2023年02月13日

「ある東洋の“迷宮”にて」

こんばんは。
前回、なぜだか、佐賀の紅茶と対話する「幻想奇譚(?)」を書いてみました。
なお、伊万里紅茶の個人的な感想は「紅茶なのに、とてもご飯と合う」です。

当ブログは寄り道が非常に多くて、佐賀帰藩すれば「賢人たちの銅像」の声を聞き、郷里から離れた日常でも「佐賀特産品」との“会話”まで登場します。
〔参照(後半):「望郷の剣6」

このように、お読みいただいている皆様が困惑するような寄り道を重ねながらも、全てのアクセス数は、もうじき6万に届こうという状況です。

「ある東洋の“迷宮”にて」

――ひたすらに、佐賀藩近代化を目指す第1部は…

大河ドラマ」っぽく書きやすかったのですが、各地の雄藩志士たちの思惑が交錯する第2部は、調べ物の範囲も拡大して、なかなか書きづらいです。

この辺りが実際に「幕末佐賀藩大河ドラマ」で描かれる場合、あまり京都政局に関わっていないので、難所の1つになるのでは…と実感しています。

話としてのまとまりには欠けても、幕末期の佐賀藩(とその周辺の九州北部)をどう語るかを試行錯誤していきたい…という想いを持っています。


――そして、1862年(文久二年)頃の佐賀藩では、

開国による状況変化を受けて、貿易部門・代品方の活動を強化し、陶磁器の販売戦略を練ったようです。

輸出品として、海外に日本文化を強く印象づけてきた“古伊万里”。

幕末期にも、佐賀藩はあらためて磁器の販路開拓に努めており、大坂(大阪)での金融(両替)の拠点も整備した…という話もあるようです。

「ある東洋の“迷宮”にて」

そんな業務多忙の折、代品方から“脱藩”した下級役人がいたはずで、その名が江藤新平…ということになります。
〔参照(中盤):第17話「佐賀脱藩」⑭(拓〔ひら〕け、代品方)

また、佐賀藩は日本国内での展開に留まらず、清国の上海(シャンハイ)でも市場調査をする動きを見せていました。


――文久二年。幕府の船に同乗し、佐賀藩の関係者も上海に渡る。

その1人が、中牟田倉之助長崎海軍伝習を受けており、航海に関わる測量、設計などに、とても熱心な理系人材という武士。
〔参照(後半):第12話「海軍伝習」⑨-2(悔しかごたぁ・後編)

あとは小城生まれで、優れた画才を持つ少年1人と、勘定に長じた佐賀商人が2人…ここも語りたいのですが、今回は中牟田の話に集中します。

当時の武士には、人気がなかった印象の算術(数学)が得意だったようです。
〔参照(中盤):第12話「海軍伝習」⑥(数学の子)

「ある東洋の“迷宮”にて」

ロシア船が対馬に現れた時には、中牟田佐賀藩の蒸気船・電流丸の乗員として、伊万里を拠点に警戒にあたったようです。
〔参照:第16話「攘夷沸騰」⑱(蒸気船の集まる海域)

そして、上海での現地調査は、ある長州藩士と行動したそうです。その人物が、同じ幕府の船に乗っていた、高杉晋作

のちに奇兵隊を率いて、倒幕派長州藩の主導権を取ることに貢献したことで良く知られる有名な志士


――その高杉は、いつも中牟田と一緒にいたらしく

イギリスをはじめ欧州の国々が幅を利かせていた、当時の上海での情報収集にあたったといいます。

のちに明治新政府の海軍で活躍する中牟田倉之助佐賀藩士らしく技術の習得には熱心だが、分析的で冷静な人物というイメージがあります。

高杉も「中牟田英語を解す。」と語ったようで、中牟田欧米人への調査には学んでいた外国語を用いたそうです。

西洋の学問と、近代の技術を追求する…佐賀藩らしい人物だと感じます。

「ある東洋の“迷宮”にて」
※九州と山口をつなぐ関門橋

――その一方で、長州藩士・高杉は、

藩のお金で豪遊しながら、実は情報を集めていたりと規格外の行動をする人物。漢学が得意で、上海では筆談でコミュニケーションを取ったそうです。

まるで東洋の魔都と化した、上海の混沌とした路地。「あれもこれも知りたい」と、勉強熱心な中牟田と、破天荒な高杉の2人が何かを求めて彷徨う…

史実と思われる話にも、興味深いエピソードが多いのですが、どうやって話をつなげていこうかと思案中です。次の次(第20話)あたりで書きたい話です。








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Posted by SR at 21:11 | Comments(0) | 構成編(P)
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