2023年01月30日
「太良町と“4つの掟”」
こんばんは。
前回、また全国で、佐賀の情報が見られる…という期待から、ご紹介した民放(テレビ朝日系列)の旅番組。
そこで映し出されたのは、想像以上に見栄えのする佐賀県の魅力でした。
ところが私は、たぶん普通のテレビの見方はできておらず、今回も急に幕末期の話が混ざります。以下、いつもの調子で綴ります。

――1月28日(土)に放送された、
テレビ朝日系『朝だ!生です旅サラダ』。概ね、90分近い放送の中で、佐賀県(鹿島市・太良町)が紹介されていたコーナー「ロコレコ」は20分程度。
リポーター・伊原六花さんの明るいキャラクターも相まって、短いながらも佐賀の魅力の一端を感じさせる内容だった。
――冒頭は「九州佐賀国際空港」から。
まず、空港のお土産コーナーをチェックしたらしい伊原六花さん。県内各地の名産品が集う、という「sagair」が映る。
「ワンランク上のお土産屋さん。ここだけで3時間はいられる」という、伊原さんの素晴らしいコメントが炸裂。
「…この女子、ダンスだけではないな。リポーターとしても、見事な腕前だ!」
このリズム感、時々で生じた感情をうまく言葉に乗せている…と私は見た。

――そんな感じで、テレビの前にて視聴を始める。
まずは鹿島市の祐徳稲荷神社で1人目の“案内役”と合流。ここは日本三大稲荷の1つという定番の紹介だ。
案内役は、佐賀の銘酒として知られる「鍋島」を製造している蔵元の四代目にあたる女性で、伊原さんとは同年代。
一瞬、画面に映った「鍋島 三十六萬石」の暖簾(のれん)。こういうところは、見逃さない私である。
…しかし、有明海の伝統漁法“棚じぶ”での釣果は無かった様子だ。
「かき揚げを食べたい」気持ちをダンスで表現した伊原さんだったが、エビが網には見当たらない。欲しがり過ぎてもいけない…これは佐賀の戒めなのか。

――次に「佐賀県で最も南」とナレーションが入り、舞台は太良町へ。
道の駅で2人目の案内役、太良町のご当地キャラ「ガネッタくん」が登場。
番組中では、時折見せる機敏なリアクション。「ゆるい」と思わせつつ、意外な練度の高さをうかがわせる“ゆるキャラ”である。
全国の視聴者にとって、未知のグルメだと思われる「たらふく丼」。ゆるキャラの面前で、伊原六花さんが太良町のご当地グルメを食べる展開に。
――「たらふく丼」には、“4つの掟”があるそうだ。
これは「たらふく丼」となる資格を示すルールのようだが、番組では“掟”と紹介されていた。その掟の条々は、以下であるようだ。
①必ず太良町産の豚肉を使うべし
②豚肉以外の素材も太良町産を使うべし
③価格は2000円以内で提供するべし
④年間を通してたらふく丼を提供する
…なお、季節によって具材の変更は可能らしい。
この条件を満たす。言い換えれば掟を守っていると認められることで、レシピは異なるメニューでも「たらふく丼」という名を得るようである。
――「掟(おきて)か…」と、この言葉に反応する私。
おそらくは地元・太良町からの熱い期待の中、全国放送という“御前試合”に挑んだのは3種類の「たらふく丼」。
1本目、豚からあげ丼。見るからに嬉しそうな反応を見せる、伊原さん。
その食べっぷりが良い。このメニューは、豚の角煮を唐揚げとしたようだ。これは柔らかくいただけると思われる。レタスも海苔も良い食材を使う様子だ。

※竹崎城址
――そして、2本目。
次のメニューは、豚タン丼。大きく目を見開く伊原さんの反応が良い。まるで、美食をテーマにした漫画の一場面のようだ。
このメニューを提供しているお店の名に私は引っ掛かったところがある。焼き鳥を扱う店のようだが、「新選組」という名前らしい。
――「新選組」という、店名も気になるが…
テレビでは伊原さんが、3本目のミネラルカツ丼を染み入るような表情で食べ続ける。チーズを含んだミルフィーユ状のカツとは女子ウケ抜群と思われる。
これは良い人選だった。伊原六花さんの食べる姿は、疑いなく「たらふく丼」のレベルの高さを全国に示したと思われる。
――先ほど、私が引っ掛かっていた事から。
急に幕末の話をする。江藤新平が佐賀を脱藩したのは1862年(文久二年)夏。佐賀の前藩主・鍋島直正が京に滞在したのは、その数か月後の冬。
直正はわずかな期間で京を発つ。入れ替わるように京に向かう一団がある。江戸で幕府が集めた、当時は“浪士組”という名称の集団。
様々な思惑が渦巻く京の都。幕府は到着早々に、尊王攘夷の活動に引き込まれそうになった、浪士組を江戸に戻すよう動く。
しかし、ここで江戸に帰っては、当初の将軍警護の目的が果たせないとして、一部の浪士は京に残ったという。

――それが、のちに「新選組」と呼ばれる組織になる。
この新選組のエネルギーの源という話もあるのが、豚肉である。
1863年(文久三年)以降、さらに物騒となっていく京都。やがて身分も経歴も異なる、浪士たちの集団は「新選組」の名を得る。
やがて“掟”を破れば切腹という厳しい規律を定め、倒幕を目指す志士を激しく取締った新選組。幕末史に強い印象を残し、現代でも熱烈なファンは数多い。
新選組は、その屯所では“養豚”に励み、隊士の栄養状態の改善にも努めたらしいのだ。やはり食べる事は、強さの源であると言うことなのだろう。
――“掟”と“養豚”からの連想で…「新選組」の話に。
技術開発や海外展開で、近代化を指向する佐賀藩士とは、ほぼ接点が無さそうな新選組だが、展開の都合で、私も少し描く機会がありそうだ。
当時の日本では、比較的、西洋の文化に親しんでいただろう佐賀藩士たちが、幕末期にどの程度、豚肉を食べていたかは定かではない。
ただ明治期に、江藤新平が洋食好きで、面倒を見ていた書生たちにも肉類を多く振る舞った…話をどこかで聞いたように思う。
なお、太良町は竹崎カニ・カキ、コハダ、柑橘類…と、特産品が多い印象だが、養豚も盛り上げていきたいらしい。
――話を戻す。番組は、ラストのロケ地へ。
太良町が誇る、海中鳥居前。朝の撮影というロケーションが美しい。海に映える鳥居が有名な景色だが、干潮時には歩けるというのも魅力的らしい。

3人目の“案内役”は、これも太良町の特産で、江戸前の寿司ネタとして知られる「コハダ」をPRする立場の女性。
神秘の光景のもと、コハダ料理にも見事な食べっぷりを見せる伊原六花さん。
「人生で一番幸せな朝」というコメントも効いている。20分程度だったが、とても濃く魅力がつまった映像だったと感じる。
――以上、視聴している私の“雑感”まで含めた、感想です。
私は遠方に住むので、佐賀の魅力を見られる番組には、すごく反応しますが、「もう少し平常心で見らんばならん。」とも考えます。
なお、例によって、私のテレビ視聴録には“雑念”が多いです。
同番組について、ちゃんとした情報が見たい方は、以下より参照をいただければ、雰囲気が伝わると思います。
○テレビ朝日『旅サラダPLUS(プラス)』※外部サイト
(佐賀 鹿島市&太良町の特集)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/index.html
(特に「たらふく丼」について)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/chapter04.html
前回、また全国で、佐賀の情報が見られる…という期待から、ご紹介した民放(テレビ朝日系列)の旅番組。
そこで映し出されたのは、想像以上に見栄えのする佐賀県の魅力でした。
ところが私は、たぶん普通のテレビの見方はできておらず、今回も急に幕末期の話が混ざります。以下、いつもの調子で綴ります。
――1月28日(土)に放送された、
テレビ朝日系『朝だ!生です旅サラダ』。概ね、90分近い放送の中で、佐賀県(鹿島市・太良町)が紹介されていたコーナー「ロコレコ」は20分程度。
リポーター・伊原六花さんの明るいキャラクターも相まって、短いながらも佐賀の魅力の一端を感じさせる内容だった。
――冒頭は「九州佐賀国際空港」から。
まず、空港のお土産コーナーをチェックしたらしい伊原六花さん。県内各地の名産品が集う、という「sagair」が映る。
「ワンランク上のお土産屋さん。ここだけで3時間はいられる」という、伊原さんの素晴らしいコメントが炸裂。
「…この女子、ダンスだけではないな。リポーターとしても、見事な腕前だ!」
このリズム感、時々で生じた感情をうまく言葉に乗せている…と私は見た。
――そんな感じで、テレビの前にて視聴を始める。
まずは鹿島市の祐徳稲荷神社で1人目の“案内役”と合流。ここは日本三大稲荷の1つという定番の紹介だ。
案内役は、佐賀の銘酒として知られる「鍋島」を製造している蔵元の四代目にあたる女性で、伊原さんとは同年代。
一瞬、画面に映った「鍋島 三十六萬石」の暖簾(のれん)。こういうところは、見逃さない私である。
…しかし、有明海の伝統漁法“棚じぶ”での釣果は無かった様子だ。
「かき揚げを食べたい」気持ちをダンスで表現した伊原さんだったが、エビが網には見当たらない。欲しがり過ぎてもいけない…これは佐賀の戒めなのか。
――次に「佐賀県で最も南」とナレーションが入り、舞台は太良町へ。
道の駅で2人目の案内役、太良町のご当地キャラ「ガネッタくん」が登場。
番組中では、時折見せる機敏なリアクション。「ゆるい」と思わせつつ、意外な練度の高さをうかがわせる“ゆるキャラ”である。
全国の視聴者にとって、未知のグルメだと思われる「たらふく丼」。ゆるキャラの面前で、伊原六花さんが太良町のご当地グルメを食べる展開に。
――「たらふく丼」には、“4つの掟”があるそうだ。
これは「たらふく丼」となる資格を示すルールのようだが、番組では“掟”と紹介されていた。その掟の条々は、以下であるようだ。
①必ず太良町産の豚肉を使うべし
②豚肉以外の素材も太良町産を使うべし
③価格は2000円以内で提供するべし
④年間を通してたらふく丼を提供する
…なお、季節によって具材の変更は可能らしい。
この条件を満たす。言い換えれば掟を守っていると認められることで、レシピは異なるメニューでも「たらふく丼」という名を得るようである。
――「掟(おきて)か…」と、この言葉に反応する私。
おそらくは地元・太良町からの熱い期待の中、全国放送という“御前試合”に挑んだのは3種類の「たらふく丼」。
1本目、豚からあげ丼。見るからに嬉しそうな反応を見せる、伊原さん。
その食べっぷりが良い。このメニューは、豚の角煮を唐揚げとしたようだ。これは柔らかくいただけると思われる。レタスも海苔も良い食材を使う様子だ。
※竹崎城址
――そして、2本目。
次のメニューは、豚タン丼。大きく目を見開く伊原さんの反応が良い。まるで、美食をテーマにした漫画の一場面のようだ。
このメニューを提供しているお店の名に私は引っ掛かったところがある。焼き鳥を扱う店のようだが、「新選組」という名前らしい。
――「新選組」という、店名も気になるが…
テレビでは伊原さんが、3本目のミネラルカツ丼を染み入るような表情で食べ続ける。チーズを含んだミルフィーユ状のカツとは女子ウケ抜群と思われる。
これは良い人選だった。伊原六花さんの食べる姿は、疑いなく「たらふく丼」のレベルの高さを全国に示したと思われる。
――先ほど、私が引っ掛かっていた事から。
急に幕末の話をする。江藤新平が佐賀を脱藩したのは1862年(文久二年)夏。佐賀の前藩主・鍋島直正が京に滞在したのは、その数か月後の冬。
直正はわずかな期間で京を発つ。入れ替わるように京に向かう一団がある。江戸で幕府が集めた、当時は“浪士組”という名称の集団。
様々な思惑が渦巻く京の都。幕府は到着早々に、尊王攘夷の活動に引き込まれそうになった、浪士組を江戸に戻すよう動く。
しかし、ここで江戸に帰っては、当初の将軍警護の目的が果たせないとして、一部の浪士は京に残ったという。
――それが、のちに「新選組」と呼ばれる組織になる。
この新選組のエネルギーの源という話もあるのが、豚肉である。
1863年(文久三年)以降、さらに物騒となっていく京都。やがて身分も経歴も異なる、浪士たちの集団は「新選組」の名を得る。
やがて“掟”を破れば切腹という厳しい規律を定め、倒幕を目指す志士を激しく取締った新選組。幕末史に強い印象を残し、現代でも熱烈なファンは数多い。
新選組は、その屯所では“養豚”に励み、隊士の栄養状態の改善にも努めたらしいのだ。やはり食べる事は、強さの源であると言うことなのだろう。
――“掟”と“養豚”からの連想で…「新選組」の話に。
技術開発や海外展開で、近代化を指向する佐賀藩士とは、ほぼ接点が無さそうな新選組だが、展開の都合で、私も少し描く機会がありそうだ。
当時の日本では、比較的、西洋の文化に親しんでいただろう佐賀藩士たちが、幕末期にどの程度、豚肉を食べていたかは定かではない。
ただ明治期に、江藤新平が洋食好きで、面倒を見ていた書生たちにも肉類を多く振る舞った…話をどこかで聞いたように思う。
なお、太良町は竹崎カニ・カキ、コハダ、柑橘類…と、特産品が多い印象だが、養豚も盛り上げていきたいらしい。
――話を戻す。番組は、ラストのロケ地へ。
太良町が誇る、海中鳥居前。朝の撮影というロケーションが美しい。海に映える鳥居が有名な景色だが、干潮時には歩けるというのも魅力的らしい。
3人目の“案内役”は、これも太良町の特産で、江戸前の寿司ネタとして知られる「コハダ」をPRする立場の女性。
神秘の光景のもと、コハダ料理にも見事な食べっぷりを見せる伊原六花さん。
「人生で一番幸せな朝」というコメントも効いている。20分程度だったが、とても濃く魅力がつまった映像だったと感じる。
――以上、視聴している私の“雑感”まで含めた、感想です。
私は遠方に住むので、佐賀の魅力を見られる番組には、すごく反応しますが、「もう少し平常心で見らんばならん。」とも考えます。
なお、例によって、私のテレビ視聴録には“雑念”が多いです。
同番組について、ちゃんとした情報が見たい方は、以下より参照をいただければ、雰囲気が伝わると思います。
○テレビ朝日『旅サラダPLUS(プラス)』※外部サイト
(佐賀 鹿島市&太良町の特集)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/index.html
(特に「たらふく丼」について)
https://tsplus.asahi.co.jp/locoreco/saga/chapter04.html
Posted by SR at 22:27 | Comments(0) | メディア・イベント見聞
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