2021年07月08日

「道標の剣」

こんばんは。
さすがに7月。気温湿度も高く、マスクの着用で体感温度も上がりますね。

本日記事の私のようになった時には少し頭を冷やし水分を取り木陰室内涼んでみると良いかもしれません。

…そんな。私の日常の話。ほぼ“幻覚”なのかもしれませんが、一握りの真実を感じていただければと思います。


――故郷・佐賀に帰れないまま、2回目の夏が来た。

いま私の住む街より、きっと佐賀は暑いことだろう…

その朝も失せた気力のまま通勤をする。そして、少しお腹をさすった。
「また、随分と痩せてしまったな…」


――近くに大きい神社が見える。

1つ、ため息をつく私。マスク越し深呼吸では、夏の季節感は入って来ない。

お主…、気を確かに持て。」
なぜだか社殿の方から、そう言われている気配を感じる。

「もしや、殿!?」
いや…そんなはずは無い。眼前に見えるのは「佐嘉(さが)神社」ではないぞ。幻覚にしても距離感があり過ぎる。

「道標の剣」

――お構いなしに、殿の気配は続く。

この地とて“佐賀”とはつながっておる…」
私は、疲れているのか。もちろん、この神社ご祭神鍋島直正公ではない。

沿いに行けばつながっている…と言えなくも無いのでございますが。」
お主には、語るまでもないと思うが、佐賀はこちらの方角じゃ。決して見失うでないぞ。」

「御意(ぎょい)!」
殿様への返答と言えば、やはりこの言葉であろう。


――この日は、朝からかなりの暑さ。

朦朧(もうろう)とする中で、佐賀藩士(?)として受け答えをする私。きっと心の声に留まっている。周囲の人たちには聞こえないはず。

…そして地図上に線でも引いたかのように、佐賀の方角再確認した私。

わずかであるが、それまでより身体が軽く感じる。神社の前で見た“幻覚”には、回復の効果があったのかもしれない。


――そして、日中も…

年を経るごとに、より高くなる“仕事の壁”。は思っていた。「ある程度の歳月を重ねれば、きっと楽になるのだ」と…それは思い過ごしだったようだ。

そうも言ってられない、とにかく現状の打開を試みねば。
大隈先生っ…私に力をお貸しください!」

もはや“出たとこ勝負。ここで私が想い出す、佐賀の賢人大隈重信侯だ。

「道標の剣」

――『青天を衝け』でも見かけた…

イギリス公使パークス。「7日以内に、から条約の勅許(チョッキョ)を取って来い」と開港の実施を迫る姿が印象的だった、超おっかない外交官である。

大隈重信明治初頭の外交の舞台で、そのパークスと真っ向から論戦。一歩も引かず、その要求を突っぱねたという。

誰もが恐れるイギリス公使外交の折衝をすることは、当時なら刀で斬り合う以上に度胸が必要だったかもしれない。

…私もいろいろ苦しい気持ちの中、その勇姿を想って拳を握る。


――佐賀の“先輩”への憧れを、いま力に変える。

著しく能力の差はあっても、立ち向かうべき仕事の重さは全然違っても。

こんな日々を過ごす中、私が思い至った事がある。
「…想いを持ち続けるなら、万難を排して“佐賀に還る”べきなのかもしれない。」

私が「佐賀見失わないために成すべきこと」とは何か。そろそろ、私が見たい「幕末佐賀藩大河ドラマ」“本編”第2部を綴っていかねば…と思うのである。







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