2021年11月07日

「あゝ司法卿」(第17話プロローグ)

こんばんは。
さて、“本編”第17話「佐賀脱藩」に向けての助走に入っていきたいと思います。大河ドラマ『青天を衝け』では、あっさりと表舞台から去った江藤新平

なお、江藤新平を演じた増田修一郎さんは、11月からのNHK土曜時代ドラマ『明治開化 新十郎探偵帖』には警官役で登場し、事件現場に駆けつける姿が。

配役は良かったはずなので、少し“司法卿”としての活躍も見たかった。


――そういえば、先週の『青天を衝け』(33)では…

西郷隆盛〔演:博多華丸〕・大久保利通〔演:石丸幹二〕が立て続けに去る展開。

西南戦争は、新聞記事と“戦費”の金額で結果のみが示され、紀尾井坂の変は、「大事件急報」で人が駆け込んでくる”状況”で表現されています。

薩摩(鹿児島)の誇る“二傑”、作品に余韻は残しつつも静かな退場でした。

青天を衝け』は渋沢栄一〔演:吉沢亮〕の周辺と“洋行帰り”の旧・幕臣に集中した構成。配役のあった江藤新平は、まだ描いてもらえた方かもしれません…



――明治政府の中枢には、登場しない人物も。

を挙げると…※もし、見落としている場合は、ご容赦ください。
劇中で名前だけ語られるパターン…木戸孝允(長州)、勝海舟(旧・幕臣)など
存在自体も語られないパターン…後藤象二郎(土佐)、板垣退助(土佐)など

…そして残念、②と同じパターン。副島種臣(佐賀)、大木喬任(佐賀)など

ドラマのテーマに応じた登場人物選択なのでしょう。主人公関係する人物を丁寧に描き出すためか、明治期の”参議”も相当人数が絞られていました。

青天を衝け』での「佐賀代表」としては、大隈重信が、存分に活躍しています。「土佐(高知)代表」は、存在感抜群の商人・岩崎弥太郎かもしれません。



――「そうだ、佐賀を書こう。」

今回の大河ドラマを見て「しっかり“佐賀の先輩”たちを描くには、やはり物語の“主役”になってもらうほかない…」と感じました。

幕末期。長崎警備の担当で、諸外国とは向き合うものの、中央政局からはやや遠かった佐賀藩。描き方には工夫が要るとは、常々感じるところです。

また、明治政府基礎づくりに多大な貢献をするも「あまりにも“正義”だった…」というように語られ、悲劇的な最期だった江藤新平の書き方が難しい。

江藤が貫いた正義を作りすぎたのか、徹底して「士族反乱首謀者」と扱われた形跡があります。そのイメージを塗り替えるのは、容易ではありません。
〔参照(後半):「新キャストを考える④」(“絶望”を越えて行け)


――”本編”第16話「攘夷沸騰」を振り返ると…

対馬(長崎)への「ロシア船(ポサドニック号)上陸事件」を軸として綴っています。
〔参照①:第16話「攘夷沸騰」⑱(蒸気船の集まる海域)
〔参照②:第16話「攘夷沸騰」⑲(強くなりたいものだ)

そして、これから書く第17話佐賀脱藩」で、”話の軸”になると考えているのは「皇女・和宮の江戸への降嫁」と「坂下門外の変」。

そして、まだ何者でもなかった、若き佐賀下級武士江藤が見た「青春の影」をどう描くか。かなり想像も入った“物語”として展開を試みます。




  


Posted by SR at 21:37 | Comments(0) | 構成編(P)