2023年10月11日
「年末まで、どうする。」
こんばんは。
暑い夏が過ぎ去ったと思いきや、慌ただしい師走の季節まで、もはや2か月も無いとは…気忙しいことです。
一方で、記事投稿のスピードは、大幅に減速しており、どうにかペースを取り戻したいとは考えています。
本日のテーマは、今年の大河ドラマです。最近の放送では、松本潤さんが次第に“徳川家康”のイメージに近づいてきたように感じます。
老獪(ろうかい)な人物としての描写も多い、天下人・徳川家康の“完成形”を目がけてか、弱々しかった主人公にも、大物感が出てきました。
――たとえ書くのは滞っても…、大河ドラマは視聴します。
ここまで佐賀県の気配が見えなかった、2023年大河ドラマ『どうする家康』。直近の第38回「唐入り」で、肥前名護屋城が舞台として登場しました。
時の天下人・豊臣秀吉の命令により、全国の大名が現在の唐津市(鎮西町)に築かれた城に集結。
その権勢のままに当時では、異例の20万の人口規模の街が、西海の望む地に突如として出現…

豊臣政権の本拠地、大坂城に次ぐ規模の大城郭があったという話です。
現在では、特別史跡として知られる肥前の名護屋城。建物は各地に移築されるなどで残っていなくても、城跡としての保存状態は良好といいます。
都市部にある城郭は、時代が移れば、すぐに周辺の土地が高度に利用され、往時の痕跡が薄れてしまうことが多いようです。
…というわけで、このような大城郭が残っているのは貴重です。きっと城跡巡りが好きな方には、たまらない場所のはず!…ですが、
――残念ながら、私も現地に行った事はありません。
豊臣政権が迷走し、無謀な海外出兵を進めた場所という印象が、観光地としての知名度が伸びきらないところかもしれません。
この時の豊臣秀吉の思惑について、現在でも新説を見かけますが、この朝鮮から明を攻める計画に、肯定的な意味を見いだすのは難しいようです。
そして2016年大河『真田丸』に続き、『どうする家康』でも、各地の武将たちが「瓜売り」を先頭として、仮装大会を行う描写がありました。
凄惨な戦いの裏で行われる、賑やかな催しには何か“空虚さ”も感じられます。
ただ、視聴者には肥前名護屋も、それなりのイメージは残せたはず。全国から武将が集結したのは確かです。

――その2023年大河ドラマも、いよいよ大詰め…
私は個人的に「幕末佐賀藩の大河ドラマ」のイメージを考える…というブログを綴っています。
そのため、一般の人よりは「プロの脚本での筋書きが気になる傾向がある人」だと思います。
10月まで視聴してきましたが、主に第38回を題材にして『どうする家康』の脚本の「ここが怖い…」という点を語ってみます。
人気脚本家・古沢良太さんの力量に恐れを感じるポイントとお考えください。
なお、以下にある文中のセリフは、正確には再現しておらず、視聴者としての私が受けた感覚で書いています。

――①「コメディパート担当(?)の服部党。」
服部半蔵〔演:山田孝之〕が率いる、伊賀から来た忍者集団・服部党。
服部家自体は、武将の家系であるらしく、忍者扱いされるたびに「それがしは、武士でござる!」と言い返すパターンが見られます。
それでいて、登場のたびに「服部半蔵、参上。」というふうに、世間での忍者そのもののイメージで現れます。
そして、この脚本では、これも“忍びの術”の表現なのか大体、何らかの笑いの要素が仕込んであります。
今回の話では、本当の戦況を知るべく、名護屋の街から渡海して出兵している大名家の内情を探ってほしいと、家康から調査を命じられます。
――「武士だから、もう、忍者みたいな仕事はしたくな~い」と見せかけて、
指笛で…音が鳴らなかったので、結局は大声で、相棒みたいな女忍者・大鼠〔演:松本まりか〕を屋根裏から呼び出します。
「…もう、仕方ないなぁ。今回だけは忍者、やりますよ」と渋々、任務を受けるようでいて、服部半蔵の表情はとても満足げ。
半蔵の呼びかけに応じて、屋根裏からストっ…と下りてきた、女忍者・大鼠のクールな姿と好対照なのが、より面白く感じます。
それにしても、時間の経過のわりには、この女忍者、まったく歳を取った印象がありません。これも“忍びの術”なのか…。
序盤では悲劇にも見舞われましたが、見ていて楽しい(?)忍者集団。このドラマの視聴者の中には、服部党の参上を心待ちにしている人も多いはず。

――②「この人は、ここで使うために、この人だったのか!」
著名な役者さんを、意外な使い方でキャスティングしている印象も。
たとえば、朝の連続テレビ小説『あまちゃん』での大物芸能プロデューサー役の存在感が記憶に残る、この役者さんを題材に語ります。
今回の話では、室町幕府・最後の将軍だった足利義昭〔演:古田新太〕が予想に反して、この肥前名護屋の舞台での再登場。
足利義昭が将軍だった頃は、家康が苦労して確保した“金平糖”(当時は、超高価)を適当に食べるなど、何の配慮もない人物…との描き方。
個人的には、2020年大河『麒麟がくる』での、滝藤賢一さん演じる、苦悩する聖者のような足利義昭のイメージがわりと気に入っていました。
――「作品によって、ここまで落とすか…」と思ったものです。
これも、大河ドラマ毎の違いを楽しむには良いのですが、単なる俗物として、足利義昭の登場を終わらせるには、含みのある配役だと感じていました。
そして、まさかのここで再登場。おもてなしのタダ酒にありつこうとする姿。キャラクターの基本線は変わらず。
ただ、権力の頂点にあった元・将軍として、国内で逆らう者のいない太閤・豊臣秀吉〔演:ムロツヨシ〕に、自分の体験談として苦言をぶつけ、諭します。
「権力の頂点にはある時には、霞がかかって見えるものも見えない。信じる者は選ばれよ…」と、訥々(とつとつ)と語る“酔っぱらい”。
描き方は違うものの、たしかに『麒麟がくる』の聖者だった、足利義昭公と同じ人物だとは感じられました。
このドラマ、大名や武将だけでなく足軽や、市井の人々まで…油断のならない描き方をします。

――③「実在・架空を問わず、女性の描き方に芯がある。」
服部党の女忍者のような、架空のキャラクターもすごく仕上がっています。
金ケ崎の戦いでは、お市〔演:北川景子〕の侍女・阿月が、己の命を賭けて走り続ける…という架空の人物を中心とした、衝撃のシナリオまでありました。
しかし『どうする家康』で、個人的に「上手いな…」と舌を巻いているのが、史実に残っている、家康の周囲にいた女性たちの描き方です。
戦無き世への壮大な構想を描いていた、正室・瀬名〔演:有村架純〕の描き方は、ストーリーの本筋のための表現と考えています。
どちらかといえば、於愛の方〔演:広瀬アリス〕の立ち位置が、家康に対する複雑な想いが表現されて、そのラストも印象的でした。
愛情というより敬慕の念を持って、明るい女性の役回りに徹する…ような。
――たぶん、側室などの仕事(役割)の書き方が良いのです。
直線的な動きをする有能な秘書っぽい側室・お葉、強い信念がある浮気相手・お万、そして、正室・瀬名から“引き継ぎ”を受けている於愛の方…
単に主人公を取り巻く女性として描くと、現代社会とのズレに反発も受けかねないのですが、それぞれに役回りを持って働いている表現が上手い。
これも肥前名護屋が舞台の話ですが、茶々〔演:北川景子(二役)〕とも、直接対決できる最強の側室が出てきました。
ほぼ男装で武芸にも秀でるという、阿茶局〔演:松本若菜〕。家康に迫る、茶々を見事に防ぎます。
家康と同座した、2人の女性が対峙する場面には緊張感がありました。対決は大坂の陣まで続く…と考えると、「この脚本、面白いな…」とゾクゾクします。
――大河ドラマにも、色々な見方があると思いますが、
私なりに、今年も楽しめているようです。ただ「佐賀の人の活躍が、大河ドラマで見たい…」という願望だけは積み残っていきます。
下書きもなかなか進まない状況ですが、今のところは自分自身でも書いていくことで、納得していくほかは無さそうです。
暑い夏が過ぎ去ったと思いきや、慌ただしい師走の季節まで、もはや2か月も無いとは…気忙しいことです。
一方で、記事投稿のスピードは、大幅に減速しており、どうにかペースを取り戻したいとは考えています。
本日のテーマは、今年の大河ドラマです。最近の放送では、松本潤さんが次第に“徳川家康”のイメージに近づいてきたように感じます。
老獪(ろうかい)な人物としての描写も多い、天下人・徳川家康の“完成形”を目がけてか、弱々しかった主人公にも、大物感が出てきました。
――たとえ書くのは滞っても…、大河ドラマは視聴します。
ここまで佐賀県の気配が見えなかった、2023年大河ドラマ『どうする家康』。直近の第38回「唐入り」で、肥前名護屋城が舞台として登場しました。
時の天下人・豊臣秀吉の命令により、全国の大名が現在の唐津市(鎮西町)に築かれた城に集結。
その権勢のままに当時では、異例の20万の人口規模の街が、西海の望む地に突如として出現…
豊臣政権の本拠地、大坂城に次ぐ規模の大城郭があったという話です。
現在では、特別史跡として知られる肥前の名護屋城。建物は各地に移築されるなどで残っていなくても、城跡としての保存状態は良好といいます。
都市部にある城郭は、時代が移れば、すぐに周辺の土地が高度に利用され、往時の痕跡が薄れてしまうことが多いようです。
…というわけで、このような大城郭が残っているのは貴重です。きっと城跡巡りが好きな方には、たまらない場所のはず!…ですが、
――残念ながら、私も現地に行った事はありません。
豊臣政権が迷走し、無謀な海外出兵を進めた場所という印象が、観光地としての知名度が伸びきらないところかもしれません。
この時の豊臣秀吉の思惑について、現在でも新説を見かけますが、この朝鮮から明を攻める計画に、肯定的な意味を見いだすのは難しいようです。
そして2016年大河『真田丸』に続き、『どうする家康』でも、各地の武将たちが「瓜売り」を先頭として、仮装大会を行う描写がありました。
凄惨な戦いの裏で行われる、賑やかな催しには何か“空虚さ”も感じられます。
ただ、視聴者には肥前名護屋も、それなりのイメージは残せたはず。全国から武将が集結したのは確かです。
――その2023年大河ドラマも、いよいよ大詰め…
私は個人的に「幕末佐賀藩の大河ドラマ」のイメージを考える…というブログを綴っています。
そのため、一般の人よりは「プロの脚本での筋書きが気になる傾向がある人」だと思います。
10月まで視聴してきましたが、主に第38回を題材にして『どうする家康』の脚本の「ここが怖い…」という点を語ってみます。
人気脚本家・古沢良太さんの力量に恐れを感じるポイントとお考えください。
なお、以下にある文中のセリフは、正確には再現しておらず、視聴者としての私が受けた感覚で書いています。
――①「コメディパート担当(?)の服部党。」
服部半蔵〔演:山田孝之〕が率いる、伊賀から来た忍者集団・服部党。
服部家自体は、武将の家系であるらしく、忍者扱いされるたびに「それがしは、武士でござる!」と言い返すパターンが見られます。
それでいて、登場のたびに「服部半蔵、参上。」というふうに、世間での忍者そのもののイメージで現れます。
そして、この脚本では、これも“忍びの術”の表現なのか大体、何らかの笑いの要素が仕込んであります。
今回の話では、本当の戦況を知るべく、名護屋の街から渡海して出兵している大名家の内情を探ってほしいと、家康から調査を命じられます。
――「武士だから、もう、忍者みたいな仕事はしたくな~い」と見せかけて、
指笛で…音が鳴らなかったので、結局は大声で、相棒みたいな女忍者・大鼠〔演:松本まりか〕を屋根裏から呼び出します。
「…もう、仕方ないなぁ。今回だけは忍者、やりますよ」と渋々、任務を受けるようでいて、服部半蔵の表情はとても満足げ。
半蔵の呼びかけに応じて、屋根裏からストっ…と下りてきた、女忍者・大鼠のクールな姿と好対照なのが、より面白く感じます。
それにしても、時間の経過のわりには、この女忍者、まったく歳を取った印象がありません。これも“忍びの術”なのか…。
序盤では悲劇にも見舞われましたが、見ていて楽しい(?)忍者集団。このドラマの視聴者の中には、服部党の参上を心待ちにしている人も多いはず。
――②「この人は、ここで使うために、この人だったのか!」
著名な役者さんを、意外な使い方でキャスティングしている印象も。
たとえば、朝の連続テレビ小説『あまちゃん』での大物芸能プロデューサー役の存在感が記憶に残る、この役者さんを題材に語ります。
今回の話では、室町幕府・最後の将軍だった足利義昭〔演:古田新太〕が予想に反して、この肥前名護屋の舞台での再登場。
足利義昭が将軍だった頃は、家康が苦労して確保した“金平糖”(当時は、超高価)を適当に食べるなど、何の配慮もない人物…との描き方。
個人的には、2020年大河『麒麟がくる』での、滝藤賢一さん演じる、苦悩する聖者のような足利義昭のイメージがわりと気に入っていました。
――「作品によって、ここまで落とすか…」と思ったものです。
これも、大河ドラマ毎の違いを楽しむには良いのですが、単なる俗物として、足利義昭の登場を終わらせるには、含みのある配役だと感じていました。
そして、まさかのここで再登場。おもてなしのタダ酒にありつこうとする姿。キャラクターの基本線は変わらず。
ただ、権力の頂点にあった元・将軍として、国内で逆らう者のいない太閤・豊臣秀吉〔演:ムロツヨシ〕に、自分の体験談として苦言をぶつけ、諭します。
「権力の頂点にはある時には、霞がかかって見えるものも見えない。信じる者は選ばれよ…」と、訥々(とつとつ)と語る“酔っぱらい”。
描き方は違うものの、たしかに『麒麟がくる』の聖者だった、足利義昭公と同じ人物だとは感じられました。
このドラマ、大名や武将だけでなく足軽や、市井の人々まで…油断のならない描き方をします。
――③「実在・架空を問わず、女性の描き方に芯がある。」
服部党の女忍者のような、架空のキャラクターもすごく仕上がっています。
金ケ崎の戦いでは、お市〔演:北川景子〕の侍女・阿月が、己の命を賭けて走り続ける…という架空の人物を中心とした、衝撃のシナリオまでありました。
しかし『どうする家康』で、個人的に「上手いな…」と舌を巻いているのが、史実に残っている、家康の周囲にいた女性たちの描き方です。
戦無き世への壮大な構想を描いていた、正室・瀬名〔演:有村架純〕の描き方は、ストーリーの本筋のための表現と考えています。
どちらかといえば、於愛の方〔演:広瀬アリス〕の立ち位置が、家康に対する複雑な想いが表現されて、そのラストも印象的でした。
愛情というより敬慕の念を持って、明るい女性の役回りに徹する…ような。
――たぶん、側室などの仕事(役割)の書き方が良いのです。
直線的な動きをする有能な秘書っぽい側室・お葉、強い信念がある浮気相手・お万、そして、正室・瀬名から“引き継ぎ”を受けている於愛の方…
単に主人公を取り巻く女性として描くと、現代社会とのズレに反発も受けかねないのですが、それぞれに役回りを持って働いている表現が上手い。
これも肥前名護屋が舞台の話ですが、茶々〔演:北川景子(二役)〕とも、直接対決できる最強の側室が出てきました。
ほぼ男装で武芸にも秀でるという、阿茶局〔演:松本若菜〕。家康に迫る、茶々を見事に防ぎます。
家康と同座した、2人の女性が対峙する場面には緊張感がありました。対決は大坂の陣まで続く…と考えると、「この脚本、面白いな…」とゾクゾクします。
――大河ドラマにも、色々な見方があると思いますが、
私なりに、今年も楽しめているようです。ただ「佐賀の人の活躍が、大河ドラマで見たい…」という願望だけは積み残っていきます。
下書きもなかなか進まない状況ですが、今のところは自分自身でも書いていくことで、納得していくほかは無さそうです。