2021年03月20日

連続ブログ小説「旅立の剣」(23)“朝ドラ”も見たい

こんばんは。そろそろ年度末に近づいて来ましたね。4月から新しい環境でのスタートが決まっている人もいるでしょう。

…この季節、時間には密度の濃淡があることを強く感じるのです。

前回の続き。一昨年(2019年10月)の活動をもとに綴るシリーズ。佐賀が誇る偉人の銅像を見ながら中央大通りを南に歩き、長崎街道の近くまで寄っています。


――朝8:09。看板には、“工学・化学分野の先駆者”と表示あり。

座り姿の男性。多久が輩出した、日本の電気工学の祖・志田林三郎日本初工学博士の1人だそうだ。

幕末期。佐賀藩内でも教育熱心で知られた、多久領の学問所で学ぶ。
〔参照(中盤):「主に多久市民の皆様を対象としたつぶやき」

明治期。工部大学校や留学を経て、技術官僚として活躍。電気学会を創設し、“IT社会”の到来まで予見したという。100年以上先を見通したようだ。

逓信四天王”と呼ばれた電信石丸安世(虎五郎)、電話石井忠亮はともに佐賀藩士日本情報通信をリードした佐賀系譜が、つながっていく。

連続ブログ小説「旅立の剣」(23)“朝ドラ”も見たい

――その左隣に立つ、日本最初の女性化学者(理学博士)・黒田チカ。

日本初の女性理学博士は、別の植物学者の方。それで“化学分野女性初”と注釈が付くようだ。は少し現代に近づき、明治中期の生まれ。

「これからは女子にも学問が必要!」という進歩的に恵まれた。

佐賀から出て、当時の女性学問を続ける不利を乗り越えていく。自信有り気なタイプでは無かったようだが、地道頑張る姿は周囲のに響いていく。

には、この学問を続ける資格がある!」とか周り先生方が熱く励ました。黒田氏は日本初女子大生(帝大生)の1人となり、東北帝国大学に進む。


――「これは“大河”というより…そうだ、“もう1つの看板番組”だ!」

明治期、佐賀の“朝ドラ”を作る!」なら、有力な主役候補だろう。
紅(くれない)の博士”と呼ばれ、科学研究を志す後進の目標になった女性

黒田チカ博士は、理化学研究所でも天然色素の抽出など研究を続けた。現・お茶の水女子大学で教壇に立ち、玉ネギから“結晶”を取り出す研究を行う。

この結晶が“ケルセチン”。後に高血圧として実用化される物質だった。


…延々と「朝ドラ」(連続テレビ小説)を目指して語ってしまいそうなので、今日はこの辺りで。前回とあわせても、現場では10分程度の時間。

密度の濃い時の過ごし方でした。


(続く)




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