2021年01月13日

「醒覚の剣」(古城)

こんばんは。

昨夜、江藤新平が特集された“知恵泉”をご覧になった方。感想はいかがだったでしょうか。

…おそらくクールダウンが必要なので、別企画で投稿します。昨夜の番組を見て、いろいろと熱くなっているの頭を過ぎったのは、叔父上の言葉でした。


――私が、佐賀の歴史を追い始めてから…

全国ネットで、佐賀の良さが語られる機会が少ないことを実感する。

今回も歴史の話だが、私がいつも熱くなっている幕末の話ではない。この年末には、戦国武将の“総選挙”というテレビ番組があった。

そこで出演タレントが“トップ10”に入る武将予想をするコーナーがあった。


――“龍造寺隆信”。この名を挙げた方がいた。

爆笑問題田中裕二さんだ。龍造寺の家来だったご先祖がいるという。

龍造寺”は言うまでもなく、佐賀戦国大名である。のちの佐賀の殿様・鍋島家の主君だったことも幾度か語っている。

須古城(白石町)を拠点に、九州北部をほぼ制圧した時期があったはずだ。

「醒覚の剣」(古城)

――「おおっ!何やら佐賀が目立った!」

テレビでのやり取りに、私は目を見開く。しかし次の瞬間変転が起きる。

龍造寺…?無い、無い…!
よく耳にする声だ。時代劇の名優・高橋英樹さんである。


――「高橋氏!それは、わかっている!わかっているのだ…」

ランキング上位は「大河ドラマ」常連の有名武将で占められるだろう。たしかに“龍造寺隆信”が登場した「大河ドラマ」は…無いのかもしれない。

でも、あえて、わがままを言いたい。

もし、高橋氏が「龍造寺も、途中までは良かったんですけどね~」とか言ってくれたら「さすがは歴史通!」と感激したことだろう。

この話をバッサリ切る方向に“桃太郎侍”の腕前は発揮しないでほしかった…


――私は、この顛末(てんまつ)を叔父上に語った。

ここ1年帰れなかった遠い郷里への電話

叔父上の反応は、こうだった。
「あぁ龍造寺隆信名前が出とったね。」

「…それにしても扱われ方があんまりです!」
は、まだ釈然としていない。

「まずは名前だけでも、出られて良しとせんば!」


――まいど飄々(ひょうひょう)とした、叔父上。

その口調は、きわめて明るかった
「…まったく、叔父上には敵(かな)いませぬな。」

柳の枝雪折れなし”という言葉がある。最近、降雪のあった佐賀
叔父上の言葉には、まったく力みがなかった。

私は、まるで力まかせ木剣を振るように語っていたのか。
それが、見事に空振りしたような感覚を味わったのである。





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Posted by SR at 22:37 | Comments(2) | 「望郷の剣」シリーズ
この記事へのコメント
 SR様、私も視てましたその番組。

龍造寺隆信は、少弐家の肥前支配に終止符を打った、九州唯一の戦国大名です。

現在の佐賀県は、隆信が築いた版図に原型があると考えています。

しかし残念ながら、佐賀県でさえ鍋島家の陰に隠れて、ほとんど顕彰されていません。

鍋島直正に影響を与えた武雄藩も、確か龍造寺家の末裔だったと思います。

私にSRさん並みの構想力があったら、龍造寺家の興亡を描くのですが…。
Posted by saganichi at 2021年01月13日 23:25
saganichi様

コメントありがとうございます。
たまたま見かけた戦国武将の“総選挙”の一場面でした。

もともと龍造寺一門だった四家(武雄・須古・多久・諫早)は、幕末の佐賀藩でも存在感がありますね。
鍋島直正の藩政改革では、鍋島家の親類以上に頼りになった…とも聞きます。

とくに武雄領主・鍋島茂義は、佐賀藩の蘭学の“先駆者”と言って良いはず。
私の調べは浅いですが、鍋島家とは少し“異質な力”の持ち主にも感じられます。

…意外や、日本の近代化を進めていた“龍造寺”氏という見方もできそうです。
幕末に限らず、佐賀の歴史が持つ力は、様々な角度からアピールできる!と考えています。

私も「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる(?)」の精神でつぶやいていきたいです。
Posted by SRSR at 2021年01月14日 22:17
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