2021年11月05日

「誰かのために、SAGA」

こんばんは。
今週は「佐賀の演劇」の感想を続けました。動画の配信により、私も視聴できた『幕末・維新佐賀の八賢人おもてなし隊』9周年特別上演の後半を語ります。

記事の投稿時点では以下より、当日の動画が参照できます。今回は3~5本目に対応した感想です。

【ライブス ビヨンド】『幕末・維新佐賀の八賢人おもてなし隊』※外部サイト
https://www.livesbeyond.jp/cn13/2021-10-19.html

地元では、日曜になると佐賀城本丸歴史館に足の向く方々も増えているはず…今回の記事も、「いつ佐賀に帰れるんだかわからない」私の個人的な見方です。


――明治新政府の「方向性を定めた」人物の演目も。

大河ドラマ『青天を衝け』では姿をお見かけしませんが、大隈重信の面倒を見ながら(?)長崎で学び、明治期に活躍した副島種臣主役のお話もありました。

副島と言えば、“国学”に通じて「朝廷が政権を運営した時代」の知識がとりわけ深く、“洋学”も習得して「西洋近代的な政治体制」を理解する人物。

新政府を築くには不可欠だった、和洋の双方に通じる教養人書道家としても著名な副島種臣ですが、「悩み多き人」でもあった様子。



――3本目の演目。『健やかなれば』

幕末明治の時代を超え“一匹の蚊(?)”が、2つの場面をつないで展開するシナリオという理解でしょうか。

佐賀城南堀端にあったと聞く、副島種臣実家(枝吉家)。夏の水辺ならばの出現は、妙な説得力を感じます。


――偉大すぎる兄貴・枝吉神陽…のの苦悩。

全国に轟く学問の才、富士山に下駄で登った…とか聞く抜群の体力藩の重役から若い下級武士まで、広く慕われる影響力

年寄りを敬い、子供にも優しい。そして愛妻家としての姿が見えるエピソードも。「本当に、こんな人居たのか…」と思うほどにパーフェクトな人物像が伝わります。

そんな“”の存在が枝吉神陽。その“”で悩むのか、自信がなさそうな次郎(のちの副島種臣)。


――弟・次郎、何やら蚊も叩けずに、弱々しく…

言い方を変えれば、“柔らかく”包みこんでしまう次郎の姿が印象的。この繊細さが、後半・明治期の佐野常民との場面で効いていると思いました。

前半幕末期には、2本目でも大隈を煽(あお)っていた先輩島義勇が発する言葉に押され、とりあえず走ります

生きてさえいれば、健やかでさえあれば…」悩み多き人、とくに若い方に届いてほしいメッセージが感じられる作品でした。



――続いて4本目。『まるぼうろ』

舞台は明治後半の時期ですが「八賢人 全員集合」とあったので、どうまとめるのか関心がありました。なんと「亡くなっている組」と「生きている組」で線引き。

序盤には“あの世”組の皆様でトークが展開。何やら楽しげでした。本筋に戻ると、大隈重信と「佐賀菓子職人」を軸とした、ちょっと良い話。

自分のためではなく、誰かのために動く…」そんな気持ちが、“まるぼうろ”の甘さのように、心に優しい作品という印象です。



――ラストの5本目。『故郷(くに)ば、錦で』

これも明治後期が舞台の作品。利発すぎる少年・田澤義鋪が「佐賀の八賢人」を紹介してくれる、“入門編”に最適な構成もあります。

最後まで田澤少年に素性を明かさない、老成した佐野常民の演技が深い。一言「潮が満ちた」とつぶやく佐野出航へ向かうセリフに有明海が想われます。

その一方で、大隈重信の功績は、成長した田澤青年との会話で、にぎやかに語られる感じ。『ガタリンピック』でお馴染みの、鹿島への愛を感じる演目です。
〔参照(田澤義鋪 関連):連続ブログ小説「旅立の剣」(22)大きな河になれ


――そういえば、今年も残り2か月を切りました…

大河ドラマ」を追いかけ、「演劇」に親しみ、「アニメ」にまでも感銘を受ける…色々と大変なこの頃ですが、今年も様々な物語で佐賀は私を救ってきました。

いまの私にできること…とりあえず、私も「佐賀の物語」を書きましょう。ひとまず今年中に“本編”を一話分ぐらいは書き進めることを、当面の目標にします。

なお、『幕末・維新佐賀の八賢人おもてなし隊』に興味を持たれた方へ、以下の情報もご紹介します。全国に暮らす、“さがんもん”各位に届くことを願って。



【参考情報】

下記からのリンク先より各種動画が閲覧できるようです。
https://www.youtube.com/channel/UCmu5xUzFIddlgxqpcXQavpw
(幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊のYoutubeチャンネル)

当日、観劇された方の感想等の情報を見たい方は、以下の記事をご覧ください。
https://sagahachikenjin.sagafan.jp/e973573.html
(幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊 「さがファンブログ」記事)