2021年05月09日

連続ブログ小説「旅立の剣」(40)いつの日か佐賀で

こんにちは。
長々とお送りしました一昨年の秋の“旅日記”。第3シリーズで完結です。

当初は“息抜き”のつもりで始めましたが、わりと頑張ってしまい、全40話になりました。多少の感慨もあり、連続ブログ小説の最終回として区切りを入れます。

念のためですが、ブログは続きます。そして、このシリーズに関連した記事は、たぶん今後も登場します。企画案は色々とあって、時間体力との勝負です。


――14:23。佐賀城内を北の堀端に出た。

混雑を避けて、西側堀沿いを走ってきた私。人通りの少ない小径(こみち)

このルート選択は正解だったようだ。手元で時刻を見る。
「よし、佐賀駅には充分…間に合いそうだ。」

連続ブログ小説「旅立の剣」(40)いつの日か佐賀で

――息切れはするが、到達感がある。

私は旅の終わりに感じる、一抹の寂しさを打ち消す。
「また、近いうちに来ればいい…」

堀沿いを抜ける風。ここには、お祭りの賑わいは無い。呼吸を整えて、大通りへ戻る道をゆっくり歩き出す。


――14:24。佐賀の県庁や議会が立ち並ぶ一角。

この2日間、あわせて30時間にも満たない滞在だった。

佐賀の街中で、繰り返した動き。パシャリと写真を撮る。
少し胸を張って、やや上向きの角度に撮った、この一枚だ。

連続ブログ小説「旅立の剣」(40)いつの日か佐賀で

――これが、この旅の最後の写真である。

広大な北堀を渡る、大きい橋を行く。中央大通りに面した佐賀郵便局。その向かいの停留所で、バスを待つことにする。

幕末期。城の北堀の手前には、佐賀の藩校“弘道館”が立地したようだ。

若い佐賀藩士たちが学問に励み、武術で鍛え、を食い、議論をぶつけ合い、時には乱闘する…きっと当時の私にはそこまでのイメージは見えていなかった。


――この旅で見た景色は、時間をかけて、私の想像力とつながっていく。

本日は、初の市営バスに乗り込んだ。1日目一日乗車券を使い、縦横無尽に佐賀の街走り回ったことが既に懐かしい。

今回は、これで良かったとするか。」
やっぱり名残惜しいが満足したことにする。佐賀駅に向けて、走り始めるバス


――ここまでの密度の濃い時間に比べて、

不思議なぐらいに、帰路の記憶は残っていない。そこから50日ほどが過ぎた。私は、このブログを通じて皆様の前で語り始めることにした。

私自身も最近、知ったばかりの故郷・佐賀の偉大さを。そして、幕末佐賀藩が、現代でこそ広く知られるべき存在であることを。

そして本作は、この一部始終を、ある佐賀藩士(?)の旅立として記すものだ。


〔連続ブログ小説「旅立の剣」 完



タグ :佐賀

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この記事へのコメント
SR様
「旅立の剣」の完結。おめでとうございます㊗️
というよりお疲れさまでした。
次回からの新しいシリーズも楽しみにしております。
Posted by 多良岳に寝ころぶイノシシ多良岳に寝ころぶイノシシ at 2021年05月09日 19:36
多良岳に寝ころぶイノシシ様
温かいコメントありがとうございます。
「大河ドラマ」からは遠い話が続いていますが、1つの企画を集中して完成させるのも、佐賀藩士(?)らしくて良いかなと考えました。
しばらくは、本編第2部の調べ物をしているうちに生じた“副産物”を記事にしていこうと思っています。少し意表をついた展開になるかもしれません。
引き続きよろしくお願いします。
Posted by SRSR at 2021年05月10日 21:28
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