2020年11月05日

連続ブログ小説「旅立の剣」(2)バスターミナルにて

こんばんは。
にわかに始まった「連続ブログ小説」です。淡々と続きます。

2019年10月
ある金曜日時刻10:30を回った。

雲行きはあやしくも、明るさを残す空。
ほどよい潤いを含んだ風が、清々しい


――佐賀駅前に降り立った。

計画どおり、午前中佐賀入りを果たす。
まず、第一段階は成功と言って良い。

佐賀で活動できる時間は限られる。
可能な限り、迅速な行動を要す。


――駅前バスターミナルへの移動。

私を出迎えたのは“賢人たち”の案内板だった。
やはり佐賀は、私の期待に応えてくれるようだ。

ターミナルが日常である人は、おそらく気に留めない
日々が積もれば、ただのバス乗り場の表示。何も不思議はない。



――佐賀は故郷だが、私には“非日常”の世界。

2018年の“さが幕末維新博”。
その盛況は伝え聞くのみ。「行きたかった!」と悔やむばかりだった。

佐賀から遠い不利、ピークを外した悲しみ
逆説的だが、これらは私の“強み”になり得る。


(続く)


〔関連記事(中盤):「“麒麟(きりん)”とともに走る」