2020年06月05日
「麒麟を待つ…」
こんばんは。
明後日、6月7日(日)の「決戦!桶狭間」放映後、大河ドラマ「麒麟がくる」も一旦お休みになるようです。新型コロナの影響での撮影休止が長引き、さすがに放映するストックがなくなったと聞きます。
斎藤道三、織田信長、その妻・帰蝶など個性の強い登場人物が多いのが楽しいところですが、主人公・明智光秀が振り回される展開にも、いろいろ共感できるところがあります。
――前話「家康への文」では、子役から大人にキャストが変わった松平元康(徳川家康)が話の軸になっていました。
幼少期からの苦労人で「時々、投げ出したくなる…」とつぶやく、松平元康。
演じているのは、風間俊介さん。所属は、ジャニーズ事務所なのですね。
のちに、天下人になるとは思えない厳しい状況。
しかし、結果として「戦の無い世を築く」のは、松平元康(徳川家康)ということになります。

※江戸城天守のイメージ。200年の“鎖国”の重みを表現するときに使いました。
――毎年「大河ドラマ」を見ている方。他作品で、この俳優さんに見覚えがないでしょうか。
2018年大河ドラマ「西郷どん」では、風間俊介さんは、“橋本左内”という配役でした。この橋本左内は福井藩士で、薩摩の西郷隆盛(鈴木亮平)と親しくなり、一緒に政治活動をします。
「一橋慶喜さまこそ、次の将軍にふさわしい!」と、慶喜(松田翔太)の賢さを語る“冊子”を大量に作っていた人です。
西郷と一緒に頑張った「慶喜さまを将軍に!」キャンペーンで、幕府に睨まれ、橋本左内は窮地に陥ります。ドラマでは西郷を逃がして、左内は捕縛される…という展開だったような。
――ここで、少し整理を。1つの契機は「黒船来航」時に頑張った老中・阿部正弘です。
「幕府に雄藩の力を結集する」(雄藩連合)という考え方が生じました。
この考え方により、幕府の政治への参画を強めた雄藩は多いです。
阿部正弘は志半ばで亡くなりますが、諸藩の政治への意欲は残ります。開国派の薩摩、攘夷派の水戸、そして橋本左内の殿様・松平春嶽の率いる福井など…
「賢いと評判の一橋慶喜を将軍にして、諸藩が結集しようぜ!」みたいな感じです。いわゆる“一橋派”です。
――そして、もう1つの軸。これから頭角を現す、大老・井伊直弼。
「強い幕府が、国を引っ張る」(幕閣主導)、伝統的な考え方です。
諸藩に口出しをさせず、幕府への権力集中による危機の突破を目指します。
井伊直弼は諸藩が、水戸の徳川斉昭の子・一橋慶喜を担いで大騒ぎするのを危険と捉えます。幕府のエリート官僚を先頭に、開国から通商に進み、富国強兵を目指す路線。
「諸藩は出過ぎた真似をするな!将軍は御三家・紀州藩から出す。」みたいな感じです。いわゆる“南紀派”です。
――「あれっ、佐賀はどこにいるの!?」と思った方もいるでしょう。双方の関係者は、こう考えていたと伝わります。

〇“一橋派”の活動家・橋本左内。
「国内の政治は、薩摩と水戸と(出身の)福井などで進めよう!」
「外国への対応は…佐賀の鍋島に任せるしかないだろう!」
当時、一番難しそうな外交は、佐賀藩の一択で構想。
新しい政権が実現したら、外国事務担当の宰相には、鍋島直正の就任を!と考えていたようです。
〇“南紀派”の主導者・井伊直弼。
「私の心を理解できるのは、会津(松平容保)と佐賀(鍋島直正)くらいなものだ…」
「通商を進めるには、外国への備えが要る。佐賀の海軍力に期待しよう!」
大老であるにも関わらず、井伊直弼は佐賀藩邸に出向き、鍋島直正と相談事をしていたようです。
備えの無い開国は、諸外国に侮られるだけ…井伊様も苦労なさった方なのですね。
――国内の政治闘争からは距離をおき、常に海外に目を向けた佐賀藩。
先ほどの二派は、共に国を想っていたのに、潰し合うことになります。
ご紹介した2人も“安政の大獄”と“桜田門外の変”で散ってしまいます。
双方とも、外国と対峙するには「鍋島直正が頼み」と考えていたのは一緒でした。のちに佐賀藩が“内戦”を避けることを最重要とした理由がわかるような気がします。
――今年の大河ドラマ“麒麟がくる”のテーマは「平和な時代を連れてくるのは誰か!」のようです。
幕末最強クラスの軍事力があったと言われる佐賀藩。
しかし、殿・鍋島直正の考え方なのか、無用な戦いを徹底して避けている印象です。
こんな目線からも語っていけると良いな…と思っています。
明後日、6月7日(日)の「決戦!桶狭間」放映後、大河ドラマ「麒麟がくる」も一旦お休みになるようです。新型コロナの影響での撮影休止が長引き、さすがに放映するストックがなくなったと聞きます。
斎藤道三、織田信長、その妻・帰蝶など個性の強い登場人物が多いのが楽しいところですが、主人公・明智光秀が振り回される展開にも、いろいろ共感できるところがあります。
――前話「家康への文」では、子役から大人にキャストが変わった松平元康(徳川家康)が話の軸になっていました。
幼少期からの苦労人で「時々、投げ出したくなる…」とつぶやく、松平元康。
演じているのは、風間俊介さん。所属は、ジャニーズ事務所なのですね。
のちに、天下人になるとは思えない厳しい状況。
しかし、結果として「戦の無い世を築く」のは、松平元康(徳川家康)ということになります。
※江戸城天守のイメージ。200年の“鎖国”の重みを表現するときに使いました。
――毎年「大河ドラマ」を見ている方。他作品で、この俳優さんに見覚えがないでしょうか。
2018年大河ドラマ「西郷どん」では、風間俊介さんは、“橋本左内”という配役でした。この橋本左内は福井藩士で、薩摩の西郷隆盛(鈴木亮平)と親しくなり、一緒に政治活動をします。
「一橋慶喜さまこそ、次の将軍にふさわしい!」と、慶喜(松田翔太)の賢さを語る“冊子”を大量に作っていた人です。
西郷と一緒に頑張った「慶喜さまを将軍に!」キャンペーンで、幕府に睨まれ、橋本左内は窮地に陥ります。ドラマでは西郷を逃がして、左内は捕縛される…という展開だったような。
――ここで、少し整理を。1つの契機は「黒船来航」時に頑張った老中・阿部正弘です。
「幕府に雄藩の力を結集する」(雄藩連合)という考え方が生じました。
この考え方により、幕府の政治への参画を強めた雄藩は多いです。
阿部正弘は志半ばで亡くなりますが、諸藩の政治への意欲は残ります。開国派の薩摩、攘夷派の水戸、そして橋本左内の殿様・松平春嶽の率いる福井など…
「賢いと評判の一橋慶喜を将軍にして、諸藩が結集しようぜ!」みたいな感じです。いわゆる“一橋派”です。
――そして、もう1つの軸。これから頭角を現す、大老・井伊直弼。
「強い幕府が、国を引っ張る」(幕閣主導)、伝統的な考え方です。
諸藩に口出しをさせず、幕府への権力集中による危機の突破を目指します。
井伊直弼は諸藩が、水戸の徳川斉昭の子・一橋慶喜を担いで大騒ぎするのを危険と捉えます。幕府のエリート官僚を先頭に、開国から通商に進み、富国強兵を目指す路線。
「諸藩は出過ぎた真似をするな!将軍は御三家・紀州藩から出す。」みたいな感じです。いわゆる“南紀派”です。
――「あれっ、佐賀はどこにいるの!?」と思った方もいるでしょう。双方の関係者は、こう考えていたと伝わります。
〇“一橋派”の活動家・橋本左内。
「国内の政治は、薩摩と水戸と(出身の)福井などで進めよう!」
「外国への対応は…佐賀の鍋島に任せるしかないだろう!」
当時、一番難しそうな外交は、佐賀藩の一択で構想。
新しい政権が実現したら、外国事務担当の宰相には、鍋島直正の就任を!と考えていたようです。
〇“南紀派”の主導者・井伊直弼。
「私の心を理解できるのは、会津(松平容保)と佐賀(鍋島直正)くらいなものだ…」
「通商を進めるには、外国への備えが要る。佐賀の海軍力に期待しよう!」
大老であるにも関わらず、井伊直弼は佐賀藩邸に出向き、鍋島直正と相談事をしていたようです。
備えの無い開国は、諸外国に侮られるだけ…井伊様も苦労なさった方なのですね。
――国内の政治闘争からは距離をおき、常に海外に目を向けた佐賀藩。
先ほどの二派は、共に国を想っていたのに、潰し合うことになります。
ご紹介した2人も“安政の大獄”と“桜田門外の変”で散ってしまいます。
双方とも、外国と対峙するには「鍋島直正が頼み」と考えていたのは一緒でした。のちに佐賀藩が“内戦”を避けることを最重要とした理由がわかるような気がします。
――今年の大河ドラマ“麒麟がくる”のテーマは「平和な時代を連れてくるのは誰か!」のようです。
幕末最強クラスの軍事力があったと言われる佐賀藩。
しかし、殿・鍋島直正の考え方なのか、無用な戦いを徹底して避けている印象です。
こんな目線からも語っていけると良いな…と思っています。
Posted by SR at 21:48 | Comments(0) | ご挨拶・ご案内
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