2020年11月08日

連続ブログ小説「旅立の剣」(5)雨に打たれても

こんばんは。

佐野常民記念館入口」バス停から、同施設までは徒歩5分とあります。
ほぼ1年前の訪問時、この短い道のりも、風雨に見舞われて長く感じました。


――“佐野常民記念館”にたどり着いた。時刻は12時前。

私が玄関口に着いたときには、ずぶ濡れだった。
「…こんにちは。」

見渡す範囲では、現在の訪問者私1人。とくに不思議はない。平日(金曜)でもあるし、この天気だ。

私の風体では佐賀への出張ついでに立ち寄ったと見えるだろうか。“佐野常民記念館”も目的地の1つだが、このスケジュールを決めた要因は別にあった。


――外は引き続き、雨。

雨天の場合、屋外での“三重津海軍所跡”の見学はできない様子だ。天気が回復しないときは、施設内を見学次第、すぐに市街地戻る事も考える。

帰りのバス時刻を確認した。私の活動時間は限られる一方、佐賀調査すべきポイントは多い佐賀での一刻には、非常に重みがあるのだ。



――そんな思案を始めたところ、スタッフの方から声がかかる。

「まずは、こちらにどうぞ。」
みえつドームシアター”に案内される。半球体状映像空間だ。

こうして私1人に向けた“幕末佐賀藩海軍物語”の上映が始まった。
「おおっ!いきなり、こう来たか…」

朝から移動し続け、雨にも降られたが、肝心の調査はこれからだ。


(続く)