2019年12月15日

佐賀の七賢人?八賢人?<後編>

今年もあと半月ですね。
今週末は、年末に向けた用事を片付けている方も多いのではないでしょうか。

前回は「佐賀の七賢人」の“8人目枝吉神陽先生についてご紹介しました。
今回は、その神陽先生が鍛えた七賢人(その4~7)の四人です。


STEP3:明治を開いた者たち

幕末…教育の拡充に取り組む佐賀藩
この頃、佐賀藩では「勉強をしない藩士は役職に付けない」規則を制定していた。
そのため、城下の教育熱は極めて高く、藩校“弘道館”は異様な熱気に満ち溢れていた…


七賢人その4…副島種臣〔明治初期の外務卿〕

枝吉神陽の実弟。名字が違うのは副島家に養子に入ったから。
この頃、兄の神陽は藩校“弘道館”の教授です。

弟・副島種臣は兄・神陽に気を遣います。
少なくとも兄の顔に“泥は塗らない”ように…

周囲に評判の良い書物を選び、自分を優等生に見せようとする副島
そんな弟に兄・神陽はこう言い放ちます。
お前は何のために学問をしておるのだ!人に見せるためか!

副島は「あの時の兄さんが何より怖かった…」と語っています。

明治初期という激動の時代に諸外国と堂々と渡り合った副島。
外国領事より兄貴の方がプレッシャーが高かったようですねsweat01


七賢人その5…大木喬任〔国民皆学を進めた文部卿〕
膨大な読書量に裏打ちされた能力。
安心して後を任せられる“手堅い実務家”になりました。

七賢人その6…江藤新平〔近代法制を確立した司法卿〕
才気溢れる改革者”であり、日本の近代司法を確立した人。
裁判所とか法曹三者とか、現代まで続く制度を作っています。

七賢人その7…大隈重信〔通貨単位“円”を定めた大蔵卿〕
超ポジティブ”で、わりと要領の良い弟キャラ
長崎で佐賀藩英学校を立ち上げる。でも学校の責任者は副島先輩
藩の密命で貿易にも関わり、莫大な利益を叩き出していたとか。
会計の能力だけでなく、かなり商才もある…?


以下で、この3人の関わり方を、イメージしてみました。

――佐賀城下(1844年頃)――

神陽「かわいいお子さんですね。大隈さんのところのですか。」
大隈母「えぇ。八太郎といいます。八太郎!ごあいさつは!」
大隈おおくま はちたろう です!しんようせんせい、こんにちは!」

神陽「良い子だ。今のうちから、よく本を読むと良いぞ!」

…年齢的には、地方から東大に勉強に行く大学生と近所の幼稚園児の感じだと思ってください。
ちなみに大隈重信幼名が“八太郎”です。

――佐賀城下(1854年頃)――

大隈大隈八太郎です!神陽先生、こんにちは!」
神陽「しばらく見ぬうちに大きくなったな。今日はどうした。」

大隈「藩校を退学になりました!僕に本物の学問を教えてください!」
神陽「例の乱闘騒ぎか。まぁ、良いだろう。」

私塾を開いた先生のところに駆け込む高校生だと思ってください。
ちなみに乱闘騒ぎとは、藩校で起きた“人気者の大隈くん”争奪戦です。
南北の寮で“大隈”の奪い合いが起き、殴り合いの大喧嘩になりました。


――大隈は神陽先生のもとで学びます。そこには勉強のできる先輩たちがいます――

大木「相変わらず、神陽先生の課題は難しい。」
江藤「それゆえ“学び”になるのでは。」

江藤「この課題には、まずそこに山積みになっている書物を通読し、論旨の裏付けとなる材料を拾うこと。」
大木「そうだな。」

江藤「そして長崎より取り寄せられた西洋の書物の要旨抽出し、照らし合わせることが必要と考えます。」
大木「お前が読みたいのは、そちらだな。よし、山積みの書物の方を俺が引き受ける!」


――大隈は、この2人からも大きな影響(?)を受けます――

大隈 「江藤さん!この“法律”に関する書物は、読むに値するでしょうか!」
江藤 「それは価値のある良書だ!内容としてはだな、まず、序論にて法の思想を著す!」
大隈 (…きっと話が長くなるが、自分で読むよりは、江藤さんに聞いた方が早い…)


――日々こんな感じ――

大隈 「大木さん!古代中国の“教育”についての良書があると聞きました!」
大木 「それか!俺も読もうと思っていたのだ。心あたりを探さねばのう。」
大隈 (…後で、大木さんから要点だけ聞こう…)


以上です。

いろいろと情報は収集していますが、今回はかなり想像が入っている部分があります。

やたら効率の良い勉強方法を取る、大隈八太郎
とくに大隈先生ファンの皆様、記述に失礼があればご容赦ください。

幕末における佐賀藩の“最高の実務能力”はこのように作られていったのでは…と考えています。
拙文、お読みいただきありがとうございました。



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Posted by SR at 13:21 | Comments(0) | ご挨拶・ご案内
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