2020年01月19日
第1話「長崎警護」④
おはようございます。
今週末は、大河ドラマの特集番組をチェックしています。
新番組「麒麟(きりん)がくる」。期待して良いのでは、と思いました。
岐阜県も京都府(特に福知山市)も盛り上がっているみたいですね。
さて、近いうちに大河ドラマの放送に沸く佐賀県が見られるかも…と想いながら続けます。幕末佐賀藩の大河ドラマは、長崎県民の皆様にも、きっと喜んでもらえる内容になると思います。
では、昨日の続きです。放送開始から25分ぐらい経過したイメージです。
④不意をつかれた長崎奉行所
――奉行所の小舟は、軍船から出たボートを刺激しないよう距離を取る。
そのとき、軍船の艦上に掲げられたオランダ国旗が下がっていく。
「一体、どうなっておるのだ…」
奉行所の役人たちも、そのまま軍船の艦上を呆然と見つめていた。

すると、今度は悠然とイギリス国旗が上がっていくのである。
「しまった!謀られていたのか!」
役人も通詞たちもようやく事情を理解した。
――小舟からボートまで二十間(約36メートル)の距離。
「まず水持って来い!飲み水を出せ!って言ってんだよ!」
沈黙にしびれを切らしたグレッグがボートから大声を出す。
「静かにしろ、グレッグ!我々の要求は水だけではない!」
いつの間にか手前に出てきた上官が声を張る。
さしものイギリス海軍も長旅で疲弊している。
軍隊としての統制は取れているが、かなり荒れている印象だ。
「そうだ!食料だ!肉をよこせ!」
「テッド!お前もいいかげんにしろ!要求はまとめて行う!」
また上官が怒鳴る。
「作戦どおりに行動しろ!まず人質を連れて、艦まで戻るぞ!」
そして、ボートは正体を現したイギリスの軍船“フェートン号”に向けて引き返していった。
――岸辺に戻り、さらに遠巻きに対峙する長崎奉行所の役人と通詞たち。
奉行所のオランダ通詞が困惑する。
「あれはエゲレス(イギリス)の言葉か…!さっぱり内容がわからぬ。」
そして、同僚を人質に取られたオランダ商館員が傍らに来ていた。
「飲み水がイルゾ!と叫ンダヨウデス。」
「おお、そなたエゲレスの言葉もわかるのか」
「スコシデスガ、話セマス…ソレヨリ仲間ガ心配デス」
「そうだな。とにかく水が要るぞ!お奉行にお伝えせよ!」
役人は長崎奉行のもとに伝令を走らせた。
(続く)
今週末は、大河ドラマの特集番組をチェックしています。
新番組「麒麟(きりん)がくる」。期待して良いのでは、と思いました。
岐阜県も京都府(特に福知山市)も盛り上がっているみたいですね。
さて、近いうちに大河ドラマの放送に沸く佐賀県が見られるかも…と想いながら続けます。幕末佐賀藩の大河ドラマは、長崎県民の皆様にも、きっと喜んでもらえる内容になると思います。
では、昨日の続きです。放送開始から25分ぐらい経過したイメージです。
④不意をつかれた長崎奉行所
――奉行所の小舟は、軍船から出たボートを刺激しないよう距離を取る。
そのとき、軍船の艦上に掲げられたオランダ国旗が下がっていく。
「一体、どうなっておるのだ…」
奉行所の役人たちも、そのまま軍船の艦上を呆然と見つめていた。

すると、今度は悠然とイギリス国旗が上がっていくのである。
「しまった!謀られていたのか!」
役人も通詞たちもようやく事情を理解した。
――小舟からボートまで二十間(約36メートル)の距離。
「まず水持って来い!飲み水を出せ!って言ってんだよ!」
沈黙にしびれを切らしたグレッグがボートから大声を出す。
「静かにしろ、グレッグ!我々の要求は水だけではない!」
いつの間にか手前に出てきた上官が声を張る。
さしものイギリス海軍も長旅で疲弊している。
軍隊としての統制は取れているが、かなり荒れている印象だ。
「そうだ!食料だ!肉をよこせ!」
「テッド!お前もいいかげんにしろ!要求はまとめて行う!」
また上官が怒鳴る。
「作戦どおりに行動しろ!まず人質を連れて、艦まで戻るぞ!」
そして、ボートは正体を現したイギリスの軍船“フェートン号”に向けて引き返していった。
――岸辺に戻り、さらに遠巻きに対峙する長崎奉行所の役人と通詞たち。
奉行所のオランダ通詞が困惑する。
「あれはエゲレス(イギリス)の言葉か…!さっぱり内容がわからぬ。」
そして、同僚を人質に取られたオランダ商館員が傍らに来ていた。
「飲み水がイルゾ!と叫ンダヨウデス。」
「おお、そなたエゲレスの言葉もわかるのか」
「スコシデスガ、話セマス…ソレヨリ仲間ガ心配デス」
「そうだな。とにかく水が要るぞ!お奉行にお伝えせよ!」
役人は長崎奉行のもとに伝令を走らせた。
(続く)
Posted by SR at 10:52 | Comments(0) | 第1話「長崎警護」
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