2020年08月05日
「主に有田町民の方を対象にしたつぶやき(前編)」
こんばんは。
第12話の振り返りを兼ねて、今回は有田町について考えてみたいと思います。あわせて語りたい人物も2人いますので、前・後編でお送りします。
――数年前。私が佐賀出身者と知ったときの周囲の反応です。
当時の職場の同僚たちとの会話を想い起こしてみます。
「SRさん。故郷は佐賀なんですね。」
…と、ある同僚の女性。
「…佐賀…、何がありますかね。」
そして、会話に加わったもう1人。
佐賀に対して、何も“イメージ”が浮かばない様子でした。
――ここで、先ほどの同僚女性の表情が、パッと変わります。
「佐賀と言ったら、有田の陶器市がありますよね!」
これは一般的な佐賀への反応としては、かなり好意的なものです。
さすがは“有田”ブランド。
しかし、残念なのは私の反応でした。
「たしかに有田は佐賀ですが、陶磁器には詳しくないんですよね。」
――以前「伊万里市民・有田町民」の皆様へのつぶやきでも触れていますが…
私は陶磁器について、まったく知識が無かったのです。
…こうして私は“佐賀の価値”について、他県の方に語る機会を逸しました。
かつて、佐賀の殿様はこう語ったといいます。
「私の家来は、とにかく学ばねばならんのだ。」と。
――これでは殿に「ボーッと生きていてはならぬ!」と、お叱りを受けます。
次に有田の話題が来たら、今度は不覚を取るつもりはありません。佐賀の魅力として伝えきる所存です。
…というわけで、有田の陶山神社の写真を入手しました。

“陶山神社”は、江戸時代に有田にあった佐賀藩の“有田皿山”の代官所が建立したそうです。
この“代官所”に縁のある人物が、第12話で初登場した、久米丈一郎(邦武)。
“義祭同盟”について語り合える同年代の友達を探していた、大隈八太郎(重信)。その眼前に現れた、賢そうな子が久米丈一郎(邦武)…という場面設定にしました。〔参照:第12話「海軍伝習」⑦(有田の“坊ちゃん”)〕
――この久米丈一郎(邦武)は、日本の近代歴史学の扉を開く人物。
久米の父・邦郷は、有田皿山の代官を務める、有能な実務家。
そのご子息なので、本編では“有田の坊ちゃん”というサブタイトルを付けました。
伝統的な“儒学”などを「面白くない」として嫌う大隈八太郎(重信)。しかし、新しくできた友達の久米丈一郎(邦武)は古典に学ぶことが大好きです。
この2人、高校生くらいで出会ったといい、老人になっても友達だったのですが、何やら最初の方向性はズレています…そのくらいが長く友達でいるためには良いのかもしれません。
――久米の父・邦郷は、佐賀藩の近代産業に貢献したエリートだったようです。やはり経済感覚に優れます。
「儒学などの古い本はつまらん」という考え方の父・邦郷。
これに反発した久米丈一郎(邦武)は、藩校「弘道館」で書物を読みまくります。
のちの明治の世。学識のある久米は、西洋に渡る“使節団”には書記官として同行しました。久米が作成した報告書「米欧回覧実記」は、まるで西洋近代文明の百科事典と言われます。
――久米邦武は「私が注意深く資料を扱うのは、実務家の父親譲りだった…」という回想をしたそうです。
父親として“しっかり生きてきたか”。その真価が問われるのは、子どもが歳を経てから…なのかもしれません。
第12話の振り返りを兼ねて、今回は有田町について考えてみたいと思います。あわせて語りたい人物も2人いますので、前・後編でお送りします。
――数年前。私が佐賀出身者と知ったときの周囲の反応です。
当時の職場の同僚たちとの会話を想い起こしてみます。
「SRさん。故郷は佐賀なんですね。」
…と、ある同僚の女性。
「…佐賀…、何がありますかね。」
そして、会話に加わったもう1人。
佐賀に対して、何も“イメージ”が浮かばない様子でした。
――ここで、先ほどの同僚女性の表情が、パッと変わります。
「佐賀と言ったら、有田の陶器市がありますよね!」
これは一般的な佐賀への反応としては、かなり好意的なものです。
さすがは“有田”ブランド。
しかし、残念なのは私の反応でした。
「たしかに有田は佐賀ですが、陶磁器には詳しくないんですよね。」
――以前「伊万里市民・有田町民」の皆様へのつぶやきでも触れていますが…
私は陶磁器について、まったく知識が無かったのです。
…こうして私は“佐賀の価値”について、他県の方に語る機会を逸しました。
かつて、佐賀の殿様はこう語ったといいます。
「私の家来は、とにかく学ばねばならんのだ。」と。
――これでは殿に「ボーッと生きていてはならぬ!」と、お叱りを受けます。
次に有田の話題が来たら、今度は不覚を取るつもりはありません。佐賀の魅力として伝えきる所存です。
…というわけで、有田の陶山神社の写真を入手しました。
“陶山神社”は、江戸時代に有田にあった佐賀藩の“有田皿山”の代官所が建立したそうです。
この“代官所”に縁のある人物が、第12話で初登場した、久米丈一郎(邦武)。
“義祭同盟”について語り合える同年代の友達を探していた、大隈八太郎(重信)。その眼前に現れた、賢そうな子が久米丈一郎(邦武)…という場面設定にしました。〔参照:
――この久米丈一郎(邦武)は、日本の近代歴史学の扉を開く人物。
久米の父・邦郷は、有田皿山の代官を務める、有能な実務家。
そのご子息なので、本編では“有田の坊ちゃん”というサブタイトルを付けました。
伝統的な“儒学”などを「面白くない」として嫌う大隈八太郎(重信)。しかし、新しくできた友達の久米丈一郎(邦武)は古典に学ぶことが大好きです。
この2人、高校生くらいで出会ったといい、老人になっても友達だったのですが、何やら最初の方向性はズレています…そのくらいが長く友達でいるためには良いのかもしれません。
――久米の父・邦郷は、佐賀藩の近代産業に貢献したエリートだったようです。やはり経済感覚に優れます。
「儒学などの古い本はつまらん」という考え方の父・邦郷。
これに反発した久米丈一郎(邦武)は、藩校「弘道館」で書物を読みまくります。
のちの明治の世。学識のある久米は、西洋に渡る“使節団”には書記官として同行しました。久米が作成した報告書「米欧回覧実記」は、まるで西洋近代文明の百科事典と言われます。
――久米邦武は「私が注意深く資料を扱うのは、実務家の父親譲りだった…」という回想をしたそうです。
父親として“しっかり生きてきたか”。その真価が問われるのは、子どもが歳を経てから…なのかもしれません。