2020年08月02日

「慈雨の剣」

こんばんは。
前回の投稿で、うっかり「写真素材が無い!」とつぶやいてしまったので、色々とお気遣いの言葉をいただきました。

望郷の剣」というタイトルでの投稿もシリーズ化しています。今では少し距離が遠くても、新型コロナの影響で隔てられても、佐賀がとても近くに感じられます。これは皆様のおかげであると思います。

…というわけで、今日もある佐賀藩士(?)の想いを描く同シリーズの投稿です。

ちなみに“本編”の第13話は「通商条約」の予定ですが、話の構成を迷うところです。準備期間として、色々と投稿しながら考えていきたいと思います。


――さて、豪雨は困りますが、猛暑に見舞われ出すと、穏やかな雨を懐かしく想います。

思えば元号が“令和”になってから、まだ1年ちょっとしか経っていません。
今日は、いきなり“平成ラスト一日に話が戻るのですが…この日、皆様は何か特別な過ごし方をなさっていたでしょうか。

以前「発心の剣」というタイトルで、私が“佐賀出身”であると、一瞬で見抜かれた話を投稿しました。今回は、私が佐賀藩士(?)として、活動し始める契機になった日のお話です。


――“平成”最後の日、早朝。佐賀市内には霧のような優しい雨が降っていた。

私が佐賀に帰ってきたのは、祖父の墓参りをするためだった。

ごく幼少の頃に祖父とは死別した。
それゆえ私は、はっきりと祖父の姿を覚えているわけではない。

しかし、受け継いだ…あるいは受け継いでしまったものは確かにあるらしい。


――しかし、先んじて墓参りの際は、滝のような雨に見舞われた。

「わざわざ孫が墓参りにきたので、感激の涙雨ではないか…」
…などと他愛のない会話をしながら、慌ただしい墓参となったのである。

こうして主たる用事が終わり、佐賀での滞在の最終日
早朝目が覚めてしまった。特に為すべきこともないので、まだ人通りもほとんどない県庁通りを歩いた。

「慈雨の剣」

――そのまま南下し、佐賀城公園に向かったのである。

ポツポツと降り続いていた。
ただ、お堀端を歩く。どの場所も丁寧に掃除が行き届いている様子だ。

このお城が、いかに周りの市民から愛されているかが伝わってくる。本丸歴史館が開くまでには、まだ随分と時間があった。


――涼しい雨を傘で受けながら、おそらくは贅沢な時間を過ごした。

「やはり、ここは私にとっては“特別な場所”なのだ…」
そう感じずにはいられなかった。

時計の針が進むのも忘れたかのような時間を過ごした。
あと15時間ほどが経てば“元号”も変わるのだ…それが、より一層特別感を醸し出していた。


――ほどなく本丸歴史館が開く。

佐賀藩についての知識が得たくて、設置されているモニターの前に座る。

幕末期、日本の近代化の先駆けとなった肥前佐賀藩…」
概ね、このような解説だっただろうか。

その前年大河ドラマが「西郷どん」だったので、少なくとも“佐賀七賢人”のうち3人は登場した。その辺りの情報は、少し調べていた。


――しかし、モニターの音声は、予想外の人物の解説を始めた。

財政教育を担当した藩の請役(ナンバー2)で、須古領主の鍋島安房…」
は完全にを突かれた。まったくノーマークだった人物の名が出てくる。

「慈雨の剣」

しかも財政再建教育改革を成し遂げた、殿鍋島直正の“右腕”のような補佐役とは…幕末佐賀藩において、極めて重要なところである。

その衝撃はハッキリと覚えているが、その後、資料館内で何を調べたかの記憶は曖昧である。ただ「幕末佐賀藩の活躍は、もっと広く知られるべきだ!」という気持ちは確信に変わった。


――全国が“新しい時代へのカウントダウン”で浮き立っていた、その日。私は佐賀を発った。

こうして今度は佐賀出身者であるだけでなく、佐賀藩士(?)としての気付きを得てしまった。大都市圏に戻っての活動が始まった。

まず“令和”に元号が変わった次の日から、本棚の奥にあった古い日本史の教科書を引っ張り出した。そして、おもむろに佐賀藩の年表と見比べたのである。


クールダウンを意識してみましたが、やはり佐賀藩の話に言及すると多少は熱くなるようです…しばらくの間、忙しくなりそうなのですが、休み休みになっても、何とか続けていきたいと思います。




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Posted by SR at 20:27 | Comments(0) | 「望郷の剣」シリーズ
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