2022年06月24日

「醒覚の剣(蛙歌)」

こんばんは。
私は“大河ドラマ”を意識してブログを進めているため、テレビなどのメディアで「佐賀が、どのように伝えられるか」に、かなり注目している方だと思います。

佐賀出身の芸能人を多く見るわけではありませんが、最近では「佐賀への愛」を臆せずに語る傾向も出てきた…と感じるところです。

コメントの類型(パターン)は幾つかありますが、まず「食べ物が美味しい」は、よく聞きます。納得の答えです。


――そして「疲れた人には、佐賀はお勧めできる…」と。

ここからは、ありふれた日常をどことなく、幕末っぽく語るシリーズです。最近、やや疲れ気味の私に、佐賀から届いた“”がありました。



「そろそろ、落ち着いて来たとよ。」
私の電話佐賀県へとつながっている。声の主は、叔父上である。

猛威をふるった新型コロナの影響も弱まり、大都市圏から佐賀に帰省できた人も多いだろう。そろそろ郷里との往来も可能のはずだ。


――私がブログを始めてから、記事は通算500本を超えた。

その期間は概ね2年半になる。主に「幕末佐賀藩大河ドラマ」のイメージを書き連ねてきたのだが、実はこの間、一度も佐賀に帰れてはいない。

「…今度は別の理由で、なかなか帰れそうにありません。」

いろいろとタイミングに不都合がある。動ける可能性のある時には“緊急事態宣言”にぶつかり、“警戒”が緩んでいる時には、仕事等が忙しい。


――そんな経過もあり、叔父上は私に代わって…

写真素材の確保を引き受けてくれており、県内各地を探索中の状況にある。

「ちょっと地図を見てくるばい、」
電話を携えて、叔父上は車に置いた地図を取るのか、屋外へと出た様子だ。

「ゲコゲコ…ケロケロ、グワッグワッ…」

叔父上の移動中。不意に電話へと語りかけてきたのは、佐賀に住むたち。まさに『かえるの合唱』が、遠方にいる私の耳にまで届く…


――「叔父上、こちらにも“かえるの歌”が聞こえる…」

「あ~、いつもの事やけん。気にもせんかったよ。」
佐賀の六月である、四方の水田から響き渡るは“蛙の歌声”。地元に居れば、いちいち心が動く事ではないだろう。

しかし、もはや四周が“コンクリートジャングル”と言ってしまってよい、無機質な暮らしぶりのには響くものがある。



都市圏域でも少し移動すれば、さすがに蛙ぐらいは豊富に居るはずなのだが、何やら“佐賀の蛙”は、私に直接、語りかけてくる感じがした。


――「早う、帰って来んね。」

実際のところ、ケロケロ、クワックワッ…と、恵みの雨の予感に喜んでいるだけかもしれない。但したちとて、豪雨は願い下げだろう、ほどよく降ってほしい。

そんな蛙の歌に耳を澄ませる。私には「たまには、顔ぐらい出さんね。」という、メッセージにも感じられるのだ。

佐賀カエルには「そがんこと、言っとらんばい。」と異論があるかもしれないが、私はそう受け取った。


――「月並みだが、何とか近々に“かえる”としよう。」

安直だが、私はそう考えた。“佐賀蛙歌”は、乾いた心に染み入って、潤いをもたらしたのである。

「まさか…カエルで、そんなに喜ぶとは思わんかったよ。」
叔父上が苦笑するのは電話口にもわかる様子だが、それはそれで良かった。

こうして、幕末の佐賀藩を追い求めるだけでなく、いまの佐賀県もどうにか語りたい…また、そんな想いに至るのだった。




  
タグ :佐賀


Posted by SR at 21:57 | Comments(2) | 「望郷の剣」シリーズ