2021年10月21日
「あえて“欠点”を述べる男」
こんばんは。
時に「耳が痛いことをあえて言ってくれる人」も必要とは、よく聞きます。一方で、ダメ出しばかりだと関係が修復できなくなる場合も。褒めることも重要でしょう。
日曜に放送された大河ドラマにも、色々と考えさせられる話があったな…というわけで、『青天を衝け』(31)の感想その2です。
――「司法卿 江藤新平」が登場した次の場面。
放送開始から15分ほど経過。たびたび舞台となる「築地 大隈邸」。大隈重信〔演:大倉孝二〕の妻・綾子〔演:朝倉あき〕が取り出す手紙。
差出人は、五代友厚〔演:ディーン・フジオカ〕。少し遡ると、薩摩藩士としてヨーロッパに渡り、知り合ったモンブラン伯爵と策謀を巡らせる姿が印象的でした。
結果、パリ万博では五代と手を組んだモンブラン伯爵が暗躍。幕末の動乱期に、薩摩藩が幕府側を出し抜き、外交面で優位に立つことに。
〔参照(前半):「世界を廻る者たち(①海外編)」〕
――「これは“黒い”モンブランだ…。」
策略家・モンブラン伯爵。これも見ていて「ある意味、“ブラック モンブラン” ?」とか思ったところ。ちなみに、漢字で名乗るときは、“白山”伯爵だったそう。
これも何となく佐賀市の中心街を思わせますが“連想ゲーム”の域を出ません。
こうして、細かく佐賀に話を寄せるものの、やはりパリ万博の舞台で佐野常民ら佐賀の者の姿が見えなかった事が、ダメージ(!)として残っています。
〔参照:「パリ万博を、どう描くか?」〕

さて、ヨーロッパで「幕府は、日本に多数ある政府(藩)の1つ…」と新聞報道が出たことで、フランスは幕府への出資(借款)を渋ります。
薩長に対して形勢を逆転しつつあった、幕府には大きい誤算だった出来事です。
渋沢栄一〔演:吉沢亮〕は、五代友厚と再会した際「貴方のせいで…」と怒りをあらわにした場面もあったと思います。
――そんな“凄腕”の五代友厚が…
「これまでの恩に報いるため…」と、大隈重信に苦言を呈する手紙を送ります。「あえて、閣下(大隈)の欠点を述べるのでお許しを」の一言から。
ここからディーン・フジオカさんが演じる、五代が手紙を書く姿が画面に大写しに。わりと唐突な展開だったので、何かの“伏線”なのかな?と感じました。
――なぜか“雷鳴”が響く中で、大隈へのメッセージ。
「一つ 人の話に我慢して耳を傾けよ」
「一つ 己の主張のみならず 他人の意見を褒めよ」
「大声でどなるな せっかちは厳禁」
「嫌いな人とも きちんとつきあえ…」
ここで五代は『青天を衝け』では、たぶん抑え気味に描かれている、当時の大隈に語られた“欠点”の指摘を畳みかけます。
〔参照(前半):「夜明けを目指して」〕

――かなり面白い場面ですが、やはり何かの暗示?
そして放送開始から35分頃。岩倉使節団メンバー不在の“留守政府”の会議。画面も少し暗かったので、きっと見落とした方もいるはず。
「おいの調べでは、今や官の中にも、不当な権力ば用い、私腹ば肥やしとぉ者(もん)が見らるっ」
…というセリフが。発言者は江藤新平〔演:増田修一郎〕。しかし、『青天を衝け』では、“不正の追及”より「大蔵省との対立」に力点を置く展開のようです。
――ここで「カーッ!せからしか!」との言葉が。
大隈重信が「同じ議論の繰り返し」と声を上げ、やや短気を起こしている印象。
ここからの展開を見過ごした方は、土曜の再放送などで補足していただくことを期待します。同郷の先輩・江藤新平と言い争う、大隈重信の声が続くのです。
「…だけん、あんたは嫌わるっとばい!」
これは“佐賀の者”として、すごく悲しいセリフに感じました。ここで大隈の言動を、先ほどの五代からの忠告と見比べてみてください。
――晩年、自身の人生を「失敗の連続」と振り返った…という大隈。
「もう少し人の話に耳を傾けておけば…」など心残りがあったのかもしれません。
次回から渋沢と“対立モード”に入りそうな気配の大隈重信。こちらも、しっかり追っていきたいと思います。
時に「耳が痛いことをあえて言ってくれる人」も必要とは、よく聞きます。一方で、ダメ出しばかりだと関係が修復できなくなる場合も。褒めることも重要でしょう。
日曜に放送された大河ドラマにも、色々と考えさせられる話があったな…というわけで、『青天を衝け』(31)の感想その2です。
――「司法卿 江藤新平」が登場した次の場面。
放送開始から15分ほど経過。たびたび舞台となる「築地 大隈邸」。大隈重信〔演:大倉孝二〕の妻・綾子〔演:朝倉あき〕が取り出す手紙。
差出人は、五代友厚〔演:ディーン・フジオカ〕。少し遡ると、薩摩藩士としてヨーロッパに渡り、知り合ったモンブラン伯爵と策謀を巡らせる姿が印象的でした。
結果、パリ万博では五代と手を組んだモンブラン伯爵が暗躍。幕末の動乱期に、薩摩藩が幕府側を出し抜き、外交面で優位に立つことに。
〔参照(前半):
――「これは“黒い”モンブランだ…。」
策略家・モンブラン伯爵。これも見ていて「ある意味、“ブラック モンブラン” ?」とか思ったところ。ちなみに、漢字で名乗るときは、“白山”伯爵だったそう。
これも何となく佐賀市の中心街を思わせますが“連想ゲーム”の域を出ません。
こうして、細かく佐賀に話を寄せるものの、やはりパリ万博の舞台で佐野常民ら佐賀の者の姿が見えなかった事が、ダメージ(!)として残っています。
〔参照:
さて、ヨーロッパで「幕府は、日本に多数ある政府(藩)の1つ…」と新聞報道が出たことで、フランスは幕府への出資(借款)を渋ります。
薩長に対して形勢を逆転しつつあった、幕府には大きい誤算だった出来事です。
渋沢栄一〔演:吉沢亮〕は、五代友厚と再会した際「貴方のせいで…」と怒りをあらわにした場面もあったと思います。
――そんな“凄腕”の五代友厚が…
「これまでの恩に報いるため…」と、大隈重信に苦言を呈する手紙を送ります。「あえて、閣下(大隈)の欠点を述べるのでお許しを」の一言から。
ここからディーン・フジオカさんが演じる、五代が手紙を書く姿が画面に大写しに。わりと唐突な展開だったので、何かの“伏線”なのかな?と感じました。
――なぜか“雷鳴”が響く中で、大隈へのメッセージ。
「一つ 人の話に我慢して耳を傾けよ」
「一つ 己の主張のみならず 他人の意見を褒めよ」
「大声でどなるな せっかちは厳禁」
「嫌いな人とも きちんとつきあえ…」
ここで五代は『青天を衝け』では、たぶん抑え気味に描かれている、当時の大隈に語られた“欠点”の指摘を畳みかけます。
〔参照(前半):
――かなり面白い場面ですが、やはり何かの暗示?
そして放送開始から35分頃。岩倉使節団メンバー不在の“留守政府”の会議。画面も少し暗かったので、きっと見落とした方もいるはず。
「おいの調べでは、今や官の中にも、不当な権力ば用い、私腹ば肥やしとぉ者(もん)が見らるっ」
…というセリフが。発言者は江藤新平〔演:増田修一郎〕。しかし、『青天を衝け』では、“不正の追及”より「大蔵省との対立」に力点を置く展開のようです。
――ここで「カーッ!せからしか!」との言葉が。
大隈重信が「同じ議論の繰り返し」と声を上げ、やや短気を起こしている印象。
ここからの展開を見過ごした方は、土曜の再放送などで補足していただくことを期待します。同郷の先輩・江藤新平と言い争う、大隈重信の声が続くのです。
「…だけん、あんたは嫌わるっとばい!」
これは“佐賀の者”として、すごく悲しいセリフに感じました。ここで大隈の言動を、先ほどの五代からの忠告と見比べてみてください。
――晩年、自身の人生を「失敗の連続」と振り返った…という大隈。
「もう少し人の話に耳を傾けておけば…」など心残りがあったのかもしれません。
次回から渋沢と“対立モード”に入りそうな気配の大隈重信。こちらも、しっかり追っていきたいと思います。
Posted by SR at 22:17 | Comments(0) | 「大河ドラマ」関連
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