用いるべきなのか。傷つけるのも、救うのも、言葉次第なのかもしれません。
困った時は“旅日記”を綴ることが多いですが、さらに困った時は、大河ドラマの感想でも書きます。
――「八剣(やつるぎ)や 花の刃(やいば)の この剣(つるぎ)…」
何だか美しい響きですが、今年の大河ドラマ『光る君へ』で、繰り返し聞く言葉。しかも、このセリフは字幕には表示されないようです。
平安京の闇とも言える“呪詛(じゅそ)”の場面で使われているからでしょうか。そのため、正確でないかもしれませんが、聞いた感じで記載しています。

――政敵・藤原道長〔演:柄本佑〕を打ち倒すための言葉。
その使い手は、藤原伊周(これちか)〔演:三浦翔平〕。道長から見た関係では、兄・道隆〔演:井浦新〕の長男で、甥(おい)にあたります。
この伊周、父・道隆のもとで順調に栄達を遂げ、すごく良い位置にいました。
しかし、父の没後には急速に転落し、最近の放送回では地位は回復するも、ひたすら叔父にあたる道長を呪っています。
――こうして、毎週のように放送で見かける場面に。
伊周は、政敵・道長を「薙(な)ぎ払う」べく、先ほどの言葉を繰り返し、画面には「道長」と記した人形(ひとがた)の札に、刃を刺し続ける姿が描写されます。
ところが、その念はまったく道長に届かない様子で、「今週の効かない呪詛」「呪詛の才能がない人」など、インターネット上でも散々な言われよう。
――やはり、言葉の力は正しく使わねば。
主人公の紫式部(まひろ)〔演:吉高由里子〕を軸に、文章の力を見せつけてくれる大河ドラマ。いろいろな事を考えさせてくれます。
言葉が剣であり、あるいは刃であるならば、現代を生きる私たちは、それをどう用いるべきなのか。傷つけるのも、救うのも、言葉次第なのかもしれません。
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