2021年08月17日

「励まし方も、人による(第16話・場面解説①)」

こんばんは。
私は通勤時間を、よく幕末佐賀藩に関連した調べ物に充てますが、ここ2日間ばかりは、ぼんやりとしていました。記録的な豪雨ののちも、九州に降り続く

「…止まない雨は無い。明けない夜も無い。」
たしかにそうなのですが、気掛かりは続きます。何か救いはないものか。

佐賀がピンチに陥っている今でも、私は答え佐賀に求めることになります。


――そんな今日は、苦境にある人への“励まし方”の視点から考えました。

まず、“本編”の第16話「攘夷沸騰」の2回目初登場。江戸時代、佐賀の支藩の1つだった小城の上級武士・富岡敬明。本日の「励まされる人」です。
〔参照:第16話「攘夷沸騰」②(小城の秘剣)

本編に”前振り”もなく登場したので「だったかね?」と思った方もいるでしょう。実は、私も佐賀の歴史について、調べ始めるまでは知らなかった方です。

のちに活躍する山梨県熊本県内の方が知名度は高いかもしれません。まず、江藤新平との“関係性”を表現したくて、道場で打ち合う場面から始めました。

「励まし方も、人による(第16話・場面解説①)」

――剣術道場で、ぶつかり合う2人ですが…

江藤が、この富岡という人物を評価しているのは伝わったでしょうか。詳しくは“本編”で描く予定なのですが、この2人の“関係性”を一言でいえば…

施(ほどこ)されたら、施し返す…、恩返しです!」という関係に思えるのです。

少し前のテレビドラマ『半沢直樹』で聞いたフレーズ。つい、香川照之さんの表情が浮かんでしまうのですが、ここは“言葉”だけを見てください。
〔参照:「“半沢直樹”の変わった見方」


――第18話「京都見聞」辺りで描きたいのが…

富岡が、窮地に陥った江藤に手を差し伸べる場面。おそらく江藤は、これに恩義を感じます。

それから2年ほどが経過し、小城藩内で起きた“ある事件”に関わって首謀者とされた富岡敬明。現在でいうと伊万里市の一部に、当時の小城藩飛び地があるのですが、そこに幽閉されます。


――やや出典が不確かな話も混ざっていますが…

助命を求める声は多かったのですが、富岡が処刑を免れたのは、その当時は、ご隠居(前藩主)になっていた鍋島直正の“鶴の一声”が要因だったそう。

こうして富岡は、小城藩領だったという伊万里久原に留め置かれます。ある日、そこに現れたのが、江藤新平だったそうです。

江藤は、佐賀藩貿易の仕事にも就いていましたし、陶磁器の積出港・伊万里近辺にも土地勘があったのかもしれません。

そこに居たのは、もはや“自由の身”ではない富岡。そこで江藤が“恩人”に対して取った行動は…

「励まし方も、人による(第16話・場面解説①)」

――突如として、“剣舞”を始める、江藤

その時の江藤に出来ることは、道場の“先輩”だった富岡に会いに行って、直接励ますことだったのでしょうか。

囚われの身である“恩人”を励ますために、一心不乱舞う江藤新平
「そういう一面もあったのか…」という気もしますが、ぜひ、描きたい場面です。


――のちに富岡敬明は、赦免(しゃめん)されることに。

ここには、江藤だけでなく島義勇らの嘆願もあったそうです。

そして、明治の新時代には、“伊万里県”から山梨県熊本県の発展のために力を尽くし富岡の手腕で拓いた“功績”は、現在も各地に残ります。

小城出身の偉人。富岡敬明さま。「知ってましたよ」という方はともかく、以前の私のようにご存じでなかった方。

第2部重要人物なのですが、“本編”での登場の頻度は未知数です。また次の機会まで、記憶に留めていただけると幸いです。









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Posted by SR at 23:22 | Comments(0) | 企画案・雑記帳
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