2022年07月04日
「“かささぎ”が舞う、干潟の街に」
こんばんは。
西九州新幹線の開業を9月に控え、佐賀の熱い夏は進んでいくようですね。
一方、この秋からのダイヤ改正など多方面に影響が及ぶところもあり、諸手を挙げては喜べない地域の方々も多いはず…と、つい最近、思い至りました。
長崎本線の特急『かもめ』は廃止となり、途中の肥前鹿島駅までは、代わりに特急『かささぎ』が走ると聞きます。
書き進めるペースは遅くなっても、「佐賀の大河ドラマ」を考えてやまない私。干潟〔ガタ〕のイベントで知られる街・鹿島にも色々と連想することがあります。

――“物語の中心”で描かれないところにも、物語はある。
2021年の大河ドラマ『青天を衝け』の時代設定は、幕末・明治期でしたが、桂小五郎・勝海舟・坂本龍馬などの配役は無かったはず。
主人公・渋沢栄一を丁寧に描こうとすれば、どうしても、登場人物の“選択”を迫られることになったのかもしれません。
…という話から、西九州新幹線の開業においては“主役”でなくとも、これからの物語として語るべき、佐賀県内の街も特集してみます。
今回のテーマは鹿島市。大隈重信が、ずっと心に引っ掛かっていたであろう「鹿島に行った女性(ひと)」についてです。
――現在の“本編”で描くのは、1862年(文久二年)頃。
第18話では江藤新平が佐賀を脱藩し、京都で活動した同年夏の話を展開します。この周辺の時期には、大隈八太郎(重信)の物語も動いていました。
佐賀の大殿・鍋島直正への蘭学の進講や、開国の影響で、より西洋の風が吹き込む長崎での活動です。
このように“本編”で書きたい内容が同時期に多数あるのは、構成上の贅沢な悩みです。

――この頃、若き大隈八太郎にも“縁談”が。
お相手は、江副美登という女性。大隈重信はその妻との間に、熊子という娘を授かります。
長女・大隈熊子は、のち明治期には、“秘書”のような役回りで大隈重信を、影ながら支えたようです。
大隈の側近だった政治家・犬養毅は「もし(熊子が)男であったなら、父・重信より偉くなっただろう」と評したそうで、その有能さがうかがえます。
人格も素晴らしいと評判だった大隈の娘・熊子。父・重信の気性からすれば、これは母・美登ゆずりだったのかもしれません。
――しかし、『青天を衝け』で登場した、大隈重信の妻は、
大隈綾子という、幕臣(旗本)の家柄の女性。大隈にとっては再婚相手です。
〔参照:「新キャストを考える⑤」(奥様も出演します)〕
大倉孝二さんの熱演で、物語後半の軸として存在感を見せた大隈重信。妻・綾子役の朝倉あきさんも好演でした。
幕臣として近代化に活躍した小栗上野介(忠順)の従妹にあたり、皆が洋装に流れてドレスを着る中、和装を選ぶなど、芯の強いところも見られました。
〔参照:「新キャストを考える①」(“明治の父”の1人)〕

なお、最初の妻だった美登は、明治に入っても大隈重信の妻として“東京”に行くことはなく、佐賀に留まりました。
そして、佐賀の鹿島支藩の武士と再婚し、新たな家族を築いて、鹿島の地で生きたようです。
――日本では、ほぼ有明海の周辺に生息する、かささぎ(かちがらす)。
大隈重信は、最初の結婚について多くを語らなかったと聞きます。
ただ、他の明治維新の志士たちがこういった場合に、なし崩し的に複数の“妻”を持つのに比べて、女性側の意思が強く感じられるのです。
当時、新国家の中枢で、洋学を修めた真価を発揮し始めた、大隈。
最初の妻・美登は、東京で活躍する大隈を見て、身を引いたと言いますが、「私は生きるべき場所で、生きていたい」という感覚があったかもしれません。
――この展開を、今後の“本編”でどう描くか。
生涯を通じて母の愛に見守られ、佐賀では最初の妻のもと自由闊達に動き回り、東京で2人目の妻に背中を押され、娘の気配りに支えられて走り続けた。
…これが大隈八太郎(重信)、という物語構成も可能に思います。
日常は忙しく廻り、鹿島で干潟を眺めて、ゆったり考えを巡らせたいと願望も浮かびます。最近は思い付いても、まとめる余裕がない…そんな日々です。
西九州新幹線の開業を9月に控え、佐賀の熱い夏は進んでいくようですね。
一方、この秋からのダイヤ改正など多方面に影響が及ぶところもあり、諸手を挙げては喜べない地域の方々も多いはず…と、つい最近、思い至りました。
長崎本線の特急『かもめ』は廃止となり、途中の肥前鹿島駅までは、代わりに特急『かささぎ』が走ると聞きます。
書き進めるペースは遅くなっても、「佐賀の大河ドラマ」を考えてやまない私。干潟〔ガタ〕のイベントで知られる街・鹿島にも色々と連想することがあります。
――“物語の中心”で描かれないところにも、物語はある。
2021年の大河ドラマ『青天を衝け』の時代設定は、幕末・明治期でしたが、桂小五郎・勝海舟・坂本龍馬などの配役は無かったはず。
主人公・渋沢栄一を丁寧に描こうとすれば、どうしても、登場人物の“選択”を迫られることになったのかもしれません。
…という話から、西九州新幹線の開業においては“主役”でなくとも、これからの物語として語るべき、佐賀県内の街も特集してみます。
今回のテーマは鹿島市。大隈重信が、ずっと心に引っ掛かっていたであろう「鹿島に行った女性(ひと)」についてです。
――現在の“本編”で描くのは、1862年(文久二年)頃。
第18話では江藤新平が佐賀を脱藩し、京都で活動した同年夏の話を展開します。この周辺の時期には、大隈八太郎(重信)の物語も動いていました。
佐賀の大殿・鍋島直正への蘭学の進講や、開国の影響で、より西洋の風が吹き込む長崎での活動です。
このように“本編”で書きたい内容が同時期に多数あるのは、構成上の贅沢な悩みです。
――この頃、若き大隈八太郎にも“縁談”が。
お相手は、江副美登という女性。大隈重信はその妻との間に、熊子という娘を授かります。
長女・大隈熊子は、のち明治期には、“秘書”のような役回りで大隈重信を、影ながら支えたようです。
大隈の側近だった政治家・犬養毅は「もし(熊子が)男であったなら、父・重信より偉くなっただろう」と評したそうで、その有能さがうかがえます。
人格も素晴らしいと評判だった大隈の娘・熊子。父・重信の気性からすれば、これは母・美登ゆずりだったのかもしれません。
――しかし、『青天を衝け』で登場した、大隈重信の妻は、
大隈綾子という、幕臣(旗本)の家柄の女性。大隈にとっては再婚相手です。
〔参照:
大倉孝二さんの熱演で、物語後半の軸として存在感を見せた大隈重信。妻・綾子役の朝倉あきさんも好演でした。
幕臣として近代化に活躍した小栗上野介(忠順)の従妹にあたり、皆が洋装に流れてドレスを着る中、和装を選ぶなど、芯の強いところも見られました。
〔参照:
なお、最初の妻だった美登は、明治に入っても大隈重信の妻として“東京”に行くことはなく、佐賀に留まりました。
そして、佐賀の鹿島支藩の武士と再婚し、新たな家族を築いて、鹿島の地で生きたようです。
――日本では、ほぼ有明海の周辺に生息する、かささぎ(かちがらす)。
大隈重信は、最初の結婚について多くを語らなかったと聞きます。
ただ、他の明治維新の志士たちがこういった場合に、なし崩し的に複数の“妻”を持つのに比べて、女性側の意思が強く感じられるのです。
当時、新国家の中枢で、洋学を修めた真価を発揮し始めた、大隈。
最初の妻・美登は、東京で活躍する大隈を見て、身を引いたと言いますが、「私は生きるべき場所で、生きていたい」という感覚があったかもしれません。
――この展開を、今後の“本編”でどう描くか。
生涯を通じて母の愛に見守られ、佐賀では最初の妻のもと自由闊達に動き回り、東京で2人目の妻に背中を押され、娘の気配りに支えられて走り続けた。
…これが大隈八太郎(重信)、という物語構成も可能に思います。
日常は忙しく廻り、鹿島で干潟を眺めて、ゆったり考えを巡らせたいと願望も浮かびます。最近は思い付いても、まとめる余裕がない…そんな日々です。
Posted by SR at 21:12 | Comments(0) | 佐賀への道
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