2022年09月01日
「“鎌倉殿”に学んでみる(分析編)」
こんばんは。
毎週、凄まじい展開の続く、放送中の2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
幕末・明治期の大河ドラマ『青天を衝け』の時は、よく感想を書きましたが、今はあまり書いていません…書きづらいというのが、正直なところでしょうか。
本日の記事は、今年の大河ドラマを、ある視点から淡々と分析してみます。
――「へぇ。」
不穏な鳥の啼き声が響く。現れるのは言葉数の少ない、無表情な中年男。
そんな印象のキャラクターだったが、おそらくは、歴代の大河ドラマでも屈指の“暗殺者”だったのではないか。
息をするかのように、標的を仕留める。平然とした佇まいが、余計に怖い。

――毎週、登場人物が衝撃の最期を迎える“恐怖”の大河ドラマ。
序盤から出ていたが『鎌倉殿の13人』からは、前回で退場と思われる、善児〔演:梶原善〕という人物。
もとは百姓と思われる風体だが、攻撃の方法が武士の戦い方よりも怖い。よくあるパターンが、スタスタと歩いてきてブスッと刺す。
あるいは、知らぬ間に刺している。視聴者は標的(ターゲット)の反応を見て、ようやく暗殺の場面とわかる…
――怖い…怖すぎるぞ。この演出。
感情の無い、始末の付け方。まるで「人の心を持たない」ような刺客。
この暗殺者の主人は、伊東祐親〔演:浅野和之〕→梶原景時〔演:中村獅童〕→北条義時〔演:小栗旬〕と移ったかと思う。
オープニングに“善児”の名前を確認すると、視聴者は誰かの“退場”を覚悟しなければならない…という状況まで生じた。
――そんな善児について、いくつかの“転機”を見た。
①代替わりを準備してしまう
自分も年を取ったから…と二代目として育成したトウ〔演:山本千尋〕をお披露目する。トウは、善児が源範頼〔演:迫田孝也〕を暗殺した際に、巻き添えで始末した夫婦の遺児。
②視聴者に応援されてしまう
比企能員〔演:佐藤二朗〕の野望を砕こうと、北条義時が善児を控えさせて脅す場面。佐藤二朗さんの“怪演”の効果で、「善児、仕留めてしまえ~」と、つい感情移入する視聴者も多数。
③人の心を取り戻してしまう
源頼家〔演:金子大地〕の子・一幡を匿ううちに大事に思うようになる。一幡が「わしを好いてくれている」と語り、暗殺を「できねぇ」と拒む。その目には、初めて光が見える様子に。

――以上をふまえて、私的な見解ですが、
①の段階で、善児を“親の仇”とする凄腕の刺客が成長している。
②の段階で、視聴者にとって、善児は“絶対悪”ではなくなった。
③の段階で、“人の心”が無いという、最大の武器を失っている。
ざっくりと見るだけで、ここまで作中に退場の前振りがある、言い換えれば、“死亡フラグ”が巧妙に立てられているとは…
――前回の放送で、最期の時を迎えた“暗殺者”。
やはり「人の心を持った」ことが“しくじった“要因として描かれました。かつて、源頼朝〔演:大泉洋〕の子・千鶴丸を、非情にも影で始末した善児。
源頼家の子・一幡を大切に思い始めていたところ、まったく同じ方法で消されるのを、ただ見送る事しかできませんでした。
――伊豆の「修善寺」での、最後の仕事。
その標的は、一幡の父で鎌倉幕府・第二代将軍の源頼家。自身に懐いていた一幡の”幻影”を目にした、善児は一瞬の隙を生じ、深手を負います。
そして後継者であるトウから“親の仇”として、善児はとどめをさされます。弟子の手で「苦しみを終わらせた」という解釈は可能なのかもしれません。
視聴した記憶をもとにしたので、記述は不確かです。三谷幸喜さんのとにかく怖い脚本。『鎌倉殿の13人』、後学のためにも、しっかり見ようと思います。
毎週、凄まじい展開の続く、放送中の2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
幕末・明治期の大河ドラマ『青天を衝け』の時は、よく感想を書きましたが、今はあまり書いていません…書きづらいというのが、正直なところでしょうか。
本日の記事は、今年の大河ドラマを、ある視点から淡々と分析してみます。
――「へぇ。」
不穏な鳥の啼き声が響く。現れるのは言葉数の少ない、無表情な中年男。
そんな印象のキャラクターだったが、おそらくは、歴代の大河ドラマでも屈指の“暗殺者”だったのではないか。
息をするかのように、標的を仕留める。平然とした佇まいが、余計に怖い。
――毎週、登場人物が衝撃の最期を迎える“恐怖”の大河ドラマ。
序盤から出ていたが『鎌倉殿の13人』からは、前回で退場と思われる、善児〔演:梶原善〕という人物。
もとは百姓と思われる風体だが、攻撃の方法が武士の戦い方よりも怖い。よくあるパターンが、スタスタと歩いてきてブスッと刺す。
あるいは、知らぬ間に刺している。視聴者は標的(ターゲット)の反応を見て、ようやく暗殺の場面とわかる…
――怖い…怖すぎるぞ。この演出。
感情の無い、始末の付け方。まるで「人の心を持たない」ような刺客。
この暗殺者の主人は、伊東祐親〔演:浅野和之〕→梶原景時〔演:中村獅童〕→北条義時〔演:小栗旬〕と移ったかと思う。
オープニングに“善児”の名前を確認すると、視聴者は誰かの“退場”を覚悟しなければならない…という状況まで生じた。
――そんな善児について、いくつかの“転機”を見た。
①代替わりを準備してしまう
自分も年を取ったから…と二代目として育成したトウ〔演:山本千尋〕をお披露目する。トウは、善児が源範頼〔演:迫田孝也〕を暗殺した際に、巻き添えで始末した夫婦の遺児。
②視聴者に応援されてしまう
比企能員〔演:佐藤二朗〕の野望を砕こうと、北条義時が善児を控えさせて脅す場面。佐藤二朗さんの“怪演”の効果で、「善児、仕留めてしまえ~」と、つい感情移入する視聴者も多数。
③人の心を取り戻してしまう
源頼家〔演:金子大地〕の子・一幡を匿ううちに大事に思うようになる。一幡が「わしを好いてくれている」と語り、暗殺を「できねぇ」と拒む。その目には、初めて光が見える様子に。
――以上をふまえて、私的な見解ですが、
①の段階で、善児を“親の仇”とする凄腕の刺客が成長している。
②の段階で、視聴者にとって、善児は“絶対悪”ではなくなった。
③の段階で、“人の心”が無いという、最大の武器を失っている。
ざっくりと見るだけで、ここまで作中に退場の前振りがある、言い換えれば、“死亡フラグ”が巧妙に立てられているとは…
――前回の放送で、最期の時を迎えた“暗殺者”。
やはり「人の心を持った」ことが“しくじった“要因として描かれました。かつて、源頼朝〔演:大泉洋〕の子・千鶴丸を、非情にも影で始末した善児。
源頼家の子・一幡を大切に思い始めていたところ、まったく同じ方法で消されるのを、ただ見送る事しかできませんでした。
――伊豆の「修善寺」での、最後の仕事。
その標的は、一幡の父で鎌倉幕府・第二代将軍の源頼家。自身に懐いていた一幡の”幻影”を目にした、善児は一瞬の隙を生じ、深手を負います。
そして後継者であるトウから“親の仇”として、善児はとどめをさされます。弟子の手で「苦しみを終わらせた」という解釈は可能なのかもしれません。
視聴した記憶をもとにしたので、記述は不確かです。三谷幸喜さんのとにかく怖い脚本。『鎌倉殿の13人』、後学のためにも、しっかり見ようと思います。
Posted by SR at 22:37 | Comments(0) | 「大河ドラマ」関連
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