2020年01月16日

第1話「長崎警護」①

こんばんは。
昨日の予告どおり、本編を始めてみます。
第1回75分のイメージなので長い(投稿回数が多い)です。

異論は多々あると思いますが、「幕末佐賀藩の大河ドラマ」はこんな始まり方が良いのでは…と思っています。

当時の時代背景を意識していますので、不適切な表現を使用している可能性があります。ご了承のうえ、ご覧ください。

①“フェートン号”の航行

――1808年、日本近海

1隻の軍船が東に向かって航行していた。

――長崎の沖合である
第1話「長崎警護」①


軍船の甲板には男が2人。休憩中の船員の様子である。
ガタイの良い男、テッドが壁に寄りかかっている船員に声をかける。

「よぉ、グレッグ。ヒマしてるのか。」

「ヒマもなにも、グッタリしてんだよ。もろくに飲めねぇんじゃ、干上がっちまう。」
強いくせ毛が特徴的。やや細身の船員がグレッグである。

「聞いたか、このたび俺たちはオランダ人になるらしいぞ。」

「テッドよぉ。が足らねぇからって、イカれちまったか。なんでオランダ野郎になるんだよ。」
グレッグは相当、のどが渇いている様子だ。面倒くさそうに答える。

「いいか、グレッグ。この先に“ナガサキ”という港がある。」
「あぁ“ナガサキ”ね。お付き合いのない国の港だろ。」

「だから、オランダ人になるんだよ。」
「!」

「港に入るまで…だけどな。」
「あぁ、理解した。今後は、食料もあるってことか。」

2人の乗る船は、イギリスの軍船「フェートン号」という。

当時のフリゲート艦であるが、この時代はまだ帆船である。
しかし、射程の長い大砲を40門近くも備え、攻撃力の強い艦船だった。

乗組員には、長崎で行われる作戦の詳細が伝達された。

(続く)



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