2021年10月15日

「魅力度と“第三の男”(後編)」

こんばんは。
前回の続きです。私が、おとなしく“魅力度ランキング”の話を続けるわけもなく、やはり佐賀藩の話に持っていきます。

個人的には、広く浅い“魅力度”より「関係人口」という考え方に注目しています。例えば、いまの佐賀県の「定住人口」に計上はできませんが、「関係人口」には数えることができるはず。

さて、本題に戻ります。佐賀藩内の武雄の出身・山口尚芳(ますか)のご紹介。「写真の無かけん、わかりづらかよ。」という皆様に以下の情報もお送りします。


――大河ドラマ『青天を衝け』(第30回)。

土曜再放送もしくは録画などで、ご覧いただければと思います。

この回も序盤から存在感を見せる大隈重信〔演:大倉孝二〕。18分ほど経過して、主人公・渋沢による“衝撃の場面”直後には、江藤新平〔演:増田修一郎〕も一瞬、登場しました。
〔参照:「“青天を衝け”に、江藤新平も登場!」

そして、放送開始から30分を過ぎる頃、胸前に帽子(ハット)を抱えるスマート立ち姿で、“第三佐賀藩士”が現われます。

「魅力度と“第三の男”(後編)」

――前回から話題にしている、“岩倉使節団”。

その時、画面に映される写真左から2人目が、佐賀藩士山口尚芳

まさかの“ご本人登場”で『青天を衝け』に出演した、山口尚芳(通称は範蔵)。ペリー来航の時期、15歳で長崎に出て蘭学の修業。英語も習得した西洋通

岩倉使節団副使。後に会計検査院初代院長にもなった、明治を支える実務官僚の勇姿です。


――明治初期に欧米に渡った、岩倉使節団の写真では。

日本史の教科書や資料集などで有名な一枚には、合計5人の人物が写ります。
左から木戸孝允、山口尚芳岩倉具視、伊藤博文、大久保利通という並び。

この山口尚芳岩倉具視の部分を再現したのが、お笑い芸人“カミナリ”さんのコンビ写真で、一時かなり話題になったそうです。
〔参照(後半):「魅力度と“第三の男”(前編)」


――この2人だけを再現するとは…

岩倉使節団で写真の5人のうち全行程を通したのは、この2人だけと聞きます。

先のメンバーの中では、最も異国と縁遠そうな公家岩倉具視。幕末期から関わりがあったと言われる、佐賀藩士山口尚芳を頼りにしたことでしょう。

岩倉具視子息2人が、佐賀に留学したエピソードともつながっていそうです。

「魅力度と“第三の男”(後編)」

――さらに山口尚芳の出身地・武雄に関わる話。

山口才能を見い出したのは、当ブログで“蘭学兄貴”とお呼びする武雄領主・鍋島茂義さま。

私には茂義公の「おおっ、賢い子がおるのか。ぜひ、“蘭学”の道に進ませよ!」という声が聞こえる気がします。

こうして佐賀の殿・鍋島直正は、義兄・鍋島茂義が推薦する秀才長崎に送り込んだ…と想像します。


――ちなみに、冒頭の「関係人口」について。

私のように、「遠方に住んでいて、地域に“強い想い”を持つ出身者」は一つの類型で、いくつかのパターンが含まれるようです。

佐賀では今夜放送されたという『明治のイノベーター 大隈重信』(サガテレビ)を視聴なさった方、面白かったでしょうか。

その番組、私も見たかったです。大隈サポートにも活躍した山口尚芳。今後の“本編”でどう描くかは…これから考えます。








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Posted by SR at 22:38 | Comments(0) | メディア・イベント見聞
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