2021年06月02日
「二つの感想」
こんばんは。
大河ドラマ『青天を衝け』。日曜の放送(第16回「恩人暗殺」)が凄かったので、感想を書いてみます。主な舞台は、とても危険だった1864年頃の京都でした。
ここで私は二つの立場を持つ者。普通の「大河ドラマ」の視聴者であると同時に、近いうちに「佐賀の“大河ドラマ”を見たい人」でもあります。
ちなみに主人公・渋沢栄一〔演:吉沢亮〕は現在の劇中では“篤太夫”の名で登場しますが、文章中では“栄一”で通します。また、配役のお名前は敬称略です。

※幕末の舞台:京都(三条大橋)
〇普通の「大河ドラマ」視聴者としての感想。
脚本の大森美香さん、朝の連続テレビ小説『あさが来た』での評判は聞いていました。やはり女性の描き方が違う…と感じる回でした。まずは、子を想う母の姿。
地元の岡部藩陣屋に呼び出された長兄・尾高惇忠〔演:田辺誠一〕の身を案じ、祈り続ける母・尾高やへ〔演:手塚理美〕。
取り調べの手は、まだ若い末弟・平九郎〔演:岡田健史〕にまで及び、母・やへと、姉(渋沢栄一の妻)・千代〔演:橋本愛〕の前で、役人に連行されていきます。
――“我が子”が、次々と連れ去られる母の苦しみ。
次兄・長七郎〔演:満島真之介〕も、人を斬った咎(とが)で牢に入ったまま。
一体、なぜこのような事に。部屋を見渡すと、子供たちが感化された水戸藩の“尊王攘夷”を示す書画の数々。
母は手を伸ばし、我が子の心を奪った「“尊攘”の思想」を「“水戸烈公”の姿絵」を手当たり次第に破り捨てます。
「水戸が、憎い…憎いよ。」
この言葉を発する、母・やへの目に、深い悲しみと“狂気”すら感じます。
――この場面には、圧倒されました。
おそらく脚本と役者。双方の力量なのでしょう。この“母の愛”の表現。志士たちを演じる役者を超える熱量まで感じました。
…ひとまず末弟・平九郎は“手鎖”をはめられるものの帰宅となります。
ここで、栄一の妹・渋沢てい〔演:藤野涼子〕が様子見に来る姿が描かれます。なかなか良い感じの“恋人未満”な雰囲気。
まぁ、凄まじい回でしたから、ホッと出来たのは、ここぐらいでした…

※幕末の舞台:京都(三条小橋・“池田屋”付近)
〇「佐賀の大河ドラマ」を見たい人としての感想。
ここからは、普通じゃない私の「大河ドラマ」の見方をお伝えします。
常々、私なりに「幕末佐賀藩の大河ドラマ」の配役を考えています。ちなみに、何のコネクションもありませんので、ただの“空想”とお考えください。
第16回はそのタイトルが示すように、この話は渋沢栄一の恩人・平岡円四郎〔演:堤真一〕の悲劇を描きます。
――以前から、当ブログをご覧の方は…
私が“堤真一さん”に向けている視線に、お気づきではないでしょうか。
〔参照(後半③):「“青天”に呟く…」〕
しかし、私は劇中の「鋭い目の水戸藩の刺客」とはまったく違います。刃傷沙汰とはかなり遠めの佐賀藩士(?)なので。むしろ熱い期待が込められています。
皆様にも「佐賀の大河ドラマ」が実現した時の、配役のイメージを持っている方がいるかもしれません。少し感想から離れて、現時点の私の“空想”を語ります。
私が“大河”で見たい殿・鍋島直正公は、当然、“主役”クラス。演じるのに適した役者さんは限られます。『青天を衝け』で見た堤さんは、まさに主役の器でした。
――私が考える、佐賀の殿・直正公を演じてほしい方。
・明朗さと神経質の、二面性を表現できる
・槍でも振り回せるアクションへの適応力
・経営者や、管理職を演じて魅力的な人物
愛娘との手紙のやり取りで嬉々とする可愛らしい父親かと思えば、蒸気軍艦で海を駆けて“肥前の妖怪”と恐れられるわけですから、並大抵ではありません。
――そして、極めつけの希望が…
「“痔”(じ)でござってな。」
このセリフをカッコ良く決められること。堤真一さんならば可能だと思います。
幕末期。佐賀の殿様・鍋島直正公は何度も、幕閣から呼び出しを受けます。
しかし、ある時は長崎警備を、ある時は“健康上の理由”で動こうとはしません。
“幕末最強”との評価もある佐賀藩が動く時、“力の均衡”は崩れ去るのです。
――「この国を…、何より家来や領民たちを守りたい。」
佐賀の殿様が見ていたのは、日本の国内だけではありません。隙を見せれば、列強各国に介入される…これも幕末です。
先ほどのセリフ。“健康上の理由”で幕府の出頭要請を断った言葉だそうです。しかし、私は「何とか国内の騒乱を避けねば」という殿の深い愛を読むのです。
…純粋な『青天を衝け』ファンの方々、話が横道に逸れて申し訳ございません。私はいまの「大河ドラマ」を見つめても、“佐賀”への目線を忘れないのです。
――そして、ドラマ終盤で描かれる、平岡円四郎の最期。
平岡円四郎〔演:堤真一〕と、妻・やす〔演:木村佳乃〕との距離を隔てた別れ。
「おかしろくもねぇときは、掛け軸の小鳥にでも話しかけろ…ってな。」
渋沢栄一〔演:吉沢亮〕に託していた、こんな言葉が涙を誘います。
…非常に雑念が多くて頭の忙しい視聴ですが、今回も見応え充分でした!
大河ドラマ『青天を衝け』。日曜の放送(第16回「恩人暗殺」)が凄かったので、感想を書いてみます。主な舞台は、とても危険だった1864年頃の京都でした。
ここで私は二つの立場を持つ者。普通の「大河ドラマ」の視聴者であると同時に、近いうちに「佐賀の“大河ドラマ”を見たい人」でもあります。
ちなみに主人公・渋沢栄一〔演:吉沢亮〕は現在の劇中では“篤太夫”の名で登場しますが、文章中では“栄一”で通します。また、配役のお名前は敬称略です。
※幕末の舞台:京都(三条大橋)
〇普通の「大河ドラマ」視聴者としての感想。
脚本の大森美香さん、朝の連続テレビ小説『あさが来た』での評判は聞いていました。やはり女性の描き方が違う…と感じる回でした。まずは、子を想う母の姿。
地元の岡部藩陣屋に呼び出された長兄・尾高惇忠〔演:田辺誠一〕の身を案じ、祈り続ける母・尾高やへ〔演:手塚理美〕。
取り調べの手は、まだ若い末弟・平九郎〔演:岡田健史〕にまで及び、母・やへと、姉(渋沢栄一の妻)・千代〔演:橋本愛〕の前で、役人に連行されていきます。
――“我が子”が、次々と連れ去られる母の苦しみ。
次兄・長七郎〔演:満島真之介〕も、人を斬った咎(とが)で牢に入ったまま。
一体、なぜこのような事に。部屋を見渡すと、子供たちが感化された水戸藩の“尊王攘夷”を示す書画の数々。
母は手を伸ばし、我が子の心を奪った「“尊攘”の思想」を「“水戸烈公”の姿絵」を手当たり次第に破り捨てます。
「水戸が、憎い…憎いよ。」
この言葉を発する、母・やへの目に、深い悲しみと“狂気”すら感じます。
――この場面には、圧倒されました。
おそらく脚本と役者。双方の力量なのでしょう。この“母の愛”の表現。志士たちを演じる役者を超える熱量まで感じました。
…ひとまず末弟・平九郎は“手鎖”をはめられるものの帰宅となります。
ここで、栄一の妹・渋沢てい〔演:藤野涼子〕が様子見に来る姿が描かれます。なかなか良い感じの“恋人未満”な雰囲気。
まぁ、凄まじい回でしたから、ホッと出来たのは、ここぐらいでした…
※幕末の舞台:京都(三条小橋・“池田屋”付近)
〇「佐賀の大河ドラマ」を見たい人としての感想。
ここからは、普通じゃない私の「大河ドラマ」の見方をお伝えします。
常々、私なりに「幕末佐賀藩の大河ドラマ」の配役を考えています。ちなみに、何のコネクションもありませんので、ただの“空想”とお考えください。
第16回はそのタイトルが示すように、この話は渋沢栄一の恩人・平岡円四郎〔演:堤真一〕の悲劇を描きます。
――以前から、当ブログをご覧の方は…
私が“堤真一さん”に向けている視線に、お気づきではないでしょうか。
〔参照(後半③):
しかし、私は劇中の「鋭い目の水戸藩の刺客」とはまったく違います。刃傷沙汰とはかなり遠めの佐賀藩士(?)なので。むしろ熱い期待が込められています。
皆様にも「佐賀の大河ドラマ」が実現した時の、配役のイメージを持っている方がいるかもしれません。少し感想から離れて、現時点の私の“空想”を語ります。
私が“大河”で見たい殿・鍋島直正公は、当然、“主役”クラス。演じるのに適した役者さんは限られます。『青天を衝け』で見た堤さんは、まさに主役の器でした。
――私が考える、佐賀の殿・直正公を演じてほしい方。
・明朗さと神経質の、二面性を表現できる
・槍でも振り回せるアクションへの適応力
・経営者や、管理職を演じて魅力的な人物
愛娘との手紙のやり取りで嬉々とする可愛らしい父親かと思えば、蒸気軍艦で海を駆けて“肥前の妖怪”と恐れられるわけですから、並大抵ではありません。
――そして、極めつけの希望が…
「“痔”(じ)でござってな。」
このセリフをカッコ良く決められること。堤真一さんならば可能だと思います。
幕末期。佐賀の殿様・鍋島直正公は何度も、幕閣から呼び出しを受けます。
しかし、ある時は長崎警備を、ある時は“健康上の理由”で動こうとはしません。
“幕末最強”との評価もある佐賀藩が動く時、“力の均衡”は崩れ去るのです。
――「この国を…、何より家来や領民たちを守りたい。」
佐賀の殿様が見ていたのは、日本の国内だけではありません。隙を見せれば、列強各国に介入される…これも幕末です。
先ほどのセリフ。“健康上の理由”で幕府の出頭要請を断った言葉だそうです。しかし、私は「何とか国内の騒乱を避けねば」という殿の深い愛を読むのです。
…純粋な『青天を衝け』ファンの方々、話が横道に逸れて申し訳ございません。私はいまの「大河ドラマ」を見つめても、“佐賀”への目線を忘れないのです。
――そして、ドラマ終盤で描かれる、平岡円四郎の最期。
平岡円四郎〔演:堤真一〕と、妻・やす〔演:木村佳乃〕との距離を隔てた別れ。
「おかしろくもねぇときは、掛け軸の小鳥にでも話しかけろ…ってな。」
渋沢栄一〔演:吉沢亮〕に託していた、こんな言葉が涙を誘います。
…非常に雑念が多くて頭の忙しい視聴ですが、今回も見応え充分でした!
Posted by SR at 21:48 | Comments(0) | 「大河ドラマ」関連
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。