2021年06月04日

「新キャストを考える①」(“明治の父”の1人)

こんばんは。

5月27日に発表された、大河ドラマ『青天を衝け』の新キャスト。非常に個性的な3人の役者さんで、気になる人物が配役されています。


――さて、1人目の新キャスト。

江戸幕府・勘定奉行の小栗忠順(おぐり ただまさ)。「上野介(こうずけのすけ)」の名でも知られます。

演じるのはNHKでは『みんなで筋肉体操』でお馴染みの武田真治さん。

小栗さまは、1860(万延元)年。幕府使節団としてアメリカに渡った方。海外で造船所など進んだ近代産業を目にして、世界一周のうえで帰国します。


――私が見たい「幕末佐賀藩の大河ドラマ」“本編”では…

第14話「遣米使節」で、この1860年使節団を題材にしました。
〔参照(後半):第14話「遣米使節」⑬(アメリカに行きたいか!)

使節団に同行した小出千之助川崎道民など佐賀藩士の視点で書きますので、幕府の“目付”である小栗さまの活躍は、まだ描けていなかったと思います。

ちなみに第16話「攘夷沸騰」では、外国奉行の立場で登場予定にしています。

「新キャストを考える①」(“明治の父”の1人)

――“開国”の当時から、問題になっていた…

日本外国との金銀交換比率の差で、国内から大量の金が流出しました。小栗アメリカで“近代”に驚く一方で、通貨外交交渉も行ったそうです。

アメリカへの出発時点、幕府の大老は井伊直弼小栗忠順の優秀さを知って、使節団に抜擢を判断します。

桜田門外の変”を描くとき、命を落とすことを悟った井伊さまが「世界を廻って来た者」を想う場面を表現しました。
〔参照(終盤):第15話「江戸動乱」⑮(雪の舞う三月)


――この時、井伊が期待をした人物…

近代化”に突き進む佐賀への期待を感じさせつつも、やはり直接的には「幕府側近代化を進める小栗忠順」が念頭にあるだろう…という感覚で書きました。

実際、小栗帰国してから凄い活躍を見せてます。

幕府財政再建と紙幣発行、洋式軍制の整備、製鉄所造船所の建設。“総合商社”(兵庫商社)も計画し、その実現は“三井”に引き継がれたようです。

ちなみに『青天を衝け』で井伊直弼を演じた岸谷五朗さんが、主役・小栗忠順を演じたドラマがあったとか…見たかった。

「新キャストを考える①」(“明治の父”の1人)

――そして、あの方も小栗さまを大絶賛。

明治近代化は、ほとんど小栗忠順模倣に過ぎない」と。大隈重信は、そこまで評価したようです。

たしかに小栗幕府で行った功績は、明治新時代に引き継がれています。『青天を衝け』でも、渋沢栄一に大きい影響を与える役回りだとか。


――戊辰戦争の際、小栗忠順は新政府軍との対決を主張。

小栗には勝算がありました。敵の退路を完全に断ち、袋叩きにできる作戦が。しかし、幕府は戦闘を回避。小栗の意見は通りませんでした。

新政府軍の参謀たちは、小栗が立案していた作戦を知った時「この作戦を実行されたら、命が無かった…」と肝を冷やしたようです。

あまりの切れ者で恐れられたのか、小栗罪状が不明瞭なまま処刑されます。


――先ほど、チラッと登場した大隈重信

小栗忠順を絶賛する大隈。実は小栗の娘を、明治期に大隈家が保護します。これは大隈の妻・綾子が、小栗の親戚筋(いとこ)だったためだそうです。

最期まで幕府を裏切らず、忠誠を尽くして近代化に当たった小栗忠順

筋肉は裏切らない…」が決めゼリフの番組の主役・武田真治さんが、どんな演技を見せてくれるか楽しみです。









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