2023年05月03日
「GW特別企画・めざせ2026年」
こんばんは。
タイトルでお察しいただけるかもしれませんが、私には、多少の残念な想いがあります。先週半ばに、2025年NHK大河ドラマの発表がありました。
その日、インターネット上のニュース記事で、大河ドラマの主役を演じるのが、若手俳優の横浜流星さんに決まったとのタイトルを見かけたのです。
本日の記事は、その大河ドラマ決定を知った時点の、私の心理状態から語ります。いつも綴っている“本編”とは、まったく別の話としてご覧ください。

※横浜
――その日の仕事が終わり、帰路の電車内で決定の報を知った私。
「…その大河ドラマの題材は何だ!?」
ネットニュースを開けば、その冒頭に現れた不意を突く記事。それは通例より遅い時期と思われる、再来年の大河ドラマの発表でした。
2025年と言えば、大阪での万国博覧会が開催される年でもあります。そして、佐賀藩出身者には、明治期に「博覧会男」の異名を取った人物もいます。
私には、幕末のパリ万博でも奮闘し、明治のウィーン万博では現地責任者(副総裁)を務めた佐野常民が主人公となることへの微かな期待もありました。
――息をのむように、その記事を参照する。
高鳴る胸、熱き鼓動…帰りの電車に揺られるだけの勤め人ですが、今でも、白球を追う高校球児のように"青春”を感じる瞬間があるのです。
この段階で、私が得ている情報は、主演する俳優さんの名前だけです。
「時代設定は、いつだ?主人公は誰なんだ!」
私は記事を目で追います。軽くのけぞるような衝撃が走ります。
そこに示された結果は「幕末佐賀藩の大河ドラマ」ではありませんでした。
「…くっ、2025年は外したか。」

――「わかっている、厳しい道のりだ。」
実際のところ、細々と続ける私の活動が、大河ドラマの決定に何らかの影響を及ぼすとは考えにくいです。
「それでも、佐賀藩士(?)を名乗るなら、あきらめない事が肝要だ…」
なお、一連のセリフは、私の心の声。誰に語ったものでもありません。
もちろん混雑する電車の中では、マナーを守って整然と振るまわねばなりません。発表に悔しがるのも、想いを叫ぶのも、心の中に留めます。
幕末・明治期に活躍した佐賀出身者にも、比較的に常識人が多い印象です。
県民性の話でも、佐賀の人は感情を、あまり表に出さないと聞きます。内心がわかりづらいとも言われ、ドラマになるには不利という…気はします。
――私の“残念”の描写は、さておき。
2025大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の決定を受けた感想です。
第一印象で、2019年の『いだてん~東京オリムピック噺~』と似たタイトルと感じました。1つのテーマから、時代そのものを描く…のかもしれません。
いろいろ気になることもあって、古い日本史の教科書を引っ張り出しました。
なお、私はどんな角度からでも佐賀藩の話に持っていくよう努めていますので、以下には、2025年大河ドラマに関わらない事項が、かなり含まれます。

――注目ポイント①「このテーマで来たか!」
「日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた男。」
“江戸のメディア王”の異名があるという主人公・蔦屋重三郎〔演:横浜流星〕。私が持っている日本史の教科書には、載っていなかった人物です。
NHKの公式サイトによると、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見出し、“東洲斎写楽”を世に送り出したとあります。
私の教科書では「江戸後期の文化」で見た名前が続きます。蔦屋重三郎は、文化史的に相当な“大物”であると、うかがえました。
庶民の心を動かす、滑稽な風刺だったり、華麗な浮世絵であったり、幻想的な物語であったり…たしかに教科書の一角を占める“仕事”を扱ったようです。

――注目ポイント②「その時代で設定したか…」
蔦屋重三郎という人物は1750年に誕生し、1797年に世を去ったそうです。
幕末期の視点から見ると、ペリーの黒船が来航した100年ぐらい前に生まれ、長崎港にフェートン号が侵入した事件の10年くらい前に没しています。
欧米列強の脅威が顕在化する前の時代で、まだ天下泰平とも言える時期、江戸の庶民文化に大輪の花を咲かせた立役者。そんな時代を駆け抜けた人物。
どうやら田沼意次の時代の自由な空気を謳歌し、松平定信の寛政の改革で抑圧される…という展開が物語の軸にあるようです。
――注目ポイント③「どんな描き方をするか?」
相当古い教科書ですが、蔦屋重三郎の“仕事”は、江戸後期の文化史の項目で扱われていました。
教科書の構成上の都合だったのか、なぜか幕末期に迫り来る異国の脅威と海防策、鍋島直正の佐賀藩を含む雄藩の改革の記述のすぐ後にあり…
江藤新平・大木喬任・副島種臣・大隈重信など、佐賀藩士の残した“仕事”が多数ある、明治期の近代国家の成立の直前に掲載されていました。
若い頃、日本史を勉強した時には、あまり興味を持てなかった文化史の数頁ですが、年齢を重ねてみると、昔より面白そうに見えてきます。
――その物語を描く脚本家は、森下佳子さん。
2017年大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも史実の情報が少ないらしい主人公を、とても記憶に残ってしまうストーリーで描き切った方です。
その影響は、現在(2023年)の『どうする家康』にも強く感じられ、当時の演者と重ねて見てしまう大河ドラマファンも多いはず。
『おんな城主~』で登場した、豆ダヌキっぽい家康、勝ち気な妻・瀬名、イケメンの石川数正や非情な酒井忠次も、若くて激情型の井伊直政も魅力的でした。

…そして、この時も武田軍は怖かった。
佐賀の物語でないのは残念ですが、大河ドラマファンの1人としてエネルギーに満ちた江戸の文化がどんなシナリオで表現されるのか、楽しみです。
――次は、2026年の大河ドラマの発表がいつになるか。
今回の発表を見て「近代国家の制度、教育、技術の礎を築いた」というテーマ設定ならば、佐賀藩の大河ドラマも描けるはず…という想いは生じました。
こうして、大河ドラマの制作発表のたびに、私の気持ちはざわざわとします。
今回は気分転換も兼ねた記事を書きましたが、一喜一憂せずに、私が見たい「佐賀の物語」と向き合う方が良いのかな…と、最近は考えています。
タイトルでお察しいただけるかもしれませんが、私には、多少の残念な想いがあります。先週半ばに、2025年NHK大河ドラマの発表がありました。
その日、インターネット上のニュース記事で、大河ドラマの主役を演じるのが、若手俳優の横浜流星さんに決まったとのタイトルを見かけたのです。
本日の記事は、その大河ドラマ決定を知った時点の、私の心理状態から語ります。いつも綴っている“本編”とは、まったく別の話としてご覧ください。
※横浜
――その日の仕事が終わり、帰路の電車内で決定の報を知った私。
「…その大河ドラマの題材は何だ!?」
ネットニュースを開けば、その冒頭に現れた不意を突く記事。それは通例より遅い時期と思われる、再来年の大河ドラマの発表でした。
2025年と言えば、大阪での万国博覧会が開催される年でもあります。そして、佐賀藩出身者には、明治期に「博覧会男」の異名を取った人物もいます。
私には、幕末のパリ万博でも奮闘し、明治のウィーン万博では現地責任者(副総裁)を務めた佐野常民が主人公となることへの微かな期待もありました。
――息をのむように、その記事を参照する。
高鳴る胸、熱き鼓動…帰りの電車に揺られるだけの勤め人ですが、今でも、白球を追う高校球児のように"青春”を感じる瞬間があるのです。
この段階で、私が得ている情報は、主演する俳優さんの名前だけです。
「時代設定は、いつだ?主人公は誰なんだ!」
私は記事を目で追います。軽くのけぞるような衝撃が走ります。
そこに示された結果は「幕末佐賀藩の大河ドラマ」ではありませんでした。
「…くっ、2025年は外したか。」
――「わかっている、厳しい道のりだ。」
実際のところ、細々と続ける私の活動が、大河ドラマの決定に何らかの影響を及ぼすとは考えにくいです。
「それでも、佐賀藩士(?)を名乗るなら、あきらめない事が肝要だ…」
なお、一連のセリフは、私の心の声。誰に語ったものでもありません。
もちろん混雑する電車の中では、マナーを守って整然と振るまわねばなりません。発表に悔しがるのも、想いを叫ぶのも、心の中に留めます。
幕末・明治期に活躍した佐賀出身者にも、比較的に常識人が多い印象です。
県民性の話でも、佐賀の人は感情を、あまり表に出さないと聞きます。内心がわかりづらいとも言われ、ドラマになるには不利という…気はします。
――私の“残念”の描写は、さておき。
2025大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の決定を受けた感想です。
第一印象で、2019年の『いだてん~東京オリムピック噺~』と似たタイトルと感じました。1つのテーマから、時代そのものを描く…のかもしれません。
いろいろ気になることもあって、古い日本史の教科書を引っ張り出しました。
なお、私はどんな角度からでも佐賀藩の話に持っていくよう努めていますので、以下には、2025年大河ドラマに関わらない事項が、かなり含まれます。
――注目ポイント①「このテーマで来たか!」
「日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた男。」
“江戸のメディア王”の異名があるという主人公・蔦屋重三郎〔演:横浜流星〕。私が持っている日本史の教科書には、載っていなかった人物です。
NHKの公式サイトによると、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見出し、“東洲斎写楽”を世に送り出したとあります。
私の教科書では「江戸後期の文化」で見た名前が続きます。蔦屋重三郎は、文化史的に相当な“大物”であると、うかがえました。
庶民の心を動かす、滑稽な風刺だったり、華麗な浮世絵であったり、幻想的な物語であったり…たしかに教科書の一角を占める“仕事”を扱ったようです。
――注目ポイント②「その時代で設定したか…」
蔦屋重三郎という人物は1750年に誕生し、1797年に世を去ったそうです。
幕末期の視点から見ると、ペリーの黒船が来航した100年ぐらい前に生まれ、長崎港にフェートン号が侵入した事件の10年くらい前に没しています。
欧米列強の脅威が顕在化する前の時代で、まだ天下泰平とも言える時期、江戸の庶民文化に大輪の花を咲かせた立役者。そんな時代を駆け抜けた人物。
どうやら田沼意次の時代の自由な空気を謳歌し、松平定信の寛政の改革で抑圧される…という展開が物語の軸にあるようです。
――注目ポイント③「どんな描き方をするか?」
相当古い教科書ですが、蔦屋重三郎の“仕事”は、江戸後期の文化史の項目で扱われていました。
教科書の構成上の都合だったのか、なぜか幕末期に迫り来る異国の脅威と海防策、鍋島直正の佐賀藩を含む雄藩の改革の記述のすぐ後にあり…
江藤新平・大木喬任・副島種臣・大隈重信など、佐賀藩士の残した“仕事”が多数ある、明治期の近代国家の成立の直前に掲載されていました。
若い頃、日本史を勉強した時には、あまり興味を持てなかった文化史の数頁ですが、年齢を重ねてみると、昔より面白そうに見えてきます。
――その物語を描く脚本家は、森下佳子さん。
2017年大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも史実の情報が少ないらしい主人公を、とても記憶に残ってしまうストーリーで描き切った方です。
その影響は、現在(2023年)の『どうする家康』にも強く感じられ、当時の演者と重ねて見てしまう大河ドラマファンも多いはず。
『おんな城主~』で登場した、豆ダヌキっぽい家康、勝ち気な妻・瀬名、イケメンの石川数正や非情な酒井忠次も、若くて激情型の井伊直政も魅力的でした。
…そして、この時も武田軍は怖かった。
佐賀の物語でないのは残念ですが、大河ドラマファンの1人としてエネルギーに満ちた江戸の文化がどんなシナリオで表現されるのか、楽しみです。
――次は、2026年の大河ドラマの発表がいつになるか。
今回の発表を見て「近代国家の制度、教育、技術の礎を築いた」というテーマ設定ならば、佐賀藩の大河ドラマも描けるはず…という想いは生じました。
こうして、大河ドラマの制作発表のたびに、私の気持ちはざわざわとします。
今回は気分転換も兼ねた記事を書きましたが、一喜一憂せずに、私が見たい「佐賀の物語」と向き合う方が良いのかな…と、最近は考えています。