2023年01月30日
「太良町と“4つの掟”」
こんばんは。
前回、また全国で、佐賀の情報が見られる…という期待から、ご紹介した民放(テレビ朝日系列)の旅番組。
そこで映し出されたのは、想像以上に見栄えのする佐賀県の魅力でした。
ところが私は、たぶん普通のテレビの見方はできておらず、今回も急に幕末期の話が混ざります。以下、いつもの調子で綴ります。

――1月28日(土)に放送された、
テレビ朝日系『朝だ!生です旅サラダ』。概ね、90分近い放送の中で、佐賀県(鹿島市・太良町)が紹介されていたコーナー「ロコレコ」は20分程度。
リポーター・伊原六花さんの明るいキャラクターも相まって、短いながらも佐賀の魅力の一端を感じさせる内容だった。
――冒頭は「九州佐賀国際空港」から。
まず、空港のお土産コーナーをチェックしたらしい伊原六花さん。県内各地の名産品が集う、という「sagair」が映る。
「ワンランク上のお土産屋さん。ここだけで3時間はいられる」という、伊原さんの素晴らしいコメントが炸裂。
「…この女子、ダンスだけではないな。リポーターとしても、見事な腕前だ!」
このリズム感、時々で生じた感情をうまく言葉に乗せている…と私は見た。

――そんな感じで、テレビの前にて視聴を始める。
まずは鹿島市の祐徳稲荷神社で1人目の“案内役”と合流。ここは日本三大稲荷の1つという定番の紹介だ。
案内役は、佐賀の銘酒として知られる「鍋島」を製造している蔵元の四代目にあたる女性で、伊原さんとは同年代。
一瞬、画面に映った「鍋島 三十六萬石」の暖簾(のれん)。こういうところは、見逃さない私である。
…しかし、有明海の伝統漁法“棚じぶ”での釣果は無かった様子だ。
「かき揚げを食べたい」気持ちをダンスで表現した伊原さんだったが、エビが網には見当たらない。欲しがり過ぎてもいけない…これは佐賀の戒めなのか。

――次に「佐賀県で最も南」とナレーションが入り、舞台は太良町へ。
道の駅で2人目の案内役、太良町のご当地キャラ「ガネッタくん」が登場。
番組中では、時折見せる機敏なリアクション。「ゆるい」と思わせつつ、意外な練度の高さをうかがわせる“ゆるキャラ”である。
全国の視聴者にとって、未知のグルメだと思われる「たらふく丼」。ゆるキャラの面前で、伊原六花さんが太良町のご当地グルメを食べる展開に。
――「たらふく丼」には、“4つの掟”があるそうだ。
これは「たらふく丼」となる資格を示すルールのようだが、番組では“掟”と紹介されていた。その掟の条々は、以下であるようだ。
①必ず太良町産の豚肉を使うべし
②豚肉以外の素材も太良町産を使うべし
③価格は2000円以内で提供するべし
④年間を通してたらふく丼を提供する
…なお、季節によって具材の変更は可能らしい。
この条件を満たす。言い換えれば掟を守っていると認められることで、レシピは異なるメニューでも「たらふく丼」という名を得るようである。
――「掟(おきて)か…」と、この言葉に反応する私。
おそらくは地元・太良町からの熱い期待の中、全国放送という“御前試合”に挑んだのは3種類の「たらふく丼」。
1本目、豚からあげ丼。見るからに嬉しそうな反応を見せる、伊原さん。
その食べっぷりが良い。このメニューは、豚の角煮を唐揚げとしたようだ。これは柔らかくいただけると思われる。レタスも海苔も良い食材を使う様子だ。

※竹崎城址
――そして、2本目。
次のメニューは、豚タン丼。大きく目を見開く伊原さんの反応が良い。まるで、美食をテーマにした漫画の一場面のようだ。
このメニューを提供しているお店の名に私は引っ掛かったところがある。焼き鳥を扱う店のようだが、「新選組」という名前らしい。
――「新選組」という、店名も気になるが…
テレビでは伊原さんが、3本目のミネラルカツ丼を染み入るような表情で食べ続ける。チーズを含んだミルフィーユ状のカツとは女子ウケ抜群と思われる。
これは良い人選だった。伊原六花さんの食べる姿は、疑いなく「たらふく丼」のレベルの高さを全国に示したと思われる。
――先ほど、私が引っ掛かっていた事から。
急に幕末の話をする。江藤新平が佐賀を脱藩したのは1862年(文久二年)夏。佐賀の前藩主・鍋島直正が京に滞在したのは、その数か月後の冬。
直正はわずかな期間で京を発つ。入れ替わるように京に向かう一団がある。江戸で幕府が集めた、当時は“浪士組”という名称の集団。
様々な思惑が渦巻く京の都。幕府は到着早々に、尊王攘夷の活動に引き込まれそうになった、浪士組を江戸に戻すよう動く。
しかし、ここで江戸に帰っては、当初の将軍警護の目的が果たせないとして、一部の浪士は京に残ったという。

――それが、のちに「新選組」と呼ばれる組織になる。
この新選組のエネルギーの源という話もあるのが、豚肉である。
1863年(文久三年)以降、さらに物騒となっていく京都。やがて身分も経歴も異なる、浪士たちの集団は「新選組」の名を得る。
やがて“掟”を破れば切腹という厳しい規律を定め、倒幕を目指す志士を激しく取締った新選組。幕末史に強い印象を残し、現代でも熱烈なファンは数多い。
新選組は、その屯所では“養豚”に励み、隊士の栄養状態の改善にも努めたらしいのだ。やはり食べる事は、強さの源であると言うことなのだろう。
――“掟”と“養豚”からの連想で…「新選組」の話に。
技術開発や海外展開で、近代化を指向する佐賀藩士とは、ほぼ接点が無さそうな新選組だが、展開の都合で、私も少し描く機会がありそうだ。
当時の日本では、比較的、西洋の文化に親しんでいただろう佐賀藩士たちが、幕末期にどの程度、豚肉を食べていたかは定かではない。
ただ明治期に、江藤新平が洋食好きで、面倒を見ていた書生たちにも肉類を多く振る舞った…話をどこかで聞いたように思う。
なお、太良町は竹崎カニ・カキ、コハダ、柑橘類…と、特産品が多い印象だが、養豚も盛り上げていきたいらしい。
――話を戻す。番組は、ラストのロケ地へ。
太良町が誇る、海中鳥居前。朝の撮影というロケーションが美しい。海に映える鳥居が有名な景色だが、干潮時には歩けるというのも魅力的らしい。

3人目の“案内役”は、これも太良町の特産で、江戸前の寿司ネタとして知られる「コハダ」をPRする立場の女性。
神秘の光景のもと、コハダ料理にも見事な食べっぷりを見せる伊原六花さん。
「人生で一番幸せな朝」というコメントも効いている。20分程度だったが、とても濃く魅力がつまった映像だったと感じる。
――以上、視聴している私の“雑感”まで含めた、感想です。
私は遠方に住むので、佐賀の魅力を見られる番組には、すごく反応しますが、「もう少し平常心で見らんばならん。」とも考えます。
なお、例によって、私のテレビ視聴録には“雑念”が多いです。
同番組について、ちゃんとした情報が見たい方は、以下より参照をいただければ、雰囲気が伝わると思います。
○テレビ朝日『旅サラダPLUS(プラス)』※外部サイト
(佐賀 鹿島市&太良町の特集)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/index.html
(特に「たらふく丼」について)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/chapter04.html
前回、また全国で、佐賀の情報が見られる…という期待から、ご紹介した民放(テレビ朝日系列)の旅番組。
そこで映し出されたのは、想像以上に見栄えのする佐賀県の魅力でした。
ところが私は、たぶん普通のテレビの見方はできておらず、今回も急に幕末期の話が混ざります。以下、いつもの調子で綴ります。
――1月28日(土)に放送された、
テレビ朝日系『朝だ!生です旅サラダ』。概ね、90分近い放送の中で、佐賀県(鹿島市・太良町)が紹介されていたコーナー「ロコレコ」は20分程度。
リポーター・伊原六花さんの明るいキャラクターも相まって、短いながらも佐賀の魅力の一端を感じさせる内容だった。
――冒頭は「九州佐賀国際空港」から。
まず、空港のお土産コーナーをチェックしたらしい伊原六花さん。県内各地の名産品が集う、という「sagair」が映る。
「ワンランク上のお土産屋さん。ここだけで3時間はいられる」という、伊原さんの素晴らしいコメントが炸裂。
「…この女子、ダンスだけではないな。リポーターとしても、見事な腕前だ!」
このリズム感、時々で生じた感情をうまく言葉に乗せている…と私は見た。
――そんな感じで、テレビの前にて視聴を始める。
まずは鹿島市の祐徳稲荷神社で1人目の“案内役”と合流。ここは日本三大稲荷の1つという定番の紹介だ。
案内役は、佐賀の銘酒として知られる「鍋島」を製造している蔵元の四代目にあたる女性で、伊原さんとは同年代。
一瞬、画面に映った「鍋島 三十六萬石」の暖簾(のれん)。こういうところは、見逃さない私である。
…しかし、有明海の伝統漁法“棚じぶ”での釣果は無かった様子だ。
「かき揚げを食べたい」気持ちをダンスで表現した伊原さんだったが、エビが網には見当たらない。欲しがり過ぎてもいけない…これは佐賀の戒めなのか。
――次に「佐賀県で最も南」とナレーションが入り、舞台は太良町へ。
道の駅で2人目の案内役、太良町のご当地キャラ「ガネッタくん」が登場。
番組中では、時折見せる機敏なリアクション。「ゆるい」と思わせつつ、意外な練度の高さをうかがわせる“ゆるキャラ”である。
全国の視聴者にとって、未知のグルメだと思われる「たらふく丼」。ゆるキャラの面前で、伊原六花さんが太良町のご当地グルメを食べる展開に。
――「たらふく丼」には、“4つの掟”があるそうだ。
これは「たらふく丼」となる資格を示すルールのようだが、番組では“掟”と紹介されていた。その掟の条々は、以下であるようだ。
①必ず太良町産の豚肉を使うべし
②豚肉以外の素材も太良町産を使うべし
③価格は2000円以内で提供するべし
④年間を通してたらふく丼を提供する
…なお、季節によって具材の変更は可能らしい。
この条件を満たす。言い換えれば掟を守っていると認められることで、レシピは異なるメニューでも「たらふく丼」という名を得るようである。
――「掟(おきて)か…」と、この言葉に反応する私。
おそらくは地元・太良町からの熱い期待の中、全国放送という“御前試合”に挑んだのは3種類の「たらふく丼」。
1本目、豚からあげ丼。見るからに嬉しそうな反応を見せる、伊原さん。
その食べっぷりが良い。このメニューは、豚の角煮を唐揚げとしたようだ。これは柔らかくいただけると思われる。レタスも海苔も良い食材を使う様子だ。
※竹崎城址
――そして、2本目。
次のメニューは、豚タン丼。大きく目を見開く伊原さんの反応が良い。まるで、美食をテーマにした漫画の一場面のようだ。
このメニューを提供しているお店の名に私は引っ掛かったところがある。焼き鳥を扱う店のようだが、「新選組」という名前らしい。
――「新選組」という、店名も気になるが…
テレビでは伊原さんが、3本目のミネラルカツ丼を染み入るような表情で食べ続ける。チーズを含んだミルフィーユ状のカツとは女子ウケ抜群と思われる。
これは良い人選だった。伊原六花さんの食べる姿は、疑いなく「たらふく丼」のレベルの高さを全国に示したと思われる。
――先ほど、私が引っ掛かっていた事から。
急に幕末の話をする。江藤新平が佐賀を脱藩したのは1862年(文久二年)夏。佐賀の前藩主・鍋島直正が京に滞在したのは、その数か月後の冬。
直正はわずかな期間で京を発つ。入れ替わるように京に向かう一団がある。江戸で幕府が集めた、当時は“浪士組”という名称の集団。
様々な思惑が渦巻く京の都。幕府は到着早々に、尊王攘夷の活動に引き込まれそうになった、浪士組を江戸に戻すよう動く。
しかし、ここで江戸に帰っては、当初の将軍警護の目的が果たせないとして、一部の浪士は京に残ったという。
――それが、のちに「新選組」と呼ばれる組織になる。
この新選組のエネルギーの源という話もあるのが、豚肉である。
1863年(文久三年)以降、さらに物騒となっていく京都。やがて身分も経歴も異なる、浪士たちの集団は「新選組」の名を得る。
やがて“掟”を破れば切腹という厳しい規律を定め、倒幕を目指す志士を激しく取締った新選組。幕末史に強い印象を残し、現代でも熱烈なファンは数多い。
新選組は、その屯所では“養豚”に励み、隊士の栄養状態の改善にも努めたらしいのだ。やはり食べる事は、強さの源であると言うことなのだろう。
――“掟”と“養豚”からの連想で…「新選組」の話に。
技術開発や海外展開で、近代化を指向する佐賀藩士とは、ほぼ接点が無さそうな新選組だが、展開の都合で、私も少し描く機会がありそうだ。
当時の日本では、比較的、西洋の文化に親しんでいただろう佐賀藩士たちが、幕末期にどの程度、豚肉を食べていたかは定かではない。
ただ明治期に、江藤新平が洋食好きで、面倒を見ていた書生たちにも肉類を多く振る舞った…話をどこかで聞いたように思う。
なお、太良町は竹崎カニ・カキ、コハダ、柑橘類…と、特産品が多い印象だが、養豚も盛り上げていきたいらしい。
――話を戻す。番組は、ラストのロケ地へ。
太良町が誇る、海中鳥居前。朝の撮影というロケーションが美しい。海に映える鳥居が有名な景色だが、干潮時には歩けるというのも魅力的らしい。
3人目の“案内役”は、これも太良町の特産で、江戸前の寿司ネタとして知られる「コハダ」をPRする立場の女性。
神秘の光景のもと、コハダ料理にも見事な食べっぷりを見せる伊原六花さん。
「人生で一番幸せな朝」というコメントも効いている。20分程度だったが、とても濃く魅力がつまった映像だったと感じる。
――以上、視聴している私の“雑感”まで含めた、感想です。
私は遠方に住むので、佐賀の魅力を見られる番組には、すごく反応しますが、「もう少し平常心で見らんばならん。」とも考えます。
なお、例によって、私のテレビ視聴録には“雑念”が多いです。
同番組について、ちゃんとした情報が見たい方は、以下より参照をいただければ、雰囲気が伝わると思います。
○テレビ朝日『旅サラダPLUS(プラス)』※外部サイト
(佐賀 鹿島市&太良町の特集)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/index.html
(特に「たらふく丼」について)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/chapter04.html
2023年01月27日
「油断も隙もなく、SAGA」
こんばんは。
前回で、本編・第18話「京都見聞」を書き終え、記事として皆様にお見せすることができました。
…とはいえ、この第18話を開始したのは、たしか4月。仕事の状態その他いろいろあって、途中にも寄り道を重ねたところ、10か月の時を経てようやく完結。
こうなると、かなり熱心にお読みいただいている方がいても、序盤の話は覚えていないと思います。この辺りは、今年の課題です。
――いま、第19話の構成を練っているところ。
書きたい話の“輪郭”は考えるたびに変わり、どのタイミングで筋書きを作るかで、違った構成になるのだと思います。
…ですが、1つの話のまとまりを書き終えれば、やはり一息ついてしまうところがあります。
第19話はなるべく早めに進めたいのですが、ひとまず、本日は佐賀についての雑談を記事にしました。

――「大河ドラマ」ほどは、熱心に見なくても…
どうにか仕事も一段落。「では、頑張ってブログを書くぞ…」とはならず、ボーッとテレビを見る、ということもあるわけで。
NHKで火曜夜10時に放送の「【ドラマ10】大奥」を見る機会がありました。
かなり変わった設定の作品で「男性だけが罹患する奇病が蔓延し、男性の数が極端に少なくなった」という“架空”の江戸時代。
「男性である将軍以外は、多数の女性のみが生活していた“大奥”も、男女が逆転して…」という物語のようです。
――話が複雑になるので、ドラマの感想はさておき。
“大河ドラマ”を意識する私は、良い役者さんが居ると、気になって仕方がないのですが、ここでは別のポイントに気付きます。
ドラマの最終盤に流れる配役やスタッフの情報。いわゆるエンドロールですが、ここで見たのが「撮影協力 佐賀県フィルムコミッション」という表示。
これは「映画やドラマのロケ地を誘致する等の活動をする」組織というのが、私の理解です。

――「え、どこかで佐賀ば、映っとったかね!?」
…という気持ちになりましたが、先述のとおりボーッと見ていたので、どの場面で“佐賀ロケ”があったのかは把握できず。
まさに油断も隙もなく、佐賀がその姿を現すことがあります。まるで「嬉野の忍者」や「小城の密偵」のように“神出鬼没”で、これは良い傾向だと思います。
その佐賀県フィルムコミッションの情報をたどると、旅番組への協力も行っているように見受けられます。
――早速、見つけてしまいました。
28日(土)テレビ朝日系。午前8時から放送予定『朝だ!生です旅サラダ』。
同番組中に「ロコレコ」というコーナーがあるらしく、鹿島市&太良町の紹介があると記載されています。
リポーターは、華やかだった昭和のバブル期を彷彿とさせる「バブリーダンス」で有名になり、朝ドラへの出演歴もある、伊原六花さん。

――ホームページの情報では、おそらくは鹿島市から入って…
有明海の伝統漁法に触れ、太良町のゆるキャラがご当地グルメを案内。
神秘的光景として知られる、海中鳥居をご紹介!という趣旨の予告でした。
気付いたのは直前になりましたが、さて期待どおりに佐賀の魅力は伝わるのか。この情報は抑えておきたいので、とりあえず録画してみます。
前回で、本編・第18話「京都見聞」を書き終え、記事として皆様にお見せすることができました。
…とはいえ、この第18話を開始したのは、たしか4月。仕事の状態その他いろいろあって、途中にも寄り道を重ねたところ、10か月の時を経てようやく完結。
こうなると、かなり熱心にお読みいただいている方がいても、序盤の話は覚えていないと思います。この辺りは、今年の課題です。
――いま、第19話の構成を練っているところ。
書きたい話の“輪郭”は考えるたびに変わり、どのタイミングで筋書きを作るかで、違った構成になるのだと思います。
…ですが、1つの話のまとまりを書き終えれば、やはり一息ついてしまうところがあります。
第19話はなるべく早めに進めたいのですが、ひとまず、本日は佐賀についての雑談を記事にしました。
――「大河ドラマ」ほどは、熱心に見なくても…
どうにか仕事も一段落。「では、頑張ってブログを書くぞ…」とはならず、ボーッとテレビを見る、ということもあるわけで。
NHKで火曜夜10時に放送の「【ドラマ10】大奥」を見る機会がありました。
かなり変わった設定の作品で「男性だけが罹患する奇病が蔓延し、男性の数が極端に少なくなった」という“架空”の江戸時代。
「男性である将軍以外は、多数の女性のみが生活していた“大奥”も、男女が逆転して…」という物語のようです。
――話が複雑になるので、ドラマの感想はさておき。
“大河ドラマ”を意識する私は、良い役者さんが居ると、気になって仕方がないのですが、ここでは別のポイントに気付きます。
ドラマの最終盤に流れる配役やスタッフの情報。いわゆるエンドロールですが、ここで見たのが「撮影協力 佐賀県フィルムコミッション」という表示。
これは「映画やドラマのロケ地を誘致する等の活動をする」組織というのが、私の理解です。
――「え、どこかで佐賀ば、映っとったかね!?」
…という気持ちになりましたが、先述のとおりボーッと見ていたので、どの場面で“佐賀ロケ”があったのかは把握できず。
まさに油断も隙もなく、佐賀がその姿を現すことがあります。まるで「嬉野の忍者」や「小城の密偵」のように“神出鬼没”で、これは良い傾向だと思います。
その佐賀県フィルムコミッションの情報をたどると、旅番組への協力も行っているように見受けられます。
――早速、見つけてしまいました。
28日(土)テレビ朝日系。午前8時から放送予定『朝だ!生です旅サラダ』。
同番組中に「ロコレコ」というコーナーがあるらしく、鹿島市&太良町の紹介があると記載されています。
リポーターは、華やかだった昭和のバブル期を彷彿とさせる「バブリーダンス」で有名になり、朝ドラへの出演歴もある、伊原六花さん。
――ホームページの情報では、おそらくは鹿島市から入って…
有明海の伝統漁法に触れ、太良町のゆるキャラがご当地グルメを案内。
神秘的光景として知られる、海中鳥居をご紹介!という趣旨の予告でした。
気付いたのは直前になりましたが、さて期待どおりに佐賀の魅力は伝わるのか。この情報は抑えておきたいので、とりあえず録画してみます。
2023年01月23日
第18話「京都見聞」⑳(公卿の評判)
こんばんは。
1862年(文久二年)秋。幕府に「攘夷実行」を催促するため、京都から2人の公家が正副の使者となり、江戸に向かうことになります。
1人は、のちの明治新政府でも主要な人物となった三条実美(さねとみ)。もう1人は、京の都で活動していた江藤新平と関わっていた、姉小路公知です。
佐賀からの脱藩中に江藤新平は、姉小路卿の“秘書”のような仕事をしたそうで、数々の機密情報にも触れたと聞きます。
江藤は、秘密裡に孝明天皇に奏上する書面(密奏書)も作成。趣旨は「幕府から外交権を接収し、漸次、王政復古に及ぶべし」という献策だったようです。

――京の都。御所にて、2人の公家が対話する。
「三条はん、見てもらいたいものがあるのや。」
そう語る姉小路には何か含むところがあるらしく、貴人ではあるが、いたずらな少年のような表情をしている。
「これは姉小路の…久方ぶりやないか。何かおもろいことでもあったんか。」
上方(京・大坂)の言葉ではあるが、公家であるので、その話し振りはより京の色彩が出て、穏やかで雅びだ。
但し、血気盛んな各地の志士たちとの交流が強まるにつれ、次第に語り口調も強く、早口になることが増えてきている。
――姉小路は、巻物を袖より取り出した。
「見てもらいたいもんは、ここにおじゃる。」
少し勿体(もったい)をつけている。姉小路は、三条実美と懇意である。
「帝に奏する書でもあるんか。」
三条の問いかけである。双方、扇を口元近くに置いて語らうのが、公家らしい。
巻物様の表装に仕立てられているが、その中身は佐賀藩を抜けた下級武士・江藤新平が書いたものだ。
「天朝が徳川に代わりて、異国と談判をすべし…やそうな。」

――三条は、驚いた表情を見せる。
「待ってたもれ。異人とのやり取りは、徳川に任せなあかん。」
今の朝廷に外交の折衝などできるはずがない。それは三条にも想像がつく。
「“新しき御代”(みよ)を作るには、それでは足らへんらしいで。」
姉小路は王政を復古する第一歩が外交であるという、江藤の説を紹介した。
「…姉小路はん、あんた何や変わったな。」
「何も変わらへんで。まろは、帝のもとで新しき御代(みよ)を作るんや。」
三条は、少し慌てた様子で問いかけを続ける。
「夷狄(いてき)を、打ち払うんやなかったんか。」
「それや。この日本を、夷狄すら敬服する、進んだ国にせんとな。」
――姉小路は、うんうんと得心したように答えを返す。
今までの熱気とは、様子が違う。一体、姉小路は誰に感化されているのか…三条はさらに訝(いぶ)しがった。
「江戸に下って、徳川に異国の打払いを問うんやろ。」
三条には確認したいことがある。秋には幕府への攘夷実行の催促に、姉小路とともに行く予定だが、姉小路の考え方が変わったとすれば影響はないのか。

「そうやな、三条はん。徳川がしっかり異国に備えとるか、まろが直々に見聞してやろうと思うのや。」
姉小路は人任せにせず、自ら動くつもりのようだ。新式の大砲を配する台場や蒸気船の運用など、海防の最前線も見に行くつもりがあるらしい。
とても活き活きと語りだす姉小路。以前とは、また違った“熱気”を帯びている。
――続けざまに語る、姉小路。この辺り、その若さが前面に出る。
「そうや。まろのところに、面白い者が居る。」
三条は気付いた。きっと姉小路に見られる変化はその者の影響に違いない。
「こんど、三条はんも会(お)うて見るといい。その者は佐賀から来たのや。」
「…佐賀やて?」
ほぼ接触してくる志士もおらず、今ひとつ動きが読めないが、最も西洋に近い国と言われた肥前の佐賀藩。

「その者の名は。」
「江藤という者や。新しき御代(みよ)には、きっと我らと共に居るやろうな。」
ここから5~6年ほどで政治的には大変動が起き、姉小路公知の盟友だった、公家・三条実美は新政府の要人となった。
それから三条も、江藤ら佐賀藩士とともに、日本の近代化に関わることになるが、それまでには多くの犠牲を経て、まだ長い道のりがある。
(第19話「閑叟上洛」に続く)
1862年(文久二年)秋。幕府に「攘夷実行」を催促するため、京都から2人の公家が正副の使者となり、江戸に向かうことになります。
1人は、のちの明治新政府でも主要な人物となった三条実美(さねとみ)。もう1人は、京の都で活動していた江藤新平と関わっていた、姉小路公知です。
佐賀からの脱藩中に江藤新平は、姉小路卿の“秘書”のような仕事をしたそうで、数々の機密情報にも触れたと聞きます。
江藤は、秘密裡に孝明天皇に奏上する書面(密奏書)も作成。趣旨は「幕府から外交権を接収し、漸次、王政復古に及ぶべし」という献策だったようです。
――京の都。御所にて、2人の公家が対話する。
「三条はん、見てもらいたいものがあるのや。」
そう語る姉小路には何か含むところがあるらしく、貴人ではあるが、いたずらな少年のような表情をしている。
「これは姉小路の…久方ぶりやないか。何かおもろいことでもあったんか。」
上方(京・大坂)の言葉ではあるが、公家であるので、その話し振りはより京の色彩が出て、穏やかで雅びだ。
但し、血気盛んな各地の志士たちとの交流が強まるにつれ、次第に語り口調も強く、早口になることが増えてきている。
――姉小路は、巻物を袖より取り出した。
「見てもらいたいもんは、ここにおじゃる。」
少し勿体(もったい)をつけている。姉小路は、三条実美と懇意である。
「帝に奏する書でもあるんか。」
三条の問いかけである。双方、扇を口元近くに置いて語らうのが、公家らしい。
巻物様の表装に仕立てられているが、その中身は佐賀藩を抜けた下級武士・江藤新平が書いたものだ。
「天朝が徳川に代わりて、異国と談判をすべし…やそうな。」
――三条は、驚いた表情を見せる。
「待ってたもれ。異人とのやり取りは、徳川に任せなあかん。」
今の朝廷に外交の折衝などできるはずがない。それは三条にも想像がつく。
「“新しき御代”(みよ)を作るには、それでは足らへんらしいで。」
姉小路は王政を復古する第一歩が外交であるという、江藤の説を紹介した。
「…姉小路はん、あんた何や変わったな。」
「何も変わらへんで。まろは、帝のもとで新しき御代(みよ)を作るんや。」
三条は、少し慌てた様子で問いかけを続ける。
「夷狄(いてき)を、打ち払うんやなかったんか。」
「それや。この日本を、夷狄すら敬服する、進んだ国にせんとな。」
――姉小路は、うんうんと得心したように答えを返す。
今までの熱気とは、様子が違う。一体、姉小路は誰に感化されているのか…三条はさらに訝(いぶ)しがった。
「江戸に下って、徳川に異国の打払いを問うんやろ。」
三条には確認したいことがある。秋には幕府への攘夷実行の催促に、姉小路とともに行く予定だが、姉小路の考え方が変わったとすれば影響はないのか。
「そうやな、三条はん。徳川がしっかり異国に備えとるか、まろが直々に見聞してやろうと思うのや。」
姉小路は人任せにせず、自ら動くつもりのようだ。新式の大砲を配する台場や蒸気船の運用など、海防の最前線も見に行くつもりがあるらしい。
とても活き活きと語りだす姉小路。以前とは、また違った“熱気”を帯びている。
――続けざまに語る、姉小路。この辺り、その若さが前面に出る。
「そうや。まろのところに、面白い者が居る。」
三条は気付いた。きっと姉小路に見られる変化はその者の影響に違いない。
「こんど、三条はんも会(お)うて見るといい。その者は佐賀から来たのや。」
「…佐賀やて?」
ほぼ接触してくる志士もおらず、今ひとつ動きが読めないが、最も西洋に近い国と言われた肥前の佐賀藩。
「その者の名は。」
「江藤という者や。新しき御代(みよ)には、きっと我らと共に居るやろうな。」
ここから5~6年ほどで政治的には大変動が起き、姉小路公知の盟友だった、公家・三条実美は新政府の要人となった。
それから三条も、江藤ら佐賀藩士とともに、日本の近代化に関わることになるが、それまでには多くの犠牲を経て、まだ長い道のりがある。
(第19話「閑叟上洛」に続く)
2023年01月19日
第18話「京都見聞」⑲(“蒸気”の目覚め)
こんばんは。
1862年(文久二年)当時、尊王攘夷派の公家として、「飛ぶ鳥を落とす勢い」だったとも言われる、姉小路公知。
同年の秋には、幕府に「攘夷実行」を催促するため、盟友の公家・三条実美とともに、江戸へと向かう予定がありました。
姉小路卿が、脱藩した佐賀の下級武士・江藤新平と接点を持っていたのは、その直前の夏に3か月ほどの、わずかな期間でした。
江藤の気質ならば、貴人に媚びて持論を曲げたりはしなかったでしょう。それゆえ、この若い公家は江藤を気に入ったのかもしれません。
――急に、真っ直ぐな表情をする姉小路。
身分の高い公家という先入観を除けば、少年の面影を残すような若さがある。
「…江藤、あらためて聞く。我らは夷狄(いてき)と戦こうたら、勝てるんか。」
「いま、事を構えるのであれば、“必敗”と存じる。」
江藤は「攘夷」の旗頭とも言える、姉小路に直言した。異国の力量をよく理解しているのが、佐賀藩士の特徴でもある。

「…どないなるんや?」
「政のみならず、商いの仕組みも壊れ、民の暮らしも立ち行かぬでしょう。」
異国に海路を抑えられれば、日本沿岸を船で廻る物流網も寸断されるだろう。経済が大混乱に陥ることも容易に想像がつく。
――再び姉小路が、問いかける。
「では、いかがすれば良いのや。」
「近きうちに王政を復古せんと欲すれば、徳川に、異国との談判を任せたままではなりませぬ。」
江藤は幕府から、まず外交権を取り戻すべきと論じた。その言には、それが出来ぬならば、朝廷は政治の実権を握るべきではないという厳しさもあった。
困難な外交を受け持たずに、政治を主導できるというのは考えが浅い。江藤が語るのは、「やるからには、責任を持て」という姿勢だ。

――「難題をどうするか」を必死で考える。それも、佐賀の熱気だった。
「江藤。そなたは、やはり厳しい物言いをする。」
姉小路卿は、少しひねくれた言い振りをした。
尊王攘夷派の公家として、幕府の大老が井伊直弼だった時に、列強と結んだ修好通商条約を破棄し、異国を排除せよと主張する立場にあるからだ。
たしかに攘夷を叫ぶのは良いが、その後どうするかの手順は、誰も考えようとしない。江藤が指摘するのは、その“無責任さ”という事になる。
――幕府に“破約攘夷”を迫るだけで、後は受け持たない。
尊王攘夷派の志士たちが過熱すれば、異国と向き合う当事者として悩むのは、幕府の仕事である。
そうすれば幕閣としては舵取りに困るので、政治的に朝廷が優位を取ることができて一石二鳥だが、なにぶん人任せで、どう転ぶかはわからないのだ。

「“蒸気仕掛け”という、西洋の業がございます。」
「先だって、そなたの語った、異人が黒船を速やかに進める業やったか。」
――以前の姉小路は、佐賀に“勤王”の動きが見えないと言い放った。
その時に江藤は、長崎の警備で、異国と向き合う佐賀藩の立場を述べた。そして、西洋の進んだ技術の一例として、蒸気船を挙げた。
〔参照(中盤):第18話「京都見聞」⑭(若き公家の星)〕
「欧米では、船の部材まで、“蒸気”にて作ると聞き及びます。」
「どないして使うんや、そもそも“蒸気”とは何や?」
京で見てきた公家には「異人は嫌や!」「徳川が何とかせよ!」と繰り返すだけの者も多く居た。江藤は、姉小路の一歩進んだ問いに応じて語り始めた。

「平たく言えば、湯を沸かす力にて、鉄(くろがね)を自在に切り揃えます。」
「ほっほ…戯(たわむ)れを申すな。」
――姉小路は、いまいち得心がいかない様子だ。
しかし、江藤は真っ直ぐな目をしている。
「そなたは、戯言(ざれごと)を言うような者やないな…」
鉄瓶の蓋を動かすのも、湯を沸かす力。アメリカに渡った幕府の使節団には、数名の佐賀藩士も同行していた。
そこでは、その蒸気の力で、工業製品が大量生産されていたのである。
〔参照(中盤):第16話「攘夷沸騰」⑫(“錬金術”と闘う男)〕
「佐賀でも、蒸気を用いて、鉄が整うのか。」
「いまだ、水車を用います。」
鉄製大砲は反射炉で量産しているが、成形に利用するのは、佐賀城下を流れる多布施川などの水力だ。
〔参照(中盤):第10話「蒸気機関」⑩(佐賀の産業革命)〕

――佐賀藩ですら、蒸気機関で工業製品は作れていない。
江藤は悔しそうに、欧米列強と比べてしまえば、佐賀はひどく遅れているのだと熱弁を振るう。
「真に熱いんは、そなたら佐賀の者やもしれんな。」
姉小路は、少し呆れたような表情を見せた。江藤の言葉には、いちいち刺さるものがある。
若き公家の心のうちには、何か攘夷を叫ぶ事とは別の、新しい“熱気”が生じ始めていた。
(続く)
1862年(文久二年)当時、尊王攘夷派の公家として、「飛ぶ鳥を落とす勢い」だったとも言われる、姉小路公知。
同年の秋には、幕府に「攘夷実行」を催促するため、盟友の公家・三条実美とともに、江戸へと向かう予定がありました。
姉小路卿が、脱藩した佐賀の下級武士・江藤新平と接点を持っていたのは、その直前の夏に3か月ほどの、わずかな期間でした。
江藤の気質ならば、貴人に媚びて持論を曲げたりはしなかったでしょう。それゆえ、この若い公家は江藤を気に入ったのかもしれません。
――急に、真っ直ぐな表情をする姉小路。
身分の高い公家という先入観を除けば、少年の面影を残すような若さがある。
「…江藤、あらためて聞く。我らは夷狄(いてき)と戦こうたら、勝てるんか。」
「いま、事を構えるのであれば、“必敗”と存じる。」
江藤は「攘夷」の旗頭とも言える、姉小路に直言した。異国の力量をよく理解しているのが、佐賀藩士の特徴でもある。
「…どないなるんや?」
「政のみならず、商いの仕組みも壊れ、民の暮らしも立ち行かぬでしょう。」
異国に海路を抑えられれば、日本沿岸を船で廻る物流網も寸断されるだろう。経済が大混乱に陥ることも容易に想像がつく。
――再び姉小路が、問いかける。
「では、いかがすれば良いのや。」
「近きうちに王政を復古せんと欲すれば、徳川に、異国との談判を任せたままではなりませぬ。」
江藤は幕府から、まず外交権を取り戻すべきと論じた。その言には、それが出来ぬならば、朝廷は政治の実権を握るべきではないという厳しさもあった。
困難な外交を受け持たずに、政治を主導できるというのは考えが浅い。江藤が語るのは、「やるからには、責任を持て」という姿勢だ。
――「難題をどうするか」を必死で考える。それも、佐賀の熱気だった。
「江藤。そなたは、やはり厳しい物言いをする。」
姉小路卿は、少しひねくれた言い振りをした。
尊王攘夷派の公家として、幕府の大老が井伊直弼だった時に、列強と結んだ修好通商条約を破棄し、異国を排除せよと主張する立場にあるからだ。
たしかに攘夷を叫ぶのは良いが、その後どうするかの手順は、誰も考えようとしない。江藤が指摘するのは、その“無責任さ”という事になる。
――幕府に“破約攘夷”を迫るだけで、後は受け持たない。
尊王攘夷派の志士たちが過熱すれば、異国と向き合う当事者として悩むのは、幕府の仕事である。
そうすれば幕閣としては舵取りに困るので、政治的に朝廷が優位を取ることができて一石二鳥だが、なにぶん人任せで、どう転ぶかはわからないのだ。

「“蒸気仕掛け”という、西洋の業がございます。」
「先だって、そなたの語った、異人が黒船を速やかに進める業やったか。」
――以前の姉小路は、佐賀に“勤王”の動きが見えないと言い放った。
その時に江藤は、長崎の警備で、異国と向き合う佐賀藩の立場を述べた。そして、西洋の進んだ技術の一例として、蒸気船を挙げた。
〔参照(中盤):
「欧米では、船の部材まで、“蒸気”にて作ると聞き及びます。」
「どないして使うんや、そもそも“蒸気”とは何や?」
京で見てきた公家には「異人は嫌や!」「徳川が何とかせよ!」と繰り返すだけの者も多く居た。江藤は、姉小路の一歩進んだ問いに応じて語り始めた。

「平たく言えば、湯を沸かす力にて、鉄(くろがね)を自在に切り揃えます。」
「ほっほ…戯(たわむ)れを申すな。」
――姉小路は、いまいち得心がいかない様子だ。
しかし、江藤は真っ直ぐな目をしている。
「そなたは、戯言(ざれごと)を言うような者やないな…」
鉄瓶の蓋を動かすのも、湯を沸かす力。アメリカに渡った幕府の使節団には、数名の佐賀藩士も同行していた。
そこでは、その蒸気の力で、工業製品が大量生産されていたのである。
〔参照(中盤):
「佐賀でも、蒸気を用いて、鉄が整うのか。」
「いまだ、水車を用います。」
鉄製大砲は反射炉で量産しているが、成形に利用するのは、佐賀城下を流れる多布施川などの水力だ。
〔参照(中盤):
――佐賀藩ですら、蒸気機関で工業製品は作れていない。
江藤は悔しそうに、欧米列強と比べてしまえば、佐賀はひどく遅れているのだと熱弁を振るう。
「真に熱いんは、そなたら佐賀の者やもしれんな。」
姉小路は、少し呆れたような表情を見せた。江藤の言葉には、いちいち刺さるものがある。
若き公家の心のうちには、何か攘夷を叫ぶ事とは別の、新しい“熱気”が生じ始めていた。
(続く)
2023年01月16日
第18話「京都見聞」⑱(秋風の吹く頃に)
こんばんは。
『どうする家康』第2回も面白かったのですが、「大河ドラマの感想を書くブログ」になってしまいそうなので、まず第18話の完結に向けて“本編”を再開します。
文久二年(1862年)夏に佐賀を脱藩した江藤新平。わずかな期間とはいえ、幕末の京都で活動したことで、明治の新時代につながる人脈を築きました。
ところが、当時の江藤の報告からは失望の方が強く伝わると言います。各藩が政局の中での立場を確保しようと、続々と上洛(京都入り)した時期でした。
〔参照(前回):第18話「京都見聞」⑰(湖畔の道を駆ける)〕

諸藩の思惑が交錯して混乱が強まっていたこと、また、江藤がこれぞと思える人物に出会うこともほとんど無かったことが、その失望の理由と聞きます。
江藤は「朝廷に英明な者が見当たらず、志士は激情に任せて動く…」という旨の感想を残したようです。
そんな折に「佐賀藩の大殿(前藩主)・鍋島直正が、京を目指す」という一報を得て、期待する江藤の気持ちは急いています。
――京。有力公家・姉小路公知の屋敷。
この日も、各地から集まった志士たちの威勢の良い大声が響く。
「徳川は弱腰、夷狄(いてき)はただちに打ち払え!」
「そうじゃ、攘夷の決行じゃ。すぐに、やるんじゃ!。」
「通商条約など、破り捨ててしまえ。」
「神州にはびこる異人どもは…斬るべし!」
議論はどんどん熱を帯びるが、そんな声を聞きながら、あまり寝ていない江藤は、縁側であくびをしていた。

このところ、江藤は佐賀に向けて、京都で見聞きした情勢を、夜通しで書面に綴っているのだ。
事は急を要する。どうにかして上洛の前に、佐賀の大殿・鍋島直正(閑叟)に最新の情報を届けねば…そのような焦りもあった。
――今日も「尊王攘夷」に熱狂する志士たちが集う。
ところが、志士たちの熱弁も日々繰り返されれば…聞き飽きるのか。話を聞かせたいはずの公家・姉小路公知の姿がそこには無い。
白熱した志士たちは気づかぬ様子だが、座の主役であるべき姉小路は、その場から抜け出し、庭を散策中である。
「ほっほ…江藤よ。眠うおじゃるか。」
「いえ、人智は空腹より生じます。不眠とて、新しき知恵をもたらすと存ずる。」
縁側に控える江藤に、声をかける姉小路。江藤からは、気を張った返事だ。
「また…強情なことや。佐賀の者は、そなたのような者ばかりなんか?」
二十歳そこそこで、かなり若い公家・姉小路。少しおどけたように言った。

――そして姉小路は、フッとため息を付くようにこぼした。
「あの威勢のええ者たちは、まろが居ようが居まいが関わりないらしい。」
来る日も来る日も、各地から似た感じの勢い込んだ志士が送り込まれてくる。
「何処かで聞いた言葉を叫ぶ者は、実のところ、何も考えておらぬゆえ。」
江藤は、議論の場で加熱する志士たちをこう評価した。
「なかなか手厳しい物言いや。そんなんは、疎(うと)まれるで。」
「論があるなら、いかに形に成すかを示さねばなりませぬ。」
以前とは違い、姉小路からの柔らかい忠告だが、江藤はぴしゃりと言い放つ。
〔参照:第18話「京都見聞」⑭(若き公家の星)〕
――ふと、秋の気配を感じさせる風が通る。
江藤の弁舌は、時に攻撃的でもあった。
「何も考えずわめく者には、それなりの言い方をするまで。」
「まず手筈(てはず)を整えろ…か。そなたなら、そう言うやろうな。」
わずか2か月ほどの付き合いになるが、姉小路にも江藤の気性がわかってきたようだ。だが身分の差もあり、このように親しく語らう事は、そう多くない。
熱気のこもった京都の夏も、過ぎゆこうとしている。庭先に下りてきた姉小路には、まだ江藤に聞きたいことがある様子だった。
(続く)
『どうする家康』第2回も面白かったのですが、「大河ドラマの感想を書くブログ」になってしまいそうなので、まず第18話の完結に向けて“本編”を再開します。
文久二年(1862年)夏に佐賀を脱藩した江藤新平。わずかな期間とはいえ、幕末の京都で活動したことで、明治の新時代につながる人脈を築きました。
ところが、当時の江藤の報告からは失望の方が強く伝わると言います。各藩が政局の中での立場を確保しようと、続々と上洛(京都入り)した時期でした。
〔参照(前回):
諸藩の思惑が交錯して混乱が強まっていたこと、また、江藤がこれぞと思える人物に出会うこともほとんど無かったことが、その失望の理由と聞きます。
江藤は「朝廷に英明な者が見当たらず、志士は激情に任せて動く…」という旨の感想を残したようです。
そんな折に「佐賀藩の大殿(前藩主)・鍋島直正が、京を目指す」という一報を得て、期待する江藤の気持ちは急いています。
――京。有力公家・姉小路公知の屋敷。
この日も、各地から集まった志士たちの威勢の良い大声が響く。
「徳川は弱腰、夷狄(いてき)はただちに打ち払え!」
「そうじゃ、攘夷の決行じゃ。すぐに、やるんじゃ!。」
「通商条約など、破り捨ててしまえ。」
「神州にはびこる異人どもは…斬るべし!」
議論はどんどん熱を帯びるが、そんな声を聞きながら、あまり寝ていない江藤は、縁側であくびをしていた。
このところ、江藤は佐賀に向けて、京都で見聞きした情勢を、夜通しで書面に綴っているのだ。
事は急を要する。どうにかして上洛の前に、佐賀の大殿・鍋島直正(閑叟)に最新の情報を届けねば…そのような焦りもあった。
――今日も「尊王攘夷」に熱狂する志士たちが集う。
ところが、志士たちの熱弁も日々繰り返されれば…聞き飽きるのか。話を聞かせたいはずの公家・姉小路公知の姿がそこには無い。
白熱した志士たちは気づかぬ様子だが、座の主役であるべき姉小路は、その場から抜け出し、庭を散策中である。
「ほっほ…江藤よ。眠うおじゃるか。」
「いえ、人智は空腹より生じます。不眠とて、新しき知恵をもたらすと存ずる。」
縁側に控える江藤に、声をかける姉小路。江藤からは、気を張った返事だ。
「また…強情なことや。佐賀の者は、そなたのような者ばかりなんか?」
二十歳そこそこで、かなり若い公家・姉小路。少しおどけたように言った。
――そして姉小路は、フッとため息を付くようにこぼした。
「あの威勢のええ者たちは、まろが居ようが居まいが関わりないらしい。」
来る日も来る日も、各地から似た感じの勢い込んだ志士が送り込まれてくる。
「何処かで聞いた言葉を叫ぶ者は、実のところ、何も考えておらぬゆえ。」
江藤は、議論の場で加熱する志士たちをこう評価した。
「なかなか手厳しい物言いや。そんなんは、疎(うと)まれるで。」
「論があるなら、いかに形に成すかを示さねばなりませぬ。」
以前とは違い、姉小路からの柔らかい忠告だが、江藤はぴしゃりと言い放つ。
〔参照:
――ふと、秋の気配を感じさせる風が通る。
江藤の弁舌は、時に攻撃的でもあった。
「何も考えずわめく者には、それなりの言い方をするまで。」
「まず手筈(てはず)を整えろ…か。そなたなら、そう言うやろうな。」
わずか2か月ほどの付き合いになるが、姉小路にも江藤の気性がわかってきたようだ。だが身分の差もあり、このように親しく語らう事は、そう多くない。
熱気のこもった京都の夏も、過ぎゆこうとしている。庭先に下りてきた姉小路には、まだ江藤に聞きたいことがある様子だった。
(続く)
2023年01月13日
「もしかしてだけど、言いたい事がある」
こんばんは。
新年早々に、佐賀県内に住む叔父上からの連絡があり、民放のテレビ番組をチェックしてみたところ、意外な情報に行き当たりました。
今回、“本編”への導入も兼ねますが、少し意表を突いた話なので、柔らかくお読みいただければ幸いです。
――今週始めから、フジテレビ系列で、
全国ネットの『ぽかぽか』という、昼の新番組がスタートしています。
平日昼のバラエティーであれば、ふだん私が目にする事はないのですが、この『ぽかぽか』という番組の情報は、叔父上からの連絡で抑えていました。
「佐賀のローカル番組が、全国ネットで見られるとよ。」という一言。同番組を制作しているサガテレビで、全国放送の告知があったそうです。
「少しでも佐賀が映れば、良かったとしよう」ぐらいの気持ちで録画をしました。

――「もしかしてだけど~♪」
この番組(『ぽかぽか』)内の企画にあったのは、地域のローカル番組を全国ネットで流すという試みです。
もちろん昼の新番組だから、視聴率は「喉から手が出るほどに」欲しいはずで、「必勝を期している」に違いありません。
そんな勝負の1週目に選択したのが、サガテレビ『どぶろっくの一物』という、佐賀の番組だったようです。
こうして1月9日(月)から5日間にわたり、正味30分程度は、佐賀ローカルの番組が全国ネットで流れることに。
以降、佐賀県内で同番組を見ている方には、違和感があるかもしれませんが、そもそも郷里から離れている私には初見なので、その感覚でご覧ください。
――ギターによる軽妙なメロディーから繰り出されるのは…
佐賀県(基山町)出身、お笑い芸人・どぶろっくの2人が得手とする“下ネタ”の数々が披露されます。
これが佐賀県内でロケをする随所で上手い具合に歌唱されます。“街ブラ”の中で、美味な食事に出会えば「ウマイチモツ」という決めゼリフもある様子。

昭和期のテレビは自由そのものな感じでしたが、ある意味で現在のテレビでは、“禁じ手”となりうる部分への挑戦なのかもしれません。
これを、現代の日本に蔓延する息苦しさに抗い、閉塞感を打ち破る試みだと考えれば、また見え方も変わるのでしょう。
あるいは、やっぱり“下ネタ”に聞こえるとしても、許容範囲は人それぞれ…と考え、話を次に進めます。
――幕末期、とても熱かった“佐賀”。
細かく言えば“どぶろっく”さんの出身地・基山町は、私がメインテーマとする、佐賀藩内ではなく、対馬藩の田代領にあたるはずです。
“本編”・第16話「攘夷沸騰」でも、現在では佐賀県にあたる地域の対馬藩士たちの活躍を少し描いています。
〔参照:第16話「攘夷沸騰」⑳(基山の誇り、田代の想い)〕
当時、この地域にも、幕末期の熱い風が強く吹いていたことは言うまでもなく、しかも、佐賀県内の話なので、表現したい気持ちがあります。
しかし幕末の話が、サガテレビ『どぶろっくの一物』が全国で紹介されることと、どう関係するかといえば…

――「言いたい事がある~♪」
実のところ、この“どぶろっく”の2人(森慎太郎さん・江口直人さん)には、既に「幕末期の大河ドラマ」への出演歴があるそうです。
2015年大河ドラマ『花燃ゆ』に出演。しかも“端役”ではなく、歴史の教科書でも扱いの大きい重要人物のキャストになっています。
なんと、その配役は一橋慶喜〔演:森慎太郎〕と島津久光〔演:江口直人〕。
もともと、役者志望だった方々とは聞きますが、幕末期において、江戸幕府の最後の将軍と、政局を大きく動かした薩摩藩の国父(藩主の父)。
さすがに予想外の配役だったようで、当時のざわめきが、今でもインターネット上に残っていました。
――私も、この配役を知らなかったので、驚きました。
私は、たぶん放送回を見ていないと思われますが、これを利用して“本編”の時代背景として、補足します。
江藤新平が佐賀を脱藩し、京都で活動していた、文久二年(1862年)夏。
同年春に京都で藩内の勤王派の勢力を一掃した、薩摩の国父・島津久光は薩摩藩兵を率いて、意気揚々と江戸へと向かったそうです。
〔参照:第18話「京都見聞」③(寺田屋騒動の始末)〕
これは以前に、薩摩藩が将軍候補として推した、一橋慶喜らを幕政の中枢に据えて、薩摩の影響力を強めるための行動だったと言われています。

――但し、2015年大河『花燃ゆ』は、長州藩を軸に展開した話。
江戸幕府最後の将軍となる一橋慶喜や薩摩藩の島津久光の登場は少なめと思いますが、“どぶろっく”の2人が演じたと思うと不思議な感覚があります。
話が二転三転しましたが、民放の全国ネットで、佐賀のローカル番組が放送されているのは、痛快事ではありました。
ちなみに同番組での“一物”(いちもつ)とは、一番の物(ナンバーワン)・唯一の物(オンリーワン)を指すのだとか。
知っている人には、すでに魅力がある佐賀県だと思いますので、新年早々に認知度も少し上がって良いのかも…と感じました。
新年早々に、佐賀県内に住む叔父上からの連絡があり、民放のテレビ番組をチェックしてみたところ、意外な情報に行き当たりました。
今回、“本編”への導入も兼ねますが、少し意表を突いた話なので、柔らかくお読みいただければ幸いです。
――今週始めから、フジテレビ系列で、
全国ネットの『ぽかぽか』という、昼の新番組がスタートしています。
平日昼のバラエティーであれば、ふだん私が目にする事はないのですが、この『ぽかぽか』という番組の情報は、叔父上からの連絡で抑えていました。
「佐賀のローカル番組が、全国ネットで見られるとよ。」という一言。同番組を制作しているサガテレビで、全国放送の告知があったそうです。
「少しでも佐賀が映れば、良かったとしよう」ぐらいの気持ちで録画をしました。
――「もしかしてだけど~♪」
この番組(『ぽかぽか』)内の企画にあったのは、地域のローカル番組を全国ネットで流すという試みです。
もちろん昼の新番組だから、視聴率は「喉から手が出るほどに」欲しいはずで、「必勝を期している」に違いありません。
そんな勝負の1週目に選択したのが、サガテレビ『どぶろっくの一物』という、佐賀の番組だったようです。
こうして1月9日(月)から5日間にわたり、正味30分程度は、佐賀ローカルの番組が全国ネットで流れることに。
以降、佐賀県内で同番組を見ている方には、違和感があるかもしれませんが、そもそも郷里から離れている私には初見なので、その感覚でご覧ください。
――ギターによる軽妙なメロディーから繰り出されるのは…
佐賀県(基山町)出身、お笑い芸人・どぶろっくの2人が得手とする“下ネタ”の数々が披露されます。
これが佐賀県内でロケをする随所で上手い具合に歌唱されます。“街ブラ”の中で、美味な食事に出会えば「ウマイチモツ」という決めゼリフもある様子。
昭和期のテレビは自由そのものな感じでしたが、ある意味で現在のテレビでは、“禁じ手”となりうる部分への挑戦なのかもしれません。
これを、現代の日本に蔓延する息苦しさに抗い、閉塞感を打ち破る試みだと考えれば、また見え方も変わるのでしょう。
あるいは、やっぱり“下ネタ”に聞こえるとしても、許容範囲は人それぞれ…と考え、話を次に進めます。
――幕末期、とても熱かった“佐賀”。
細かく言えば“どぶろっく”さんの出身地・基山町は、私がメインテーマとする、佐賀藩内ではなく、対馬藩の田代領にあたるはずです。
“本編”・第16話「攘夷沸騰」でも、現在では佐賀県にあたる地域の対馬藩士たちの活躍を少し描いています。
〔参照:
当時、この地域にも、幕末期の熱い風が強く吹いていたことは言うまでもなく、しかも、佐賀県内の話なので、表現したい気持ちがあります。
しかし幕末の話が、サガテレビ『どぶろっくの一物』が全国で紹介されることと、どう関係するかといえば…
――「言いたい事がある~♪」
実のところ、この“どぶろっく”の2人(森慎太郎さん・江口直人さん)には、既に「幕末期の大河ドラマ」への出演歴があるそうです。
2015年大河ドラマ『花燃ゆ』に出演。しかも“端役”ではなく、歴史の教科書でも扱いの大きい重要人物のキャストになっています。
なんと、その配役は一橋慶喜〔演:森慎太郎〕と島津久光〔演:江口直人〕。
もともと、役者志望だった方々とは聞きますが、幕末期において、江戸幕府の最後の将軍と、政局を大きく動かした薩摩藩の国父(藩主の父)。
さすがに予想外の配役だったようで、当時のざわめきが、今でもインターネット上に残っていました。
――私も、この配役を知らなかったので、驚きました。
私は、たぶん放送回を見ていないと思われますが、これを利用して“本編”の時代背景として、補足します。
江藤新平が佐賀を脱藩し、京都で活動していた、文久二年(1862年)夏。
同年春に京都で藩内の勤王派の勢力を一掃した、薩摩の国父・島津久光は薩摩藩兵を率いて、意気揚々と江戸へと向かったそうです。
〔参照:
これは以前に、薩摩藩が将軍候補として推した、一橋慶喜らを幕政の中枢に据えて、薩摩の影響力を強めるための行動だったと言われています。
――但し、2015年大河『花燃ゆ』は、長州藩を軸に展開した話。
江戸幕府最後の将軍となる一橋慶喜や薩摩藩の島津久光の登場は少なめと思いますが、“どぶろっく”の2人が演じたと思うと不思議な感覚があります。
話が二転三転しましたが、民放の全国ネットで、佐賀のローカル番組が放送されているのは、痛快事ではありました。
ちなみに同番組での“一物”(いちもつ)とは、一番の物(ナンバーワン)・唯一の物(オンリーワン)を指すのだとか。
知っている人には、すでに魅力がある佐賀県だと思いますので、新年早々に認知度も少し上がって良いのかも…と感じました。
2023年01月09日
「今年は、どうする…」
こんばんは。
2023年大河ドラマ『どうする家康』は、昨夜が初回の放送でしたね。松本潤さんが演じるのは、松平元康(のちの徳川家康)。
「ままごと」が好きな、空想がちで臆病な感じの少年として描かれる、“神君”・家康公、何だか温かく見守りたい…という序盤の展開。
のちに天下人となると思われない雰囲気でしたが、今川義元〔演:野村萬斎〕との対話に「太平の世への理想」を託された感じもありました。

――何だか幸せそうな、少年時代の家康公の“人質”生活。
面倒見の良い“保護者”キャラ・石川数正〔演:松重豊〕。“両思い”の幼なじみのような存在が、そのまま結婚相手になった印象の瀬名〔演:有村架純〕。
一応、今川家の人質なので、色々と気は遣っている感じがありましたが、苦難とはほど遠く、優しい目線に囲まれている描写が続きました。
どちらかと言えば、駿河(静岡県中央)の華やかな都会・駿府になじんで、地味な領国・三河(愛知県東部)に帰ったら、ため息という展開まで。
――昨年の『鎌倉殿の13人』より、予備知識がある方々も多いはず。
とくに2016年『真田丸』、2017年『おんな城主 直虎』で、すでに“予習済”の皆様は、私と似たような感想を持つ人も多いかもしれません。
先の展開が見えるだけに「甘い描き方と油断はならん…」と、己を戒めました。
周囲の優しさは、主人公・松平元康〔演:松本潤〕を、よりキラキラさせるための演出でもあるのか。
――「今後の展開を知っている」と辛い部分もある…初回の序盤。
『真田丸』で見た、少しくすぶった感じのある石川数正や『おんな城主 直虎』の、綺麗だけど野心も強い瀬名…と描かれる方が、個人的には気が楽です。
但し、初回から“桶狭間の戦い”に突入、織田信長〔演:岡田准一〕の登場で、充分に物騒な感じになったので、ほんわかしたのは、最初だけでしたが…

――そして番組終盤には、なぜか崖の上から武田信玄〔演:阿部寛〕。
徳川家康に生涯最大の危機の1つを引き起こす、“最強の敵”の風格。甲斐(山梨)の切り立った断崖に座し、南方の駿河(静岡)方面の虹を眺める演出。
高所から“桶狭間の戦い”の結果を見下ろすような、大物感が出ています。
――さて、「どうする」。
初回から、家臣である三河(愛知)の国衆から「どうする」と一斉に問われて、きっと今年は1年中、決断を迫られる主人公・徳川家康(松平元康)。
近年の大河ドラマも記憶に残るなか、昨年度より今後の展開を知ってはいるのですが、やはり1年間、感情移入して見てしまうことになりそうです。
――日曜の夜は、今年の大河ドラマを見るとして。
その一方で、私としては幕末期の佐賀を、どうにかイメージしていきたいので、「平常心」と気持ちの切り換えが大事なのかもしれません。
たぶん、大河ドラマにおける「徳川家康と戦国時代」という“王道”のテーマは多くの視聴者が通りやすい、まるで東海道のようなものでしょうか。
私は「幕末佐賀藩の大河ドラマ」にも道筋はあると考えますが、こちらは三瀬の峠道を行くような感覚に近いかもしれません。
これを、せめて「長崎街道ぐらいは、通りやすいものに!」という想いを大事に、今年は進めていきたいです。
2023年大河ドラマ『どうする家康』は、昨夜が初回の放送でしたね。松本潤さんが演じるのは、松平元康(のちの徳川家康)。
「ままごと」が好きな、空想がちで臆病な感じの少年として描かれる、“神君”・家康公、何だか温かく見守りたい…という序盤の展開。
のちに天下人となると思われない雰囲気でしたが、今川義元〔演:野村萬斎〕との対話に「太平の世への理想」を託された感じもありました。
――何だか幸せそうな、少年時代の家康公の“人質”生活。
面倒見の良い“保護者”キャラ・石川数正〔演:松重豊〕。“両思い”の幼なじみのような存在が、そのまま結婚相手になった印象の瀬名〔演:有村架純〕。
一応、今川家の人質なので、色々と気は遣っている感じがありましたが、苦難とはほど遠く、優しい目線に囲まれている描写が続きました。
どちらかと言えば、駿河(静岡県中央)の華やかな都会・駿府になじんで、地味な領国・三河(愛知県東部)に帰ったら、ため息という展開まで。
――昨年の『鎌倉殿の13人』より、予備知識がある方々も多いはず。
とくに2016年『真田丸』、2017年『おんな城主 直虎』で、すでに“予習済”の皆様は、私と似たような感想を持つ人も多いかもしれません。
先の展開が見えるだけに「甘い描き方と油断はならん…」と、己を戒めました。
周囲の優しさは、主人公・松平元康〔演:松本潤〕を、よりキラキラさせるための演出でもあるのか。
――「今後の展開を知っている」と辛い部分もある…初回の序盤。
『真田丸』で見た、少しくすぶった感じのある石川数正や『おんな城主 直虎』の、綺麗だけど野心も強い瀬名…と描かれる方が、個人的には気が楽です。
但し、初回から“桶狭間の戦い”に突入、織田信長〔演:岡田准一〕の登場で、充分に物騒な感じになったので、ほんわかしたのは、最初だけでしたが…
――そして番組終盤には、なぜか崖の上から武田信玄〔演:阿部寛〕。
徳川家康に生涯最大の危機の1つを引き起こす、“最強の敵”の風格。甲斐(山梨)の切り立った断崖に座し、南方の駿河(静岡)方面の虹を眺める演出。
高所から“桶狭間の戦い”の結果を見下ろすような、大物感が出ています。
――さて、「どうする」。
初回から、家臣である三河(愛知)の国衆から「どうする」と一斉に問われて、きっと今年は1年中、決断を迫られる主人公・徳川家康(松平元康)。
近年の大河ドラマも記憶に残るなか、昨年度より今後の展開を知ってはいるのですが、やはり1年間、感情移入して見てしまうことになりそうです。
――日曜の夜は、今年の大河ドラマを見るとして。
その一方で、私としては幕末期の佐賀を、どうにかイメージしていきたいので、「平常心」と気持ちの切り換えが大事なのかもしれません。
たぶん、大河ドラマにおける「徳川家康と戦国時代」という“王道”のテーマは多くの視聴者が通りやすい、まるで東海道のようなものでしょうか。
私は「幕末佐賀藩の大河ドラマ」にも道筋はあると考えますが、こちらは三瀬の峠道を行くような感覚に近いかもしれません。
これを、せめて「長崎街道ぐらいは、通りやすいものに!」という想いを大事に、今年は進めていきたいです。
タグ :大河ドラマ
2023年01月04日
「大河4年連続出場!に想う…」
こんばんは。
今年(2023年)の大河ドラマ『どうする家康』。その主人公は言うまでもなく、江戸幕府の創始者にして初代の将軍・徳川家康(演:松本潤)。
そして、ここ数年を振り返れば…至るところに徳川家康。
2020年『麒麟がくる』(演:風間俊介)
※主人公・明智光秀(演:長谷川博己)と関わる戦国時代の武将として活躍。
2021年『青天を衝け』(演:北大路欣也)
※舞台は幕末期でしたが、番組のナビゲーター(案内役)で、ほぼ毎回出演。
2022年『鎌倉殿の13人』(演:松本潤)
※鎌倉時代の物語でも、最終回に歴史書「吾妻鏡」の愛読者として登場。
――連続出場の4年目。2023年『どうする家康』では満を持しての主役。
さすがに2019年『いだてん』で、家康公をお見かけした記憶はありませんが、4年連続で大河ドラマにキャスティングがあるとは、強すぎる存在感。
それだけに昨年の『鎌倉殿の13人』での主人公・北条義時に比べて、視聴者それぞれにしっかりした徳川家康のイメージがあるのではないかと思います。
おそらく日本史上でもトップクラスの超有名人物が、今度の大河ドラマでは、どう描かれるか。それも楽しみです。

※佐賀市大和町
――日曜夜、初回放送からの楽しみは、楽しみとして。
序盤は、中部(東海)エリアで物語は展開するでしょうし、佐賀ゆかりの人物の登場は、全編を通じてあまり期待できないのかもしれません。
しかし、後半のどこかで佐賀藩祖・鍋島直茂公や佐賀藩ご初代・鍋島勝茂公のご登場があるのでは…という視線は常に送っていきたいと考えています。
もしも大河ドラマで藩祖さまやご初代をお見かけしようものなら、私はブログで大騒ぎすることと思います。皆様も一緒に盛り上がっていただければ幸いです。
――そして、正月に『さがファンブログ』で紹介されていた雑誌の記事より。
佐賀藩の初代藩主・鍋島勝茂公の“正月の願いごと”を拝読しました。
一.家中によい人物が出ますように
一.家中から浪人する者が出ないように
一.家中に病人が出ませんように
参照した雑誌:https://ebooks.sagafan.jp/e992118.html
(『月刊ぷらざ佐賀 2023年1月号』)※外部リンク
※同誌90ページに掲載された、3か条を引用しています。

※佐賀城北堀
――戦国時代を生き抜いた武将の願い事にしては、すごく優しい!
とくに家臣の“離職”や“疾病”を心配するところに、藩祖・鍋島直茂公から受け継ぎ、勝茂公から続いていく、“佐賀の名君”のオーラをビリビリと感じます。
なお、同誌の冒頭には、佐嘉神社・松原神社の宮司さんの記事もありました。
「第十代藩主・鍋島直正公」並びに「第十一代藩主鍋島直大公」をお祀りする、佐嘉神社。
経過は存じませんでしたが、昭和初期の佐賀の人々からも「お殿様は、お城近くにお祀りしてほしい」という声があっての現在地なのですね。

――何を書いても大体は、佐賀へと話を持っていく私。
これも年頭に掲げた今年のテーマ「平常心」の表れかもしれませんが、今年の大河ドラマの開始までは、そわそわと落ち着かないところもあります。
様々な感情とともに、この1年付き合っていくであろう、今年の大河ドラマの初回。まずは『どうする家康』第1回を楽しみにしたいと思います。
今年(2023年)の大河ドラマ『どうする家康』。その主人公は言うまでもなく、江戸幕府の創始者にして初代の将軍・徳川家康(演:松本潤)。
そして、ここ数年を振り返れば…至るところに徳川家康。
2020年『麒麟がくる』(演:風間俊介)
※主人公・明智光秀(演:長谷川博己)と関わる戦国時代の武将として活躍。
2021年『青天を衝け』(演:北大路欣也)
※舞台は幕末期でしたが、番組のナビゲーター(案内役)で、ほぼ毎回出演。
2022年『鎌倉殿の13人』(演:松本潤)
※鎌倉時代の物語でも、最終回に歴史書「吾妻鏡」の愛読者として登場。
――連続出場の4年目。2023年『どうする家康』では満を持しての主役。
さすがに2019年『いだてん』で、家康公をお見かけした記憶はありませんが、4年連続で大河ドラマにキャスティングがあるとは、強すぎる存在感。
それだけに昨年の『鎌倉殿の13人』での主人公・北条義時に比べて、視聴者それぞれにしっかりした徳川家康のイメージがあるのではないかと思います。
おそらく日本史上でもトップクラスの超有名人物が、今度の大河ドラマでは、どう描かれるか。それも楽しみです。
※佐賀市大和町
――日曜夜、初回放送からの楽しみは、楽しみとして。
序盤は、中部(東海)エリアで物語は展開するでしょうし、佐賀ゆかりの人物の登場は、全編を通じてあまり期待できないのかもしれません。
しかし、後半のどこかで佐賀藩祖・鍋島直茂公や佐賀藩ご初代・鍋島勝茂公のご登場があるのでは…という視線は常に送っていきたいと考えています。
もしも大河ドラマで藩祖さまやご初代をお見かけしようものなら、私はブログで大騒ぎすることと思います。皆様も一緒に盛り上がっていただければ幸いです。
――そして、正月に『さがファンブログ』で紹介されていた雑誌の記事より。
佐賀藩の初代藩主・鍋島勝茂公の“正月の願いごと”を拝読しました。
一.家中によい人物が出ますように
一.家中から浪人する者が出ないように
一.家中に病人が出ませんように
参照した雑誌:https://ebooks.sagafan.jp/e992118.html
(『月刊ぷらざ佐賀 2023年1月号』)※外部リンク
※同誌90ページに掲載された、3か条を引用しています。
※佐賀城北堀
――戦国時代を生き抜いた武将の願い事にしては、すごく優しい!
とくに家臣の“離職”や“疾病”を心配するところに、藩祖・鍋島直茂公から受け継ぎ、勝茂公から続いていく、“佐賀の名君”のオーラをビリビリと感じます。
なお、同誌の冒頭には、佐嘉神社・松原神社の宮司さんの記事もありました。
「第十代藩主・鍋島直正公」並びに「第十一代藩主鍋島直大公」をお祀りする、佐嘉神社。
経過は存じませんでしたが、昭和初期の佐賀の人々からも「お殿様は、お城近くにお祀りしてほしい」という声があっての現在地なのですね。
――何を書いても大体は、佐賀へと話を持っていく私。
これも年頭に掲げた今年のテーマ「平常心」の表れかもしれませんが、今年の大河ドラマの開始までは、そわそわと落ち着かないところもあります。
様々な感情とともに、この1年付き合っていくであろう、今年の大河ドラマの初回。まずは『どうする家康』第1回を楽しみにしたいと思います。
2023年01月02日
「夢と冒険の、SAGA」
こんばんは。
「一年の計は、元旦にあり」と言いますので、佐賀についても考えます。昨年、長くコロナ禍に隔てられ3年振り、わずかな時間でも佐賀に“帰藩”できました。
ここで「佐賀で調べ物も要るし、ライトファンタジーも見たい」と思い「やるぞ!」と意気込むも、仕事等が忙しく、動ける気配は無いまま年は暮れました。
最近は、いつも超高速で“帰藩”しては、戻らねばなりません。本当は、武雄で、嬉野で、古湯で…ゆっくり、佐賀の温泉につかりたい。
本日は気持ちだけでも「冒険はいつだって想いのままに」と、つぶやきます。

――“都会”と呼ばれる場所の片隅で、小競り合いを繰り返す日々。
その間にも、どんどんどんと…佐賀は変化しており、逆に置いていかれている感じがあります。
建設中だった「SAGAアリーナ」も今年5月から始動するらしく、松任谷由実やB’zなど“伝説級”大物アーティストも、続々と佐賀で公演予定だとか。
ディズニー・オン・アイスの公演も予定にあり、「伝説も、夢の世界も、佐賀に来る」時代の到来なのかもしれません。
――皆様は、地元メディアの情報から…
意識せずとも耳に入るかもしれませんが、私は先ほどの情報をインターネット上の記事でたまたま見かけたところです。
「これは、佐賀が“都会化”してきている…?」
大都市圏の優位点の一角と言える「参加したいイベントに行きやすい」要素。これからの佐賀は、こういうポイントを抑える戦略なのか…と感じるところも。

※嬉野温泉
――佐賀県の、デザインマンホールの話をよく聞きます。
以前から『ゾンビランドサガ』のマンホールが佐賀県内20市町に設置される件は注目しています。
〔参照(中盤):連続ブログ小説「聖地の剣」(21)下も向いて歩こう、SAGA〕
他にゲームを題材としたマンホールもあるらしい…とは知っていました。
SAGAアリーナ周辺には、その『ロマンシング サガ』のデザインマンホールが配置されたと聞きます。
――「ロマンシング佐賀?」
実は、私も名称しか知らなかったのですが、テレビゲームのシリーズとして、熱烈なファンも多いという『ロマンシング サガ』。
人生の諸先輩の皆様に説明を試みると、西洋的な剣と魔法の世界の物語が多い、ロールプレイング(RPG)と呼ばれる分野のゲームの1種のようです。
ゲームをする人は、主人公のキャラクターを操作し、敵と戦っていく中で、剣や魔法の腕を磨き、装備を整えて成長して、目的の達成のために進みます。
――しばらく前に「ロマンシング サガ2」を特集した番組があり、
やっぱり「サガ」という響きが気になって見てみたのですが、内容としては全く「佐賀」ではありませんでした。
しかし、千年もの時間の経過を、複数の主人公でつないで、閃き(ひらめき)で歴史を作っていく…そんなゲームと聞くと、浪漫のあるシナリオだと感じます。
このシリーズの“サガ”(物語)という響きを、佐賀県側も気になっていたようで、ゲーム製作会社(スクエア・エニックス)とコラボレーションに至ったようです。
異例と思われる自治体とゲームとの共同企画、現時点で8年間も続いているらしく、2022年は乗り物、2021年は温泉(風呂)がテーマだった様子。
〇参考(佐賀県庁)※外部リンク
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00387373/index.html (2022乗り物)
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00384463/index.html (2021佐賀の温泉)

※古湯温泉
――そして、過去(2018年)には「“七賢人”コラボ」という企画も。
過去にCMで耳にした記憶があり、「たぶん、間に合わせの企画だろう…」と、失礼ながら甘く見ていました。
遅まきながら参照すると、佐賀の名君・鍋島直正が、初代司法卿・江藤新平が、政党内閣で初の総理大臣・大隈重信が…
中世の西洋騎士風に、剣と魔法の世界観の雰囲気をまとう“イケメン”キャラクターとして、異様な存在感を見せています。
〇参考(スクウェア・エニックス)※外部リンク
https://romasaga.jp/2018/
※コメントはページ上部、キャラクターはページ下部に表示
――このゲームを作った人のコメントを見て、もっと驚きました。
河津秋敏さんという方。ゲーム業界に疎く、私は存じ上げなかったのですが、とても有名な人で、作品のファンの方からは”神”とまで称されるようです。
以下、コメントより引用します。
①佐賀藩による禁中警護が実現していたら、幕末はどう変わっただろうか。
②江藤と大久保が手を携えていたら、日本はどんな近代化を果たしえたのか。
③大隈が伊藤との権力闘争に敗れなければ、帝国憲法はどんな姿になっていたか。
――以上のような記載を見かけて、私はゾクッとしたわけです。
なぜなら…私の書く“本編”も、鍋島直正・江藤新平・大隈重信が3部作をつないでいくイメージで進めています。
そして、コメントにあった3項目(①~③)のポイントが、各人物に関わる重大な局面と、ズバリ対応していたからです。

※武雄温泉
――さらに、追い打ちのコメントがありました。
「このような夢想は賢人達に笑われることでしょう。夢を描くな、夢を成せと。」
たしかに佐賀の賢人には理想を語るだけでなく、実現する力がありました。
歴史研究者と違った意味で、説得力のあるコメントだったので、第一線で活躍されているクリエイターの才能は凄いものだな…という感想を持ちました。
本当に能力のある方が動けば、相当に良い物語が作れるはずですが、今は私なりの「幕末佐賀藩の大河ドラマ」を淡々と進めていきたいと思います。
ちなみに①のポイントに対応したお話は、第19話「閑叟上洛」で、鍋島直正が「佐賀藩を率いて京都を警護する」と、朝廷に申し出る場面で描きたいです。
「一年の計は、元旦にあり」と言いますので、佐賀についても考えます。昨年、長くコロナ禍に隔てられ3年振り、わずかな時間でも佐賀に“帰藩”できました。
ここで「佐賀で調べ物も要るし、ライトファンタジーも見たい」と思い「やるぞ!」と意気込むも、仕事等が忙しく、動ける気配は無いまま年は暮れました。
最近は、いつも超高速で“帰藩”しては、戻らねばなりません。本当は、武雄で、嬉野で、古湯で…ゆっくり、佐賀の温泉につかりたい。
本日は気持ちだけでも「冒険はいつだって想いのままに」と、つぶやきます。
――“都会”と呼ばれる場所の片隅で、小競り合いを繰り返す日々。
その間にも、どんどんどんと…佐賀は変化しており、逆に置いていかれている感じがあります。
建設中だった「SAGAアリーナ」も今年5月から始動するらしく、松任谷由実やB’zなど“伝説級”大物アーティストも、続々と佐賀で公演予定だとか。
ディズニー・オン・アイスの公演も予定にあり、「伝説も、夢の世界も、佐賀に来る」時代の到来なのかもしれません。
――皆様は、地元メディアの情報から…
意識せずとも耳に入るかもしれませんが、私は先ほどの情報をインターネット上の記事でたまたま見かけたところです。
「これは、佐賀が“都会化”してきている…?」
大都市圏の優位点の一角と言える「参加したいイベントに行きやすい」要素。これからの佐賀は、こういうポイントを抑える戦略なのか…と感じるところも。
※嬉野温泉
――佐賀県の、デザインマンホールの話をよく聞きます。
以前から『ゾンビランドサガ』のマンホールが佐賀県内20市町に設置される件は注目しています。
〔参照(中盤):
他にゲームを題材としたマンホールもあるらしい…とは知っていました。
SAGAアリーナ周辺には、その『ロマンシング サガ』のデザインマンホールが配置されたと聞きます。
――「ロマンシング佐賀?」
実は、私も名称しか知らなかったのですが、テレビゲームのシリーズとして、熱烈なファンも多いという『ロマンシング サガ』。
人生の諸先輩の皆様に説明を試みると、西洋的な剣と魔法の世界の物語が多い、ロールプレイング(RPG)と呼ばれる分野のゲームの1種のようです。
ゲームをする人は、主人公のキャラクターを操作し、敵と戦っていく中で、剣や魔法の腕を磨き、装備を整えて成長して、目的の達成のために進みます。
――しばらく前に「ロマンシング サガ2」を特集した番組があり、
やっぱり「サガ」という響きが気になって見てみたのですが、内容としては全く「佐賀」ではありませんでした。
しかし、千年もの時間の経過を、複数の主人公でつないで、閃き(ひらめき)で歴史を作っていく…そんなゲームと聞くと、浪漫のあるシナリオだと感じます。
このシリーズの“サガ”(物語)という響きを、佐賀県側も気になっていたようで、ゲーム製作会社(スクエア・エニックス)とコラボレーションに至ったようです。
異例と思われる自治体とゲームとの共同企画、現時点で8年間も続いているらしく、2022年は乗り物、2021年は温泉(風呂)がテーマだった様子。
〇参考(佐賀県庁)※外部リンク
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00387373/index.html (2022乗り物)
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00384463/index.html (2021佐賀の温泉)
※古湯温泉
――そして、過去(2018年)には「“七賢人”コラボ」という企画も。
過去にCMで耳にした記憶があり、「たぶん、間に合わせの企画だろう…」と、失礼ながら甘く見ていました。
遅まきながら参照すると、佐賀の名君・鍋島直正が、初代司法卿・江藤新平が、政党内閣で初の総理大臣・大隈重信が…
中世の西洋騎士風に、剣と魔法の世界観の雰囲気をまとう“イケメン”キャラクターとして、異様な存在感を見せています。
〇参考(スクウェア・エニックス)※外部リンク
https://romasaga.jp/2018/
※コメントはページ上部、キャラクターはページ下部に表示
――このゲームを作った人のコメントを見て、もっと驚きました。
河津秋敏さんという方。ゲーム業界に疎く、私は存じ上げなかったのですが、とても有名な人で、作品のファンの方からは”神”とまで称されるようです。
以下、コメントより引用します。
①佐賀藩による禁中警護が実現していたら、幕末はどう変わっただろうか。
②江藤と大久保が手を携えていたら、日本はどんな近代化を果たしえたのか。
③大隈が伊藤との権力闘争に敗れなければ、帝国憲法はどんな姿になっていたか。
――以上のような記載を見かけて、私はゾクッとしたわけです。
なぜなら…私の書く“本編”も、鍋島直正・江藤新平・大隈重信が3部作をつないでいくイメージで進めています。
そして、コメントにあった3項目(①~③)のポイントが、各人物に関わる重大な局面と、ズバリ対応していたからです。
※武雄温泉
――さらに、追い打ちのコメントがありました。
「このような夢想は賢人達に笑われることでしょう。夢を描くな、夢を成せと。」
たしかに佐賀の賢人には理想を語るだけでなく、実現する力がありました。
歴史研究者と違った意味で、説得力のあるコメントだったので、第一線で活躍されているクリエイターの才能は凄いものだな…という感想を持ちました。
本当に能力のある方が動けば、相当に良い物語が作れるはずですが、今は私なりの「幕末佐賀藩の大河ドラマ」を淡々と進めていきたいと思います。
ちなみに①のポイントに対応したお話は、第19話「閑叟上洛」で、鍋島直正が「佐賀藩を率いて京都を警護する」と、朝廷に申し出る場面で描きたいです。
2023年01月01日
「年始のご挨拶と…」
こんばんは。
年始から、お仕事の方もいらっしゃるかもしれませんが、皆様、良いお正月をお過ごしでしょうか。遅まきながら、どうにか元旦での年始のご挨拶です。

――そういえば、1年前。
「昨年の我に、今年は勝つべし」と、記事タイトルで気合いを入れていました。
〔参照:「昨年の我に、今年は勝つべし」〕
…言いっ放しもどうかと思いますので、検証してみます。
○2021年(一昨年)
記事数:167件
〔本編〕
年始:第15話「江戸動乱」①(“新聞”の夜明け)
年末:第17話「佐賀脱藩」⑬(籠鳥は、雲を恋う)
○2022年(昨年)
記事数:102件
〔本編〕
年始:第17話「佐賀脱藩」⑭(拓〔ひら〕け、代品方)
年末:第18話「京都見聞」⑰(湖畔の道を駆ける)

――少なくとも手数で、昨年の私は、一昨年の私に届いていません…
あえて肯定的な評価をするならば、本編第2部の主人公・江藤新平について、私なりの書き方が固まってきたかな…と考えています。
江藤新平の熱心なファンの方からすると、イメージが違う事もありそうです。
「私の見たい大河ドラマ」での“佐賀のヒーロー”の描写とお考えください。
――やはり、実際の“大河ドラマ”の影響は大きいです。
2023年の『どうする家康』は、タイトルからも“選択の連続”を見せるドラマを予感させます。
何だか強い目標を掲げても、実行できるかの確信が持てない近況。でも、年始なので、頑張ろうと思うタイミング。
私も“大河”とともに「どうする?」と自分に問いかけながら、新しい1年、何かを選択しながら進んでいく事と思います。
――まず「緩急を付けること」を、1つのテーマに。
「あまり力まずに、平常心でいられたら」という感じで行きたいです。
そして、もう少し「佐賀に“帰藩”できる時間もほしい」というのが、今年の願望になっています。本年も、よろしくお願いします。
年始から、お仕事の方もいらっしゃるかもしれませんが、皆様、良いお正月をお過ごしでしょうか。遅まきながら、どうにか元旦での年始のご挨拶です。
――そういえば、1年前。
「昨年の我に、今年は勝つべし」と、記事タイトルで気合いを入れていました。
〔参照:
…言いっ放しもどうかと思いますので、検証してみます。
○2021年(一昨年)
記事数:167件
〔本編〕
年始:
年末:
○2022年(昨年)
記事数:102件
〔本編〕
年始:
年末:
――少なくとも手数で、昨年の私は、一昨年の私に届いていません…
あえて肯定的な評価をするならば、本編第2部の主人公・江藤新平について、私なりの書き方が固まってきたかな…と考えています。
江藤新平の熱心なファンの方からすると、イメージが違う事もありそうです。
「私の見たい大河ドラマ」での“佐賀のヒーロー”の描写とお考えください。
――やはり、実際の“大河ドラマ”の影響は大きいです。
2023年の『どうする家康』は、タイトルからも“選択の連続”を見せるドラマを予感させます。
何だか強い目標を掲げても、実行できるかの確信が持てない近況。でも、年始なので、頑張ろうと思うタイミング。
私も“大河”とともに「どうする?」と自分に問いかけながら、新しい1年、何かを選択しながら進んでいく事と思います。
――まず「緩急を付けること」を、1つのテーマに。
「あまり力まずに、平常心でいられたら」という感じで行きたいです。
そして、もう少し「佐賀に“帰藩”できる時間もほしい」というのが、今年の願望になっています。本年も、よろしくお願いします。