2021年10月25日
「その青天に“救い”は見えるか」
こんばんは。
日曜夜の『青天を衝け』(32)。気にしていた“佐賀の乱”は地図上での表示で、一瞬で終了しました。さて、この描き方に“救い”はあったのでしょうか。
今回は、いろいろと推論を語ります。実は“的外れ”な読みだった…という可能性も高いので、ご留意のうえお読みください。
――感想を兼ねて、検証を試みます。
まず、この話の冒頭から。放送開始から2分ばかりのオープニング前。
大隈重信〔演:大倉孝二〕のもとに、井上馨〔演:福士誠治〕が現れます。
「司法省と文部省が予算を使いすぎている」と立腹しています。
井上は予算の件で、たびたび各省と激突。“カミナリ”と異名をとったようです。
――この怒りを受けて、大隈重信の対応は…
「“開化”のための費用はやむを得んばい」という反応。佐賀藩出身者らしい発想なのかもしれません。
…たしかに「民のため」と言葉を重ねても、不正を訴えるための司法もなく、身を立てるための教育も無いでは…民とは“勝ち組”だけを意味することになりそう。
ここで大隈の回答に、井上は激怒。机上の書類をぶちまけて政府を去ることに。

――ちなみに、井上が目の敵にした2つの省庁。
司法省は江藤新平、文部省は大木喬任と佐賀藩士がトップを務めた経過が。
“近代国家”についての考え方の相違。もし、これを前提に脚本が書かれたとすると、これも“権力闘争”という表現なのかもしれません。
――そして、新聞で政府の“機密”を暴露。
井上と共に政府を去った、渋沢栄一〔演:吉沢亮〕と連名での新聞掲載でした。少し後(18分頃)ですが、三菱の岩崎弥太郎〔演:中村芝翫〕がコメントします。
今まで居た場所を去るやいなや、急に批判に回って「立つ鳥跡を濁しまくり」だと。岩崎の“悪役感”際立つ描き方でしたが、何とも意味深なセリフではありました。
当時の井上には鉱山の“私物化”疑惑がありました。前回の放送では、江藤が「不当な権力ば用い、私腹ば肥やしとぉもんが見らるっ」と言葉を発しています。
〔参照(後半):「あえて“欠点”を述べる男」〕

――先ほどの新聞記事を受けて、
放送開始8分頃。画面には、江藤新平〔演:増田修一郎〕が登場。今年の大河では「大蔵省との対立」が繰り返し描かれ、大隈重信とも不仲のイメージでした。
今度は大隈と2人で一緒に怒っています。ここで江藤が問題視しているのは、井上や渋沢が「政府の機密を保持しなかったこと」のようです。
『青天を衝け』の江藤は、大蔵省の専横だけは許さない、官僚としてのルールを大事にする人として描かれたという印象。
たぶん大隈が怒ったのは、井上らが政府の運営を妨害したこと…でしょうか。

――ここで、私が目にした“救い”について語ります。
第32回で話が“佐賀の乱”まで進んでしまったので、『青天を衝け』の物語ではラストの共演となるだろう江藤と大隈。
政府を辞めた人間からの無責任な批判に一緒に憤って、「新聞を叩き付けたり、折り曲げて怒りを表現する」たしかに、カッコ良い場面ではないかもしれない。
でも、私は思うのです。これから、別れの時を迎える同郷・佐賀の先輩と後輩。その2人が同じ事で怒る…最後に、そんなシーンがあって良かったと。
日曜夜の『青天を衝け』(32)。気にしていた“佐賀の乱”は地図上での表示で、一瞬で終了しました。さて、この描き方に“救い”はあったのでしょうか。
今回は、いろいろと推論を語ります。実は“的外れ”な読みだった…という可能性も高いので、ご留意のうえお読みください。
――感想を兼ねて、検証を試みます。
まず、この話の冒頭から。放送開始から2分ばかりのオープニング前。
大隈重信〔演:大倉孝二〕のもとに、井上馨〔演:福士誠治〕が現れます。
「司法省と文部省が予算を使いすぎている」と立腹しています。
井上は予算の件で、たびたび各省と激突。“カミナリ”と異名をとったようです。
――この怒りを受けて、大隈重信の対応は…
「“開化”のための費用はやむを得んばい」という反応。佐賀藩出身者らしい発想なのかもしれません。
…たしかに「民のため」と言葉を重ねても、不正を訴えるための司法もなく、身を立てるための教育も無いでは…民とは“勝ち組”だけを意味することになりそう。
ここで大隈の回答に、井上は激怒。机上の書類をぶちまけて政府を去ることに。
――ちなみに、井上が目の敵にした2つの省庁。
司法省は江藤新平、文部省は大木喬任と佐賀藩士がトップを務めた経過が。
“近代国家”についての考え方の相違。もし、これを前提に脚本が書かれたとすると、これも“権力闘争”という表現なのかもしれません。
――そして、新聞で政府の“機密”を暴露。
井上と共に政府を去った、渋沢栄一〔演:吉沢亮〕と連名での新聞掲載でした。少し後(18分頃)ですが、三菱の岩崎弥太郎〔演:中村芝翫〕がコメントします。
今まで居た場所を去るやいなや、急に批判に回って「立つ鳥跡を濁しまくり」だと。岩崎の“悪役感”際立つ描き方でしたが、何とも意味深なセリフではありました。
当時の井上には鉱山の“私物化”疑惑がありました。前回の放送では、江藤が「不当な権力ば用い、私腹ば肥やしとぉもんが見らるっ」と言葉を発しています。
〔参照(後半):

――先ほどの新聞記事を受けて、
放送開始8分頃。画面には、江藤新平〔演:増田修一郎〕が登場。今年の大河では「大蔵省との対立」が繰り返し描かれ、大隈重信とも不仲のイメージでした。
今度は大隈と2人で一緒に怒っています。ここで江藤が問題視しているのは、井上や渋沢が「政府の機密を保持しなかったこと」のようです。
『青天を衝け』の江藤は、大蔵省の専横だけは許さない、官僚としてのルールを大事にする人として描かれたという印象。
たぶん大隈が怒ったのは、井上らが政府の運営を妨害したこと…でしょうか。

――ここで、私が目にした“救い”について語ります。
第32回で話が“佐賀の乱”まで進んでしまったので、『青天を衝け』の物語ではラストの共演となるだろう江藤と大隈。
政府を辞めた人間からの無責任な批判に一緒に憤って、「新聞を叩き付けたり、折り曲げて怒りを表現する」たしかに、カッコ良い場面ではないかもしれない。
でも、私は思うのです。これから、別れの時を迎える同郷・佐賀の先輩と後輩。その2人が同じ事で怒る…最後に、そんなシーンがあって良かったと。
Posted by SR at 22:41 | Comments(0) | 「大河ドラマ」関連
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